佐賀県議会 > 2016-06-02 >
平成28年6月定例会(第2日) 本文
平成28年6月定例会(第2日) 名簿

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  1. 佐賀県議会 2016-06-02
    平成28年6月定例会(第2日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開     議 ◎議長(中倉政義君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  日程によりまして、一般質問を開始いたします。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎江口善紀君(拍手)登壇=皆様おはようございます。県民ネットワークの江口善紀です。  質問に先立ち、平成二十八年熊本地震により犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表し、御冥福をお祈りいたします。また、今なお避難生活を余儀なくされている方々や被災された多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。  さて、通告した項目に従い、一般質問に入らせていただきます。  一問目は、佐賀空港の自衛隊機配備問題についてであります。  今回の防衛省からの要請について、県は昨年十月二十九日に中谷防衛大臣から直接計画の全体像、将来像の説明を受けて、大臣の説明の趣旨や意味について県側の受けとめと食い違いはないか、あるいはさらに明確化を求める点はないかなどの視点で精査を行い、昨年十二月二十五日に九州防衛局に対し、一回目の質問文書を発出して以来、先月三十日の九州防衛局からの回答まで、これまで三往復にわたって質問、回答のやりとりが行われています。  私も、五月三十日付の九州防衛局からの回答文書、それまでの回答文書を全て目を通しましたが、説明が曖昧と感じられる点や、丁寧さに欠ける回答や説明が散見されるような印象を受けています。例えば、県が九州防衛局に対して「『オスプレイが物理的に着陸可能な飛行場』の具体的な条件」を質問したことについて、九州防衛局の回答では、「オスプレイは垂直離着陸が可能であることから、全国全ての飛行場を念頭に置いておりますが、現時点で、使用する飛行場に求める具体的な条件が確定しているわけではありません。」と回答されています。  また一方、去る六月三日には若宮防衛副大臣が本県を訪問されました。五月に実施された現地調査を踏まえ、施設配置の計画案や環境面に配慮した排水対策の考え方などについて、知事や県議会議長らに説明が行われました。  私は、庁内テレビで知事への説明を見ました。また、議長室へは入室させていただき、副大臣の説明を傍聴いたしました。それぞれ十分少々のやりとりだったと感じましたが、施設の配置図を手にし、いよいよこれから具体的な議論が始まるのかなと感じました。  私は、今回の防衛省の計画の全体像、将来像については、県民誰もが理解できるよう、できる限りわかりやすい資料で情報提供をし、明らかにすべきであると考えております。決して国のスケジュール感にとらわれることなく、必要であれば何回でも国と粘り強く確認作業を行うべきとも思っています。  そこで、次の点について質問いたします。  まず一点目、防衛省の計画の全体像、将来像に対する認識についてであります。  私は、九州防衛局との質問、回答のやりとり、そして、今回の副大臣による施設の場所と施設配置案等の説明については、現時点での計画だと受けとめております。知事は、これまでの一連の流れで、知事の求めていた全体像、将来像が示されたと受けとめているのでしょうか。  二点目、米海兵隊の利用要請についてであります。  昨年十月に中谷防衛大臣が本県を訪問された際、米海兵隊の利用要請は取り下げられたものの、米軍利用については、全国の他の空港との横並びの中で佐賀空港の活用も考慮するとも発言をされております。そもそも、防衛省からの当初の要請の中には、米海兵隊の利用要請があったことから、現時点で一旦取り下げられただけと考えるのが自然だと思いますが、知事の所見を伺いたいと思います。  三点目、今後の議論や精査について質問いたします。  県と防衛省の間の三往復にわたる質問、回答のやりとりや、施設配置案等が示されたことにより、いよいよ本格的な議論、精査に入っていくことになると思います。県民に見えるような、わかりやすい議論を行っていく必要があると思います。
     知事は、六月の定例記者会見の中で、「私の今の感覚で、六月議会で判断するスケジュール感は全く持ち合わせていません。」と述べられましたが、今後どのようなスタンスで議論や精査を行っていくのでしょうか。  四点目、公害防止協定についてですが、まず公害防止協定の解釈についてであります。  今回の防衛省からの要請を判断するに当たり、私は公害防止協定の解釈が人によって異なっているのではないかと考えております。改めて、知事はどのように解釈しているのか質問いたします。  そして、関係者間の意識のすり合わせについてであります。  知事は六月の定例記者会見の中で、公害防止協定について、県、佐賀市、有明海漁協の関係者間で意識のすり合わせが必要との見解を示されましたが、どのように取り組んでいくつもりなのか御答弁をお願いいたします。  五点目、防衛省による地元説明会についてであります。  防衛省は、地元自治会からの要請を受け、地元での説明会の開催を検討しているというふうに報じられておりますが、知事はこのことをどのように受けとめているのでしょうか。  以上、よろしくお願いいたします。  質問二問目の菅官房長官との面談についてお伺いいたします。  山口知事は就任後、政策提案や予算要望などで中央省庁等を訪問し、時には大臣と直接面談の機会を持たれるなど精力的に提案活動をされていると認識しております。  今議会の演告においても、五月二十四日に森山農林水産大臣に面談されたことを報告されていました。  佐賀県の県政課題には、国政にまつわる課題が他県と比較しても多く、所管の大臣など政府要人に直接面談し、意見交換することはとても大切なことだと思います。  昨年十二月、山口知事が菅官房長官と面談されたことが報道されていました。このときの面談は、農業関係団体の方と二名で会われたと聞いております。この面談のことについて伺いたいと思います。  一点目、菅官房長官との面談の具体的な内容等についてであります。  この面談では、地方創生、TPP対策、佐賀空港、道路整備といった件について提案されたと聞いておりますが、面談の目的及び具体的な提案内容は何だったのか。また、菅官房長官との面談の感想または印象はどうだったのか、その点について御答弁を願います。  二点目、佐賀空港への自衛隊機配備に関するやりとりについてであります。  現在、佐賀空港への自衛隊機配備に関することは、県政の大きな課題であります。報道の中にも書いてありましたが、菅官房長官との面談において、オスプレイの件についてはどのようなやりとりがなされたのか、明らかにしていただきたいと思います。  三問目の問いに参ります。学校給食の安全性確保についてお伺いいたします。  安全・安心な学校給食については、二月議会の一般質問でも取り上げさせていただきました。しかしながら、その後も学校給食の現場では異物混入の事案が後を絶たず、大変憂慮しております。  そうした中、四月にはGM21ミーティングにおいて、県、市町、学校、民間業者等が一体となって、安全・安心な学校給食の実現に向け集中的に取り組む学校給食安全安心緊急対策が提案されたと聞いております。  学校給食の食材を納めている食品納入業者や調理場の責任者を対象とした研修会も実施され、学校給食関係者の意識の啓発や、それぞれの施設でも改めて対策が行われたと聞いております。  言うまでもなく、学校給食は子供たちの心身の健全な発達に資するものであり、また、学校生活で一番楽しみにしている時間でもあります。その学校給食への安心、信頼を取り戻すことが今改めて求められています。そして、この間、さまざまな対策が講じられてきたにもかかわらず、異物混入事案の再発を防げないという状況を鑑みれば、視点を変えた対策も必要ではないかと考えます。  例えば、学校給食をつくる学校給食施設には、空調設備が整っている調理場と未整備の調理場があります。大型で火力の強い調理器具を使っての調理は大変な重労働と伺っています。空調設備を整備することで労働環境の改善を図り、調理員さんの負担を少しでも軽減することは、安全・安心な学校給食の提供につながるのではないかと思います。  また、以前に比べて、調理における作業手順も工程も煩雑になっています。さらに食物アレルギーへの対応も求められるようになりました。「調理の現場は早朝から忙しい」と調理をされている方々の話も聞こえてきており、人手が足りていないのではないかと危惧いたします。  これ以上にどのような対策を講ずれば学校給食の安全性が向上するのか、ある種、着眼点を変えた対策の提案も含めて質問させていただきます。  一点目、労働環境の改善についてであります。学校給食施設の労働環境に係る改善について質問いたします。  調理施設の空調機器の整備、未整備にはばらつきがあることは先ほど述べました。教室の空調機器の整備が進む中、調理に火を使う給食調理施設においても、空調機器の整備は必要ではないかと考えます。  校舎の耐震化整備と同様に、同じぐらいの意気込みを持って学校給食施設の労働環境に係る抜本的な改善が必要と考えますが、県の考え方を求めます。  次に、調理員や栄養教諭・学校栄養職員の人員配置についてであります。  調理現場では人手が足りていないという声も聞いております。学校給食調理の現場でも、ヒヤリ・ハットへの注意や事故防止は重要なことです。調理員や栄養教諭・学校栄養職員の配置の現状を検証し、必要であれば増員を検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  佐賀県では、小学校の低学年に独自の加配措置を行っています。学校給食の運営は、一義的には市や町の事業であり、施設整備や人員の増員は市や町の事業ということで、予算も絡むことであり、どこまで県が話ができるかわかりませんが、改善に取り組む姿勢のある市町にはぜひとも協力をしていただきたいと思います。  二点目、異物混入の再発防止に対する知事の思いについてであります。  GM21や演告において、知事も学校給食の異物混入の再発防止に向け、県、市町、学校、民間業者等が一体となって取り組んでいくとの発言をされておりますが、改めて知事のこの問題に対する思いを伺いたいと思います。  四問目、有明海の再生についてお伺いいたします。  諫早湾干拓事業の開門に係る裁判については、ことし一月から国、開門を求める漁業者及び開門差しとめを求める干拓地農業者等との三者による和解協議が続けられております。  五月二十三日の長崎地方裁判所での和解協議において、国が開門にかわる漁業環境改善措置として「有明海振興基金(仮称)」の創設を提案されました。六月七日には農林水産省の末松農村振興局長が佐賀県に来県され、県に説明があったところであります。  また、昨日は長崎地裁にて第五回の和解協議が行われましたが、この基金について、現時点で基金の規模も何をやるかの具体案も示されなかったという状況です。  平成九年四月に諫早湾の潮受け堤防が閉じられ、はや十九年が経過いたしました。この間、有明海の現状は、潮の流れの低下や底質の悪化、さらには赤潮や貧酸素水塊の発生が増加するなど、漁場環境の悪化により漁業生産は不安定な状況が続いています。  そうした中、ノリ養殖では十三年連続で日本一となっているものの、西南部漁場では赤潮の発生によるノリの色落ち被害が発生し、生産が不安定な状況にあります。また、漁船漁業についても、太良町地先でアサリが十数年ぶりに漁獲につながるなど一部で資源回復の兆しが見られるものの、タイラギ漁が四年連続で休漁に追い込まれるなど、漁家経営はまだまだ厳しい状況にあります。  漁業者の皆さん方は、こうした近年の漁獲量の減少は諫早湾干拓地潮受け堤防の締め切りが原因ではないかとの疑念を持たれており、私自身も諫早湾干拓事業が大きく影響しているものと考えております。  そこで、次の点について伺います。  一点目、魚介類の漁獲量についてであります。  諫早湾干拓地潮受け堤防の締め切りの前後で漁獲量の推移はどのようになっているのでしょうか。  二点目、有明海域の漁業生産額についてであります。  国の行政改革によって、農林水産統計年報における有明海域の漁業生産額が平成十九年以降公表されていないと聞いております。地域経済をはかる上で、漁業生産額は必要な資料と考えます。例えば、有明海海域で年間大体どれぐらいの漁業の生産額があるのかというのが今わからない状況だと伺っております。  県では、どのような方法で漁業生産額の把握を行っているのでしょうか。また、有明海・八代海等再生特別措置法に基づき種々の振興策を進めていることから、行政改革を理由に全国横並びで統計を削減することには納得ができません。農林水産統計における有明海域の漁業生産額の公表再開に向けて国への働きかけが必要ではないかと考えますが、県の考え方を御答弁いただきたいと思います。  三点目、開門調査についてであります。  私は、この裁判、和解協議が行われている中で、引き続き国に対して開門調査を求めていく必要があると考えます。知事の考え方を求め、一般質問とさせていただきます。(拍手) 3 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。江口善紀議員の御質問にお答えいたします。  まず、防衛省の計画の全体像、将来像に対する認識についてお尋ねがございました。  昨年十月二十九日に中谷防衛大臣が来訪された際に、私のほうから明確化を求めていたものについて、防衛省としてまとめて提示いただいたものと受けとめてございます。  今回は、施設配置の図面を含めて提示がなされたところでありまして、防衛省からの要請内容、すなわち計画の全体像、将来像を示してほしいとしていたものにつきましては、かなり明らかになりまして、一定程度の内容は示されたのではないかと考えているところでございます。  今回示された図面を含めまして、現在、確認、精査を行っておりまして、不明な点等があれば防衛省と確認のやりとりを行うことになるものと考えてございます。  続きまして、米海兵隊の利用要請についてお尋ねがございました。  昨年十月二十九日に中谷防衛大臣からは、米海兵隊の利用については要請を取り下げるという説明がありました。公開の場における発言でありまして、大臣の言葉は重いものと受けとめてございます。  また、その後の防衛省との文書でのやりとりの中でも、現在の防衛省からの要望項目は、自衛隊オスプレイ配備及び目達原駐屯地ヘリ部隊の移転の二点であることを確認してございます。  こうしたことから、米海兵隊利用は明確に取り下げられたものと認識しているところでございます。  続きまして、今後の議論や精査についてお尋ねがございました。  これまでの防衛省との文書による三往復にわたる確認作業や、先日、若宮防衛副大臣が来訪された際の施設配置案の提示など、防衛省の要請内容はかなり明らかになり、一定程度の内容は示されたのではないかと思っておりますが、まだ確認、精査の段階でございます。  また、県と防衛省との文書による質問、回答や、これまでの防衛大臣等の来訪時の記録等につきましては、全て公開しておりまして、県民の皆さんに見えるような形で取り組んでいるところでございます。  今回の防衛省からの要請に対しましては、今後ともプロセスを大切にしながら、しっかりと対応していきたいと考えております。  続きまして、公害防止協定の解釈についてお尋ねがございました。  かねがね申し上げておりますとおり、公害防止協定は尊重しなければならないものと思っておりますが、当事者の現在の思いというものも大切にしなければならないものと考えてございます。  関係者間の意識のすり合わせについてお尋ねがございました。  私は、公害防止協定の解釈につきまして、県、佐賀市、有明海漁協一定程度すり合わせをしておきませんと、要請を受ける私たちの議論がかみ合わなくなることを危惧しております。  このような中で、有明海漁協から公害防止協定の解釈について県の考えを聞きたいとのお話があったために、今月二十日に県の担当者を説明に行かせることとしております。  当日は、公害防止協定の解釈ですとか、事前協議の考え方について説明させていただく予定となっております。  また、佐賀市につきましては、有明海漁協への説明を踏まえまして考えてまいりたいと思います。  続きまして、防衛省による地元説明会についてお尋ねがございました。  若宮副大臣は、来訪された際に私に対して、佐賀市や漁協、空港周辺の方々には懇切丁寧に説明したいと説明されましたので、防衛省の責任においてやっていただくべきものと考えています。  防衛省におかれましては、地元から今回のような説明会開催の要請があった場合には、地元の意向をよく酌み取っていただいた上で懇切丁寧にしっかりと対応していただきたいと考えています。  続きまして、菅官房長官との面談について、その具体的な内容等についてお尋ねがございました。  いかんせん、半年以上も前なので記憶が定かでないところもあるんですけれども、あのときは国の平成二十八年度当初予算、そして補正予算編成時でありましたので、さまざまな懸案があります佐賀県の実情を知っていただくために面談を実施することができました。  そのときは、お話にありましたとおり、JAの佐賀中央会会長と二人同行して、三人だけで、ほかの方は入らずにやった記憶がございます。  具体的な話といたしましては、佐賀空港の利用が非常に好調である話になりまして、その中で私のほうから九州佐賀国際空港の滑走路の二千五百メートル化を検討している話、そして、エプロンを拡張したいのでその支援といった話をさせていただきました。  それから、TPP対策といたしまして、本県の農林漁業者の皆さん方がいろいろ不安に思っている話をさせていただいて、しっかり寄り添っていただきたいという話、それから「佐賀牛」の話が出て、我々のほうとすると食肉センターの整備、特に輸出といった観点からするとこれは極めて重要なので、そこに対する支援もお願いしたところであります。  それから、有田焼創業四百年が来年に迫っているので、こういったものも今一生懸命やっている話ですとか、有明海沿岸道路の話ですとか、そういった話をして、意見交換をさせていただきました。  大体十五分程度だったと思いますけれども、和やかな雰囲気のもとで進みまして、今後、お互いに信頼感を持ちながらやっていきましょうといった気持ちを共有することができたと考えております。  そして、佐賀空港への自衛隊機配備に関するやりとりについてのお尋ねもございました。  これもちょっと記憶が定かではないんですけれども、その話があったことは覚えています。そのときに、滑走路延長の話の際に自然に話題に出てきたものでした。官房長官とは、プロセスを大事にすることが大事ということについてお互い共有できたというふうに思っています。  私からは、やはり計画の全体像、将来像といったものを明確にしていただくことが大事だということと、それを今精査していると。そして、県民の思いが大事であるということについて、私のほうから申し上げたところでございます。  続きまして、学校給食の異物混入の再発防止に対する私の思いについてお尋ねがございました。  昨年度から学校給食における異物混入事案が続いているところでありますけれども、子供たちが食べる学校給食に金属片などの混入というのは絶対にあってはならないという強い思いのもとで、江口議員からもお話がありましたように、四月二十二日、第四回のGM21で県、市町、学校、民間業者が一体となって異物混入防止に向けて取り組んでいくことを提言し、皆さんの御賛同を得たところであります。  特にGM21では、第二回、昨年の十一月に行われた中で、これは神埼市長さんから県内全ての市町で中学校までの学校給食の完全実施を提案されたことがあって、私も学校給食賛同主義者でありまして、非常にすばらしいものだと思って、特に今回の件でこういった議論に水を差されたというのは、非常にじくじたる思いをしているところであります。  また、ことしの二月一日には、大町のひじり学園で小学校の生徒が給食を準備する様子を見学するとともに、中学校二年生の皆さん方と一緒に給食を食べることがありまして、非常にいい空間、すばらしいなというふうにも思ったところであります。  学校給食というのは、全ての子供たちの楽しみであって、喜びであってほしいというふうに思います。そして、それを提供するということは、単に料理を出すということではなくて、食育ですとか、将来の子供たちの体をつくるということに貢献するとても崇高な仕事だということが大事だと思いますし、そういう意識を関係者の皆さん方に持っていただくということが重要だと思っています。  再発防止に向けましては、学校給食に携わる全ての関係者が同じ気持ちになって、どうして異物混入が繰り返されるのか、あらゆる可能性を排除せずにしっかりと原因を追及し、対処していかなければならない課題だと思っています。  本当に全ての子供たちが楽しく学校給食の時間を過ごすという日常を一日でも早く実現したいものと考えているところでございます。  続きまして、有明海の再生につきまして、開門調査についてお尋ねがございました。  有明海の再生は、漁業者のみならず、県民の切なる願いであると思います。  県といたしましては、開門調査につきましては、有明海の環境変化の原因究明のための一つの手段として必要でありまして、国には確定判決に従って一日も早く開門調査を実施していただきたいと考えております。  先般、五月二十四日ですが、政策提案のときにも森山農林水産大臣に対しまして、改めて開門調査の実施を提案してきたところでございます。  今後も引き続き、機会あるごとに開門調査の実施について国に求めていきたいと思います。  今後とも、漁業者の皆さんに寄り添いまして、その意向を尊重して、しっかりと対応していきたいと考えてございます。  私からは以上でございます。 4 ◎古賀農林水産部長 登壇=私からは、有明海の再生についての御質問のうち、二点についてお答えをいたします。  まず、魚介類の漁獲量の推移でございます。  有明海における諫早湾干拓潮受け堤防の締め切り前後の漁獲量の推移につきまして、佐賀県農林水産統計年報で見てまいりますと、締め切り前の平成元年から平成九年までは、これは全体の数字でございますが、約一万六千トンから二万二千トンで推移していたという状況でございます。締め切り後の平成十年から直近の平成二十六年までをずっと見てまいりますと、少ない年で約三千トンから一万トン、こういった間で推移をしているという状況でございます。  このうち、全体の七、八割を占めますサルボウやタイラギなどの貝類でございますが、平成元年から平成九年までは約一万三千トンから約一万九千トンで推移をしていたところでございますが、平成十年以降は一万トンを下回る状況が続いているという状況でございます。  次に、コノシロやスズキなどの魚類につきましては、平成元年から平成九年までは約二千トン前後で推移をしていたところでございますが、平成十年以降は約一千五百トン前後で推移し、特に平成二十一年以降は一千トンを下回るという状況でございます。
     このように有明海の漁獲量につきましては、潮受け堤防の締め切りを契機に総じて減少傾向にあるという状況でございます。  次に、有明海域の漁業生産額につきまして、現在どのような方法で生産額を把握しているのか、さらに公表されていないということで、国に公表再開を働きかけるべきとの御質問をいただきました。  まず、漁業生産額の把握でございますが、有明海域の漁業生産額につきましては、議員からありましたように、国の行政改革によりまして、平成十九年以降公表されていないということで、これは県域全体で公表されているということで、それまでは有明海域、玄海海域、県トータルというような感じで公表されていたのが公表されなくなったということでございます。  そういうことで、県といたしましては、実際、ノリにつきましては漁協の販売額で一〇〇%把握ができますが、漁獲量につきましては、佐賀県の漁業者の方は福岡県の柳川の市場あたりに水揚げをされる状況が多うございますので、直接柳川の魚市場に出向きまして、その出荷状況、あるいは季節の変動等の価格の動向などについて県独自に調査をして、実態の把握に努めているという状況でございます。  次に、国への働きかけでございますが、御指摘がございましたように、有明海域の漁業生産額の把握につきましては、施策の立案、あるいは漁業者の方々の経営状況の把握などにとって重要な情報と考えております。  こうしたことから、これまで公表再開に向けまして、九州各県水産主務課長協議会など、九州各県同じような状況もございますので、九州各県と連携して、これまで幾度となく国に要請したところでございますが、いまだ改善に至っていないという状況でございます。  国からは、職員数の減少などから以前の調査精度に戻すことは難しいなどの事情を聞いているところでございますが、今回の議員からの御指摘も踏まえまして、まずは九州地域で農林水産統計を所掌しております九州農政局統計部と現状について意見交換をしたいと考えておりますし、これは従前は九州共通の課題ということもございまして、ひいて言えば全国の課題だと思いますが、以前、九州各県の水産主務課長協議会で議論をされ、国に何度となく政府提案を行われた経緯がございますので、改めて九州各県水産主務課長協議会の場などで問題提起をいたしまして、その場で議論していただき、国の要請なども含めて議論いただきたいというふうに考えているところでございます。  以上、お答えといたします。 5 ◎古谷教育長 登壇=私からは、江口議員のお尋ねのうち、学校給食の安全性確保の労働環境の改善についてお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。  議員からは、学校給食の安全・安心の確保という観点から、施設や人員配置など、労働環境の改善についてお尋ねをいただきました。  一連の今回の異物混入事案について、施設の環境や、あるいは人員配置に起因するものと言えるかどうかは別にいたしまして、調理現場で働く方たちが学校給食を提供することについて、意識高く、また気持ちよく働いていただくためには執務環境を整えていくことは大切なことであるというふうに私どもも認識をしております。  その上で、学校給食施設の改善についてでございますが、学校給食の衛生管理基準では、調理場は換気を行い、適切な温度や湿度を保つよう努めることとされております。このことにつきましては、学校給食の実施主体であり、施設の設置者であります市町の教育委員会が責任を持って対応していただく必要がございます。  県教育委員会といたしましても、先ほど申し上げたような認識も踏まえて、市町教育委員会の実情に応じ、適切な対応を図っていただくように助言をしていきたいと考えているところでございます。  次に、調理員、あるいは栄養教諭、学校栄養職員の人員配置についてでございます。  調理員の配置につきましては、国が児童生徒数に応じた配置基準を示した上で、学校給食の運営に支障を来さないように、設置者において地域や調理場等の状況に応じ運用するよう通知をされているところでございます。  調理場の環境改善と同様に、調理員の配置につきましても、学校給食の実施主体である市町教育委員会が責任を持って対応していただく必要がございますが、県教育委員会としても学校給食施設の現状を踏まえ、当該施設の実情に応じて適切な対応を図っていただくように助言をしていきたいと考えております。  なお、栄養教諭、学校栄養職員の配置につきましては、県教育委員会が「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づいて各学校に配置をしているところでございます。  いずれにしても、安全で安心な学校給食が確実に提供されますよう、各市町教育委員会と連携を図りながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 6 ◎江口善紀君 登壇=何点か再質問をさせていただきたいと思います。  まず、自衛隊の佐賀空港配備の件でまず防衛省の計画の全体像、将来像に対する認識についてということで、知事のほうからかなり明らかになったというふうな御答弁をいただきました。  私は、これは現時点での計画ではないかなというふうに今受けとめています。というのも、三十三ヘクタールというふうに言われておりますこの図面を見まして、率直に一番最初の感想は三十三ヘクタールに随分詰め込んでいるなという印象を受けました。それと、弾薬庫が道路の道向かいにあったり、あるいは格納庫が三つありまして、知事も副大臣に対して、その三つの格納庫に航空機は大体何機ぐらい格納できるのかというふうな御質問をされていまして、私も本当にそのとおりだと、何機入るんだろうと大変興味を持ちました。今、目達原の駐屯地に約五十機の航空機が配備されているということで、地図上で、グーグルアースでも確認できる範囲で、五十機に対して、大型の格納庫が四つか五つぐらい確認できるんですね。そして、木更津駐屯地は、この前、県議会でも視察に行ってまいりましたが、たしか九つか十近くの格納庫があったと覚えております。将来的に七十機を配備する計画という中で、本当に格納庫が三つで足りるのだろうかという意味で、将来像について私は非常に素朴な疑問を持ったわけです。  佐賀県は台風に対する備えが大変必要な地であります。格納庫に七十機分の三十機しか入らない中で、残りの航空機はどのようにするのかと。台風以外のときでも、露天に駐機をしていくのかというのは素朴に疑問に思います。これは、やはり防衛省のほうに今度委員会で尋ねなければいけないことだと思いますし、本当に将来も三十三ヘクタールというこの面積で足りるのか。あるいは弾薬庫に関しては緩衝地帯が必要というふうなコメントも以前防衛省のほうからありましたが、本当にこの三十三ヘクタールで納まるのかという将来的な意味で、まだまだこれから防衛省に確認することはたくさんあると思います。そういった意味で、私は現時点での説明というふうに受けとめております。  知事は、かなり明らかになったというのは、現時点でのことについては明らかになったと思いますが、将来像に向けてはどのような受けとめをされているのか、もう少し詳しく答弁をいただければと思います。  二点目、米海兵隊の利用要請についてでありますが、知事は中谷防衛大臣の言葉は非常に重いというふうな答弁を従前からされております。ここでもう一度、私、昨年十月二十九日の中谷防衛大臣と山口知事の面談記録を読み返してみました。  少し引用させていただくと、「ただし、政府としては沖縄の負担を全国で分かち合うべきとの基本的な考え方に基づきまして、引き続き全国の他の空港との横並びの中で佐賀空港の活用も考慮させていただきたいと思っております。」。言葉を抜くと、ただし、引き続き佐賀空港の活用も考慮させていただきたいというふうに、主語、述語、修飾語がありますけれども、骨子を抜き出すとそういうふうな形になるんじゃないかと私は思っております。  また、その次の段落で「必要に応じて改めてお願いをさせていただくことがあり得ますが」という「が」もついておりますし、またその二行先に「佐賀県に負担が集中するような利用は全く考えておりません。」と。集中するような利用は全く考えておりませんが、集中は否定していないわけでありまして、これもまた、前回二月議会に引き続くような感もありますが、私としては大臣の三点目の米海兵隊の移駐を取り下げたという言葉は重いというのも一点ありますが、条件つきで引き続き佐賀空港の活用も考慮させていただきたいと考えている、その言葉も同様に重いのではないかというふうに思います。だから、この一連のやりとりをもって、将来に米海兵隊が利用を、申し出が来ないということは確約されたものではないと私は今段階で受けとめております。  知事は本当に米海兵隊の利用要請について、現時点では取り下げられたというふうに答弁をされておりますが、将来にわたってはまだまだ十分利用要請がくる可能性があるのではないかというふうに私は思います。その点について、将来についても米海兵隊の利用はないというふうに今受けとめていらっしゃっているのかどうかについて確認をさせていただきたい、御答弁をお願いしたいと思います。  次に、今後の議論や精査の部分についてでありますが、防衛省から現時点での計画が示されて、やっと議論のスタートラインに着いたのかなと、これから本格的な議論に入るのではないかというふうに私は考えます。陸上のトラックに例えると、材料が出てきました。つまり、このトラックにハードルがあるのか、距離は何メートルなのか、いろんな諸々の材料が出てきたというふうに仮定をすれば、スタートして第一コーナー、第二コーナー、第三コーナーと、そして第四コーナー、議論を行った上でゴールラインで結論を導き出すというふうに仮定をした場合、私は今段階では、この議論はスタートラインに立った段階だというふうに考えています。  今後の議論や精査のスケジュール感について、知事はこの陸上トラックに例えるならば、今、スタートラインから一コーナー、二コーナー、三コーナー、ゴール、どのあたりの段階に立っているという感覚なのでしょうか。プロセスを大切にしてというふうな御答弁を先ほどいただきましたが、私はこれからがスタートラインだと思っていますが、知事のスケジュール感、この陸上トラックに例えればどの時点なのかについて質問をさせていただきます。  四点目の公害防止協定についてですが、当事者の現在の思いも大切にという従前からの御答弁をいただきました。これは、「また」以下の記述で本当に自衛隊と共用する考えは持っていないと、当時の県は認めている上で、「また」以下の記述についての受けとめ方だと思います。  ここに、平成二十六年八月三十一日の朝日新聞の記事があります。平成二十六年八月三十一日の朝日新聞に、「井本勇・元知事に聞く」という記事であります。見出しは「空港共用、想定なかった」ということで、恐らく知事もこの記事はごらんになっているんではないかと思いますけれども、やはり知事の答弁を聞いていると、当事者の現在の思いというのに力点が置かれているような言い方に聞こえてなりません。  当時の方の思い、あるいは当時の背景、この公害防止協定の本当の解釈というものを正確に読み取らなくて、関係者、佐賀市や漁協や地元の住民の方の理解は決して得られるものではないと思います。  これから関係者と意見のすり合わせをされるというふうなことでありますが、今の県の解釈を、市や漁協の方々に理解をしてもらうという意味でのすり合わせなのか、あるいはそれぞれがどのように解釈をしているのか、当時、どういう状況でどういう趣旨で書いてあったということをまず正確に突き詰めることから始まるのか、どちらなのでしょうか。県の解釈を理解してもらうことなのか、それとも、もともとの意味をみんなで確認をするという意味なのか、どういう意味なのかについて、知事の考え方を質問したいと思います。  五点目の防衛省による地元説明会についてであります。  これは地元の四人の自治会長さんが福岡の九州防衛局に要請に行かれたことが記事で報道をされておりますが、当然これは事業主体であります防衛局が地元に対してすることというふうな認識で、これはそのとおりだと思います。この地元への説明会に対して、報道によると防衛省のほうが、県や市の同意がないとできないというふうなことを発言したというふうなことが報道に載っておりましたので、これはまた特別委員会での参考人招致の場において、防衛省に確認をしたいと思いますが、これは特段、防衛省が行う地元説明会に対して、県や市が許可をしたりとかする必要はないのではないかということで、先ほどの御答弁で確認をいたしたと思います。  しかしながら、防衛省に対して、地元の自治会長さんが勇気を出して要請に行かれたのに対して、結果的に困惑をされるような場面もあったやに伺っております。地元の意向を酌み取った上で防衛省には説明会の開催をしていただければという御答弁でありましたが、地元に対して防衛省が説明をすることもあると思いますけれども、県として住民に対しての説明の機会が求められれば、今後県としても地元に対して説明会をする用意があるのかどうかについて、もし可能であれば御答弁をお願いいたします。  それと、学校給食の安全性の確保についてであります。  二月議会でも再三にわたって再々質問までさせていただいたと思いますが、今、教育長から御答弁をいただきまして、調理員さんの配置基準については、これは昭和三十五年につくられたもので、この基準を見ると、本当に少ない人数なんです。とてもこれは給食、おかず一品、二品、ざっくりつくって、あとパンを出すぐらいの感覚じゃないかというぐらい、これで例えば、三人で何百人の食事、給食がつくれるかというぐらい、今の人員配置に照らし合わせれば、物すごく、現実にあたわない配置基準だと私は認識をいたしております。  配置基準や現状、適切な対応をするというふうにおっしゃいましたけども、私は空調などの施設整備とか、あるいは特に人員配置については、佐賀県は本当に小学生低学年に対して加配措置を独自でやっておりますので、それぐらいの、耐震工事と同じぐらいの意気込みを持って、給食の安全性確保に今まで以上の取り組みが必要なんではないかという意味で質問させていただいたつもりです。  もちろん、配置基準のこと、適切な対応というふうに御答弁いただきましたけれども、本当、三人と四人って、すごく大きいと思うんですよね。あるいはセンターにしても相当多くの食事数をつくるわけでありますので、先ほど配置基準をもとにおっしゃいましたが、昭和三十五年の配置基準では、今の除去食とかアレルギー食、温度管理、そういったものを考えれば、全然手が足りないというのが現状だと思いますので、私はその適切な対応というのはわかりますけども、本当にそれ以上に耐震基準とか、あるいは小学生低学年の加配措置並みの、それぐらい大きな英断が必要ではないかというふうに思い、それぐらいの対応を市町でやろうと、取り組むというところに関しては、ぜひ県としても全力で応援をしていただけないかと、そういった意味で、この給食の二問目については、わざわざ知事に対して決意を、思いを伺った次第です。  市町の教育委員会が直営で学校で給食をつくる調理施設があったところが、民間に切りかわるとなったところがあったそうです。そのときに、民間に切りかわる前に、調理施設がきれいになって、空調設備が整備され、そして民間に委託されたそうです。なので、直営の調理員さんたちは、民間に委託するときには、調理施設もきれいになって、空調もつくのねと、半ば複雑な気持ちで次の学校に結局異動をされたということであります。  民間、直営に限らず、やはり大変朝の短い時間で工程も多い、非常に煩雑な調理現場の中で、安全性を高めるための抜本的な改革という意味で御提案、質問をさせていただきました。いま一歩積極的な、あるいは前向きな御答弁をいただければと思い、再質問とさせていただきます。  以上、よろしくお願いいたします。 7 ◎山口知事 登壇=江口議員の再質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港の自衛隊機配備問題につきまして、五点お尋ねがございました。  まず、一点目でございますけれども、佐賀空港についての、かなり明らかになったという中での施設配置の問題についてお尋ねがございました。  私は昨年の二月十三日に左藤副大臣に最初にお会いして聞いたときに、「何とかみたいな」とか、「そんな感じ」とかいう話があって、余りにも提案内容が明らかでないので、もうちょっとはっきりいろいろなことを明確にしてもらいたいということから、一年四月たって、それであのころを考えると、かなり明らかになったものはあるんではないかなというふうに思いました。  そして、図面が今回出てきまして、私もそのときに初めて見たわけですけれども、素朴な感情として、ターミナルから近いという話と、格納庫って、これどのぐらい入るのかというお話をさせていただいたところであります。  いろんなお話の中で、皆さん方お考えがあると思います。防衛省さんのほうからは、将来的な施設規模の拡大は考えていないというお話をいただいているところではあるんですけれども、議員がおっしゃるように、現時点ではということなんでしょう、それは。先のことまで全て束縛してという返事にはなってないわけでありまして、そういったことも、これから皆さんで議論していく中での論点となってくると思いますので、これは私も、そして県議会の皆さん方も、そしていろんな皆さん、関係者の皆さん方も含めて、そういった論点について議論していくことになろうかというふうに考えています。  二つ目のお尋ね、米海兵隊についてでありますけれども、私がいろんな皆さん方のお話をお伺いする中で、やはり一番心の中に刺さっているのが、実は米軍が町なかを歩くという日常は考えたくないというお話でありまして、これについてどうなるんだろうかということが私にとっては一つの大きな論点でありました。ですから、中谷防衛大臣が来たときも、そこについては大分、話の途中で議論させていただくこともありましたし、その中で取り下げるという話があったこと、じゃ、その先はどうなのかといったときには、地位協定がある中で、ほかの空港と横並びの中で議論させていただくと、改めてという話がありました。それは、これももちろん現時点だということだと思っています。  私はここの経緯の中で、最初の段階では要望が三項目あったわけですから、私はここで大臣が一つおろしてきたということについては、あれだけ明らかな段階の中でやっていただいたことだから、国との信頼関係の中で非常に大きな事実だと私は受けとめています。ただ、これを今後どういうふうに考えていくのかということについては、それは将来の日本の環境とか、それからこれからの基地負担のあり方だとか、さまざまなところでの議論になっていくんでしょうから、これについても私は大きな論点になっていくんだろうというふうに思っています。  三つ目でございますけれども、現在、トラックに例えると、どのぐらいの段階に来ているのかということでありますけれども、私はこの一年と四カ月、まず提案自体が不明確であると議論もできないということで、その明確化を求めてきたわけでありますから、あえて例えるとすると、スタート地点に立ちつつあるような感じであります。最終的な精査も今やっているところでありますけれども、こうやって議論が開始できるような状況になりつつあることは感じています。  ただ、そのゴールがどこなのかと、何メートル走っているのかということについては、これは私、全くわからないと思っています。逆にいえば、スケジュール感を持ち合わせていないということはそういうことでありまして、このトラックが何メートルのトラックで、ゴール地点がどこなのかということについては、これからの我々の議論次第、そしてそれは私もそうですし、議会の皆さん方もそうですし、漁協も市も、県民の皆さん方も、そういった中でどういう議論がこれから闘わされていくのかといったことを、私もしっかりと注視して見守っていくという状況なのかなというふうに思っているところであります。  それから、四点目の井本さんの話に絡んだ空港の軍事共用の部分に想定がなかったというお話があったことについてでありますが、私も当時、佐賀空港を自衛隊と共用する考えは持っていなかったんだろうと思っています、当時はですね。それはずっとそうであったんだと思います。県から、その間、今に至るまで、自衛隊の誘致をしたこともありませんし、県は民間空港として佐賀空港を伸ばしていこうというふうに思っておったと思います。きょうまでこの考えは維持されてきたというふうに思います。  そして今回、防衛省から国防という国の大きな観点から県に対して要請がなされたと。どうしようかというのが現時点、県の置かれている状況だというふうに思いますので、今回、この公害防止協定すり合わせについてどうしていくかということについては、県としては我々としての考え方について説明をした上で、それを押しつけるということではなくて、皆さんどうでしょうか、どうだったんだろうかということについてみんなで話し合っていくというプロセスがあるんではないかというふうに思っております。  続きまして、防衛省の地元説明会についてのお尋ねがございました。  私も、県とか市の許可が要るなんていうことは全く思っていなくてびっくりしたんですけれども、私のほうからは、真摯に住民の皆さん方に向かい合って、防衛省さんの要請だから、防衛省さんがみずからやるということ、そのときには住民の皆さん方を大事にしてほしいという話は再三させていただいたところでありますし、今回、地元の皆さんが行ったときに、余りスムーズに話ができなかったということは非常に残念に思いますし、早速これは部長のほうから防衛省の九州防衛局のほうに、住民を大事にしてくださいと、真摯に対応してくださいということはまた再度お願いさせていただいたところであります。  住民の皆さん方に県がどう向かい合うかということに関して言えば、我々も向かい合っていきたいと思っています。ただ、これはあくまでも提案者が防衛省さんなので、まずは防衛省さんがしっかりと住民に向かい合っていくということが大事だと思いますし、その間、タイミングが合えば、じゃ県はどうなんだという声があれば、それは県もしっかりと真摯に対応していきたいと思いますけれども、少なくとも我々が防衛省さんのかわりに何かを説明するということはあり得ないので、防衛省さんがしっかりと対峙して、どういう理由から今回の要請がなされて、どういうことをしようとしているのかといったことについては、真摯に対応いただきたいというふうに思っているところでございます。  私からは以上でございます。 8 ◎古谷教育長 登壇=江口議員の再質問にお答えをいたします。  まず、学校給食の調理員の配置について、昭和三十五年の通知のことをお話しいただきました。確かに昭和三十五年に一定の配置基準は示されておりますけれども、その後における共同調理場の普及ですとか、あるいは施設整備の近代化、パート職員の増加などによりまして、現時の学校給食の実情に合致しない点も見られるということで、昭和六十年一月二十一日付の文部省体育局長通知におきまして、「学校給食業務の運営の合理化について」の中で、設置者においては、地域や調理場等の状況に応じて、昭和三十五年十二月十四日付体育局長通知を弾力的に運用することとされております。現実的にも市町の教育委員会においては、この昭和三十五年の通知の基準ではなくて、それを上回る人員が配置されているというふうに承知をしているところでございます。  その上で、先ほど耐震基準の耐震化の問題とか、あるいは小学校低学年における少人数の問題のお話との兼ね合いで御指摘をいただきましたけれども、例えば、耐震の問題につきましては、一定の診断を行って、それに基づいて耐震性の基準というものが示され、その基準に満たないものについての対策が講じられることとなっております。  また、少人数について、本県独自に導入した経緯につきましても、たしかその少人数またはTTの体制をとることで、その効果が得られるかどうかというところについて、国立の教育政策研究所だったかと思いますけれども、そちらのほうでの検証が行われまして、その結果に基づいて、低学年については確かに効果があるという客観的な検証を得た上で県として判断をして導入したものでございます。  今回の件につきましては、先ほども申し上げましたけれども、混入防止対策として、施設とか人員について客観的な引き上げるべき基準として示されているものはない中での話でございます。あくまで勤務労働条件として任命権者であり、給食の実施主体である市町教育委員会が責任を持って対応いただくということが私は基本ではないかというふうに思います。  その上で、先ほど言いましたように、現場で働く方たちの労働環境、執務環境を整えていくということは大切なことだと思いますので、私どももそうした認識を持って各市町とは意見交換なり助言なりを行ってまいりたいと、そういうことでございます。  私からは以上でございます。 9 ◎江口善紀君 登壇=知事、教育長、御答弁ありがとうございました。  最後に一点だけ再々質問を知事にさせていただきたいと思います。  今後の議論や精査について、スケジュール感の件であります。  先ほどのトラックの例えによれば、知事のほうもこれからいよいよスタートラインに立ち、そしてゴールというのはなかなかわからないというのは、私もそうだと思います。どれぐらいの距離なのかというのは、その議論の過程はなかなか今でははかれないと思います。  私の表現では、ゴールというのは一つ例えて言えば、今回の自衛隊の要請を受け入れるか、受け入れないかの判断を一種のゴールというふうに例えさせていただいたつもりでありました。  そして、この議論や精査のスケジュール感のことについて、最後再々質問をさせていただきますが、私ども佐賀県の立場としては、しっかり精査、議論をしていくというのが前提であります。しかしながら、要請を行ってきております防衛省にとっては、防衛省の都合があるわけであります。防衛省はオスプレイの初号機が納入される平成三十一年に合わせて、佐賀に駐屯地を開設したいという希望を持っている、これは昨年十月二十九日の中谷大臣の説明資料にも記載をされていました。そういうスケジュール感を描いて事業に臨んでいるのは当然のことだと思います。  そのためにも、防衛省は八月末の概算要求の締め切りですとか、ことし十二月下旬に決まる政府予算案に向けて、年内に知事から計画への賛同を得られることを目標にしていると私は受けとめています。これ以上おくれると、平成三十一年駐屯地開設の計画全体の後ろ倒しになりかねないという危惧の意見もあります。知事が計画への判断をする時期については、私は先ほど御答弁いただいたように、しっかりと議論をし、精査をし、そしてせかされるべきものでもないという姿勢で臨むべきだと思いますし、九月や十一月議会や、年内の判断について、これは防衛省の立場と佐賀県の立場は違うという前提に立てば、九月議会、十一月議会、あるいは年内に、知事にそういった賛否を求める声が一部にあるかもしれませんが、そういう、ことし年内とかいつまでというスケジュール感を持たないで、これからしっかり議論、精査をしていくという受けとめでよろしいのか、最後に確認の意味で再々質問とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 10 ◎山口知事 登壇=江口議員の再々質問にお答えしたいと思います。  スケジュール感についてのお話がございました。これも再三申し上げておりますように、私のほうからスケジュール感を持つことはないという話でありまして、現時点で防衛省さんのほうから特にいつまでにという話もございません。  また一方で、私はいたずらに延ばすということもしないと申し上げているところでありまして、事はやはり県民の安全・安心に関することでありますから、しっかりと向かい合った態度をずっと引き続きやっていくということが何よりも重要だと思っているところでございます。  私からは以上です。 11 ◎武藤明美君(拍手)登壇=おはようございます。日本共産党の武藤明美でございます。  初めに、熊本地震の犠牲になられた方たちに御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方たちに心からお見舞いを申し上げます。  今月二十二日に公示される参議院選挙、安倍総理はアベノミクス選挙だと言い、争点を狭くごまかそうとしていますが、問われているのは暴走を続ける安倍政府全体です。安保法制の強行、立憲主義破壊、暮らしや経済の破壊、さらには憲法改正を企てる安倍政治に対し、暴走ストップ、憲法を守れと、まず初めに述べておきます。  質問の第一は、オスプレイ等の佐賀空港配備についてです。  二月県議会終了後の三月二十七日、佐賀空港のある川副町では、住民の皆さんたち、オスプレイ等配備反対地域住民の会による二千人規模の反対集会が開かれました。佐賀空港建設の話が持ち上がったころのことや、やむを得ず建設をのんだ際に、自衛隊が利用するようなことにはならないようにと県ととことん話し合い、公害防止協定覚書付属資料が交わされたとのこと、オスプレイそのものの問題や集団的自衛権の行使との関係、沖縄の現状などなどの話に絶対反対の機運はさらに高まりました。  県民のこうした自衛隊来るな、オスプレイは要らないという思いを受けとめ、それなのに先日、六月三日、防衛省の若宮副大臣が来県し、佐賀空港西側に施設を配置する場合の案となる図面を持ってきました。示されたものを見ると、駐機場や格納庫だけでなく、弾薬庫に燃料タンクなどもあり、緊張の走るような配置になっています。空港利用客の駐車場の目の前にこういう光景が広がることが示されたことに背筋が寒くなる思いでした。  知事に質問します。  示されたあの図面で、かねてから知事が言っていた全体像、将来像がはっきりわかったと言えるのかどうか御答弁ください。また、この図面を見て、どういうふうに思われたのか、あわせてお聞きいたします。  また、オスプレイが熊本地震の被災地に物品を運んだことを口実にして、九州の防災拠点になるなどと副大臣は言いましたが、これについて、心底あきれました。物資を運ぶならCH47という、もっと大量に運べるヘリがあるのに、熊本でのオスプレイ使用は購入や佐賀空港配備を前にしてのデモンストレーションだったのではと思わざるを得ません。この防災拠点と説明されたことを知事はどう受けとめられたのか。  確かに自衛隊の隊員は、防災・救助活動に寝食を忘れて頑張ってこられました。しかし、その熱心に頑張っておられる人たちを集団的自衛権行使の名で海外に送る考えです。それが安保法制です。そのために佐世保の水陸機動団と一体の訓練や行動をしていく、それがそもそも佐賀空港への配備の目的だったのではありませんか。防災拠点という言葉に本質を見失ってはいけないと思いますが、いかがでしょうか。  また、若宮副大臣は、今後とも地元との信頼関係を築くと言われました。果たしてそうなるでしょうか。防衛省は五月十二日、早朝五時半から抜き打ちの現地調査を行いました。しかも、目視ではなく、実際には農地の高低差を知るためとして測量まで行っています。そういうやり方で信頼関係は築けるとお思いでしょうか。  もう一つ言えば、三月二十八日に多久市、佐城地区の経済団体が佐賀市で行った学習会で防衛省の藤丸敏大臣政務官は、国会議員なのか政務官なのかよくわからない混同した立場で、六月県議会での受け入れの諾否を求めるとか、三十五ヘクタールを超えないで環境影響評価調査を回避するやり方にしているなどと発言し、予算の使途の内訳まで示しました。佐賀県や県議会に示されていないものが勝手に出回る、こんなありようで許せるでしょうか。これは国会で日本共産党の田村貴昭衆議院議員が厳しく問いただし、発言は撤回されましたが、不信は拭えません。  さらに、副大臣来県後の六月九日、川副町四自治会長が九州防衛局に住民説明会の開催を要請に行かれた際、局長は語気を荒らげ、机をたたくという場面もあったと報道されています。これでは地元住民、漁業者の人たちと信頼関係が築けるどころか、不信が強まるばかりではありませんか。知事の見解を求めます。  知事が全体像、将来像が示されていないため何とも言えないというような発言をこの間されてきたため、防衛省は今回のような図面を示し、具体的なイメージを与えました。しかし、よく考えなければならないのは、正式に受け入れるとも受け入れないとも決めていないのに、さらに次々に既成事実として明らかにされていること、積み上げられていくようなあり方です。なし崩し的に決まったがごとく扱われるのではないかと県民は心配しています。そんな今の状況でいいのでしょうか。正式に決まってもいないことを論議だけが先行し、住民の皆さんの気持ちが置き去りにされていると思います。決まったことを住民に伝えるのではなく、住民の声を国に伝えていくことが大事なのではないでしょうか。  若宮防衛副大臣が佐賀に来た六月三日、空にはバルーン数十機が飛んでいました。佐賀市長杯をめぐっての競技でした。ふわりとのどかにたくさんのバルーンが浮かんでいるのが、私にはオスプレイ等の配備を押しつける国に対しての静かな答えのように思えました。  のどかなバルーンの飛ぶ空、ラムサール条約に登録された東よか干潟の水鳥やシチメンソウ、佐賀には人の心を癒やす宝物があります。観光としても力を入れるべき宝です。それなのに日本で最大規模の軍用機が飛び交う空にしていいのでしょうか。アジアに向かって飛び立つ友好の窓口となる佐賀空港のイメージダウンにもなります。日本一のノリ生産地をオスプレイの犠牲にしていいはずがありません。知事はどのようにお考えでしょうか。  また、佐賀空港建設当時に交わされた公害防止協定覚書付属資料を何よりもしっかり守る立場こそ、佐賀県知事としてのとるべき立場ではないでしょうか。改めてその立場を貫くよう求めますが、いかがでしょうか。  次に、有明海の再生です。  平成二十二年十二月二十日に福岡高裁が諫早湾干拓事業潮受け堤防の水門をあけよという確定判決を下して四年半、司法の命令に従わない政府によって有明海は疲弊していくばかりです。  一方、ことし一月十八日、長崎地裁は開門を阻止する人たちの訴えをもとに和解勧告を行いました。国は五月二十三日の和解協議において、仮称有明海振興基金なるものを創設することと、開門にかわる漁業環境改善のための措置をすると発表しました。有明海再生の中心課題である開門をすることなしに振興基金をつくることは、お金をやるから我慢せよとばかりのやり方ではないでしょうか。振興基金とともに設立する新たな組織も、行政、研究機関、大学、漁業者、地域住民、企業の連携を図ることを求めています。これでは有明海を守れと頑張ってきた主人公であるべき漁業者の姿と主張が薄められ、さらには漁協よりも基金の運営に当たる組織のほうが前に押し出されていくということになるのではないでしょうか。有明海漁業者は、この振興基金のあり方は納得できないと言っています。  知事は今議会冒頭の演告の中で、漁業者に寄り添うという言葉を述べられました。開門調査を望んでいる多くの漁業者や住民の気持ちに寄り添っていただけると思います。振興基金をもたらされて、かわりに開門による再生を諦めよということでいいのでしょうか。  有明海特措法以来、幾つも再生事業が行われてきました。平成四年から平成二十六年にかけて、農水省関係だけでも四百数十億円がつぎ込まれたと思われます。本県でも海底耕うん、覆砂、作澪、モガイ殻等散布など行われてきました。知事は、国がさらに進める同じような事業だけが環境改善ができて、十分な有明海再生につながるとお考えでしょうか。漁業者の皆さんは、対症療法だけでなく、開門なくして有明海再生の道なしと思っています。私もそう思います。知事は開門調査についてどういうお立場なのか、改めてお聞きいたします。
     次に、原発行政についてです。  どの世論調査でも原発の再稼働に反対の人は五割から六割、国民の過半数を超えています。福島事故から五年と三カ月、原発立地県に住む私たち佐賀県民は福島の事故を自分たちの問題として受けとめています。  先日、脱原発の運動をしている県内八団体が、玄海原発の再稼働を認めないでくださいという願いを署名に託して知事に提出しました。九万一千三百八十八筆のうち五万筆が玄海原発から三十キロ圏と言える福岡市を含むお隣の福岡県にお住まいの人たちだったのを見ても、これだけの不安を多くの人たちに与えているという点で、原発立地県の知事として責任は大きいと思います。知事は県民からのこの要請をしっかり受けとめるべきです。どのように感じられたのか御答弁ください。  再稼働についてです。  これは、私ども日本共産党県議団はもちろん反対の立場です。しかし、九州電力が国の原子力規制委員会に申請をしているところであり、その審査の最終段階とも言われ、この秋にも一定の結論が出るのではないかと考えられます。  知事はこれまで、規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には原発の再稼働は必要と述べられています。私たち県民にとっては、これから重大な局面を迎えようという時期です。再稼働に関しては、安全かどうかの確認だけにとどまらず、原発の必要性や経済性からも考えるべきではないかと思います。  例えば、必要性の問題です。佐賀県民はこの五年、原発なしで暮らしてきました。全国的にも昨年の川内原発の二基が再稼働するまでは三年近く原発ゼロの経験をしています。経済性についてはどうでしょうか。原発は安くつくと言われてきましたが、大島堅一立命館大学教授の分析では、福島原発事故の教訓からも事故対策費に莫大なお金を必要としてきました。まだ続けています。さらに廃炉費用や使用済み核燃料の管理処分費などを考えると、決して安くないのではと明らかです。必要性、経済性からも考えていくべきではないでしょうか。  そして、知事の言う安全性の問題についてです。原発は放射能の危険と隣り合わせです。規制委員会が基準に適合したと言えば安全だとお考えでしょうか。放射能にはこれ以下だったら安全だという閾値はありません。それがIAEAやICRPの見解です。国民を一人たりとも、県民を一人たりとも被曝させないとの強い決意を持たなければならないと思います。その認識と決意をお持ちでしょうか。  熊本の地震では、今のところ川内原発の異常はないとされましたが、多くの家屋が倒壊しています。原発の事故などの複合災害が起きた場合、UPZでは屋内退避が基本ですが、それさえままなりません。そういったことを考えると、避難計画の見直しも必要になるのではないでしょうか、いかがでしょうか。  私は知事に立地県として新潟県のような取り組みを参考にしていただきたいと考えています。原発の安全確保をテーマとした知事とのタウンミーティング、また学校現場での防災教育のための防災教育プログラムの作成、専門家による技術委員会の設置など、原発は決して安全なものではないという前提で独自の取り組みを行っています。学ぶことは多いと思いますが、いかがでしょうか。  次に、県民からは公開討論会を求める声があります。二月議会一般質問で、知事は我が党の井上議員へ説明会の開催を検討する旨の答弁をされましたが、それはいつの時点を想定しておられるのでしょうか。規制委員会の審査の後でしょうか。プルサーマル導入前の二〇〇五年には、九電、国、県、合わせて三回の公開討論会がありました。知事が県民の理解を得るというのであれば、少なくともそのくらいは県民の意見を聞く場を持つべきですが、いかがでしょうか。  次に、九州電力の姿勢についてです。  去る五月十七日に九州電力は県に対して、玄海原発に建設するとしていた免震重要棟を耐震構造の緊急時対策棟に変更すると説明しました。福島原発事故のときも免震重要棟があったから司令塔の役割が果たせたと東電の社長も認めています。九電の計画変更に県民は約束違反だと不信を募らせています。知事はどうお考えでしょうか。  最後に、最終処分場の問題です。  ことし四月二十七日、玄海町長が核ごみ最終処分場について受け入れに前向きの発言をしたという報道がされました。次の日には慌てたのか、受け入れ否定をしたとも言われています。町長の受け入れ前向き発言について、根拠となるような動きを県は何か知っていたのでしょうか。県民が何も知らないまま水面下での動きがあるとしたら納得できません。それとも町長の一方的な発言だったのでしょうか。知事としてどのようにお考えでしょうか。  次に、子育て支援策についてです。  安心できる保育行政についてであります。  「保育園落ちた」という匿名のブログに国会で安倍首相が本当かどうか確かめようがないと答弁したことからお母さんたちが怒り、「保育園落ちたの私だ」という運動が各地に広がりました。安保法制の問題のときも、この保育園問題についても、安倍政治に対する不信が自分たちの要求をしっかり掲げて突きつけようと市民運動として広がっています。「保育園落ちた」という切実な方への冷たい安倍政権の対応に批判が集中し、政府は慌てて緊急対策は発表しましたが、その柱は定員十九人以下の小規模保育に二十二人まで入れる、保育士の配置や施設の基準が国の最低基準を上回っている自治体に受け入れ人数をふやせということなどです。緊急といっても期限がないもので、詰め込むだけ詰め込んでいこうというものです。保育は人格の土台をつくる仕事です。それに見合った質のいい保育のためにも抜本的な対策が必要なのではないでしょうか。  佐賀県内では、ことし四月時点で厚生労働省のいうところの保育園待機児童は十八人とのことです。しかし、厚生労働省のいう待機児童数は実態を反映せず過少になっています。いわゆる隠れ待機児童数は三百四十人います。合わせて三百五十八人に上ります。  そこで質問ですが、政府の緊急対策で抜本的な解消になるとお考えでしょうか。女性の活躍推進をうたうのであれば、安心して子育てができる環境づくりは急務です。昨年一年間で十四人の子供が保育施設で死亡しているという全国の現状がありますが、詰め込みや規制緩和では本当に安心して子供を預けられないのではと思います。抜本的な対策についてどうお考えでしょうか。隠れ待機児童も含め、認可保育所の整備をしていくことが大事なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。  県としては、この機会に国の補正による新たな保育士を確保するための修学資金貸付事業や資格取得支援事業費補助を提案しています。そのことは資格を取るために頑張っている人たちにとっていいことだと思います。けれども、保育士になっていざ就職しても、保育士の働く環境はどうでしょうか。保育士の賃金は全産業平均に比べて約十万円低いという低賃金構造があります。幾ら子供と接することが好き、子供の笑顔が大好きと思って働いても、保育士の賃金が安くては長く続けることが難しいという声をお聞きします。離職も多いんです。これは国の基準が低いからです。認可保育園の運営費、公定価格の算出の際、賃金の上昇分は勤続十一年でとまるといいます。こういう中で、処遇改善に向けて、県として国への働きかけも大事です。どう認識しておられるのかお聞かせください。  また、保育士数の配置基準が実情に合わないところでは、賃金を国の賃金よりさらに下げて保育士パートを配置せざるを得ないこともあり、一人一人の賃金は一層低くなっている場合もあります。低過ぎる保育士の賃金と労働条件を改善すべきです。賃金水準を大幅に上げていくこと、配置基準の引き上げで待遇改善を進めるべきですが、知事のお考えをお示しください。  次に、子供の救急医療体制の整備の問題です。  子育て真っ最中のお母さんから「子供は夜になって急にぐあいが悪くなって熱を出すことが多い。休日、夜間は心細い。」と相談がありました。県内の医療機関で子供も診療してもらえる機関はありますが、十八時以降の診療可能なところは数えるほどしかありません。しかも、ほとんどが十八時三十分までか十九時までです。  例えば、佐賀市にある休日夜間こども診療所は中部保健福祉事務所管内にただ一カ所のセンターとして、利用できる人からは喜ばれています。けれど、この地域は南北に広くなった佐賀市だけでなく、神埼市、多久市、小城市まで入っていて、多久市のお母さんからは「佐賀まではとても遠い。しかも、二十二時以降は診療が受けられない」という声が出ています。  直接の治療は行わないけれども、毎日十九時から二十三時まで小児救急電話相談事業、♯8000番でアドバイスをしてくれる事業も行われていますが、子供の救急時に応える医療も必要です。このお母さんたちの声をどう受けとめるのか御答弁ください。  次に、子供医療費助成についてです。  私はかねてから義務教育を終えるまでの助成制度であってほしいと願って、これまでもお母さんたちと力を合わせてまいりました。佐賀県では、今、小学校就学前までの医療費の助成と現物給付方式になりました。市町によって独自の努力で中学卒業までや小学校卒業までの制度にしているところがあります。しかし、それは償還払い方式であり、保護者には手続が面倒な状況です。なぜ現物給付にできないのか。その壁になっているのが国民健康保険制度の中の国庫負担減額調整の問題です。現物給付にすると、この調整額で市町の負担増となるペナルティーがあるために、市町は思い切った現物給付ができないというものです。  昨年、私と井上祐輔県議は、厚生労働省に要請に行ったときに、国保のペナルティーについてやめてほしいと要請してきました。この問題は県を挙げて取り組まなければならないし、多分全国の自治体も頭を悩ませていることだと思います。佐賀県として、国民健康保険制度の国庫負担減額調整措置、ペナルティーはやめてほしいという立場に立つべきですが、いかがお考えでしょうか。  また、ひとり親家庭等医療費助成制度では、県内の十八歳までの子供医療費の助成が受けられますが、これは償還払いになっています。国保ペナルティーが廃止されると、この制度においても現物給付化につながると思いますが、県はどのようにお考えでしょうか。  次に、県の制度に上乗せをして市町が行っている就学後の子供医療費助成については、平成二十九年度から実現に向けて取り組みたいとのお考えをお持ちのようですが、具体的にはどのように進めていくのか明らかにしていただきたいと思います。  次に、農業問題についてです。これはタマネギの「べと病」についてです。  北海道に次ぐ全国有数のタマネギの産地である本県で、近年、「べと病」の被害が年々拡大しています。特に本年産は四月下旬で発生株率が五〇%という大発生です。農家の方からお聞きしますと、地域を挙げてタマネギの生産拡大に力を入れているところで、一町五反分全て「べと病」のため圃場にすき込んでしまった人もおられるそうです。圃場ごと業者に委託して処理してもらうというところもあり、収入にならないだけでなく、赤字になっている深刻な状況が生まれています。収穫できたところでは価格は高く出荷できますが、自分の圃場で次の年にも安定して収穫できるかとは言えず、不安が多いとのことです。誇りを持って品質の高い農産物を生産、供給していく佐賀県農業を適切に行うことで安心してタマネギ生産に取り組んでいけるようにしていくべきです。次の点を質問いたします。  県内の「べと病」の発生状況とその原因について御答弁ください。  また、「べと病」の被害軽減に向けて、県では今後どのような取り組みを進めていこうとしているのかお示しください。  また、「べと病」によって減収になる農家は何とかしてほしいと願っています。災害、病災などへの救済策を求める声が上がっています。農業共済補償制度にはタマネギは該当しません。救済策が必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか、御答弁ください。  最後に、教育行政についてです。  一つは、給食の異物混入についてです。  昨年から県内で学校給食に異物が混入し、再三再四繰り返していることが起こりました。該当する子供や保護者だけでなく、多くの県民が注目し、心配をしています。しかも、同一業者であるだけに、子供の命と安全を最優先しなければならない学校給食の業務が軽んじられているのではないかと指摘せざるを得ません。  学校給食の問題については、先ほども教育現場で自校方式でやっているというところを中心にした論議が行われておりましたけれども、私は今、民間委託に次々にかわっている、そういったところも問題ではないかと考えています。  これまでに県当局が把握している給食の異物混入の状況はどうなっているのか明らかにしてください。  また、県当局はこの問題にどのように対応してきたのか御答弁ください。  これまで学校給食は、先ほども述べたように、自校方式だったものが行革、リストラによって民間委託がふえてきました。子供と身近に接する学校現場の中に調理室があって、調理員さんたちが子供の発育のことを考えて、「たくさん食べてね」、「ありがとう」の言葉をかけ合いながら愛情込めて調理をされてきたのですが、もし何か異物が発見されたとしても、原因究明は調理室という特定の現場の中で明らかにしやすい状況がありました。ところが、民間委託になったら、食品納入も調理も大勢の人が携わるということになり、原因究明も難しくなったのではないでしょうか。今回のことで何が原因だったのかつかまれているのでしょうか。事故と事件性の両面からの究明も必要になっているのではないでしょうか。  再三にわたってこういうことが起こるのは、学校給食の重要性などへの意識が薄く、単につくって提供するというだけの業務委託になっているのではないかと思います。  五月三十一日に提出された改善計画はこういうことが入っていなければなりませんが、どういうものなのか、また、これで意識を変え、このような異物混入をなくしていく決め手になるものと考えておられるのか御答弁をいただきたいと思います。  次に、高校生の校外活動に関してです。  今度の参議院選挙から選挙権年齢が十八歳以上へとなりました。主権者としての意識がより強くなり、政治や社会に目が開かれることになっていくでしょう。  五十年以上も前の話ですが、私が高校生のときに社会科の授業で宿題が出ました。近づく参議院選挙の各党の政策を聞いて感想を書くという宿題でした。熱心にラジオに耳を傾けました。ただそれだけのことではありましたけれども、急に政治や社会が身近なものとなり、早く有権者になりたいと思ったものでした。  現在の高校生が選挙権を持つ年齢となり、校外でもボランティアを初め社会活動や政治活動に関心を持った取り組みをすることも珍しいことではなくなると思います。佐賀県は高校生の校外での政治活動について、有権者としての自覚を持った自己判断に基づく活動としての対応をされていくのでしょうか。それとも、届け出制をしなければならないと一定の規制がかかるものなのか、そういう考え方をしておられるのか、基本的立場についての御答弁を求めます。  以上、第一回目の質問といたします。(拍手) 12 ◎議長(中倉政義君) 暫時休憩します。     午前十一時四十三分 休憩 平成二十八年六月十四日(火) 午後一時一分 開議  出席議員    三十四名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三五番  木 原 奉 文     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三七番  石 倉 秀 郷     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三八番  桃 崎 峰 人     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  川 崎 常 博     二七番  武 藤 明 美    一二番  定 松 一 生     二八番  稲 富 正 敏    一三番  八 谷 克 幸     二九番  徳 光 清 孝    一四番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎 欠席議員    二名    三四番  石 丸   博    三六番  中 倉 政 義 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          政  策  部  長   落  合  裕  二          総  務  部  長   大  田  芳  洋          地域交流部長       坂  本  洋  介          県民環境部長       山  口  康  郎          健康福祉部長       藤  原  俊  之          産業労働部長       石  橋  正  彦          農林水産部長       古  賀  俊  光          県土整備部長       和  泉  惠  之          危機管理・報道局長    大川内   直  人          文化・スポーツ交流局長  白  井     誠          男女参画・こども局長   川久保   三起子          会 計 管 理 者    西  山  和  紀          公 安 委 員 長    香  月  道  生          警 察 本 部 長    今  林  寛  幸          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       久  本  智  博          同    副事務局長
             議事調査課長事務取扱   毛  利  明  彦          総  務  課  長   江  島  秀  臣          政務調査室長       白  濱  光四郎          議事調査課参事      篠  田  博  幸          総務課副課長       溝  上  信  彦          政務調査室副室長          記録担当係長事務取扱   島  内  直  樹          議事調査課議事担当係長  原     康  祐          同    議事担当主査  井  上  智  宏         ○ 開     議 13 ◎副議長(桃崎峰人君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。  武藤明美君の質問に対する答弁から開始します。 14 ◎山口知事 登壇=武藤明美議員の御質問にお答えいたします。  まず、オスプレイ等の佐賀空港への配備に関しまして、防衛省の計画に係る施設配置案に対する受けとめ及び計画の全体像、将来像に対する認識についてお尋ねがございました。  昨年十月二十九日に中谷防衛大臣が来訪された際に、私から明確化を求めていたものを防衛省としてまとめて提示いただいたものと受けとめております。  今回は、施設配置案の図面を含めて提示いただいたところであり、防衛省からの要請内容については、かなり明らかになり、一定程度の内容は示されたものと思っています。  今回示された図面を含め、現在、確認、精査を行っているところでございます。  続きまして、防災拠点に対する受けとめについてのお尋ねがございました。  そもそも佐賀空港の防災拠点空港化についての政策提案は、去る五月二十四日に内閣府や国土交通省に対して、今回の熊本地震において佐賀空港がさまざまな機関の被災地支援の拠点として活用されたことも踏まえ、今後、国において南海トラフ地震を見据えた大規模災害時における防災計画などを検討する場合に佐賀空港は大きな役割を果たし得る、そして、その準備があるという思いから提案したものでございます。  これは、その後に出てきた若宮防衛副大臣の佐賀空港が九州地方の一大防災拠点として重要な役割、機能を担うことになるとの発言とは関係がないものでございます。  防衛省からの要請につきましては、県民の安全・安心にかかわる重要な課題であることから、今後ともプロセスを大切にしながら、しっかりと対応していきたいと考えております。  続きまして、防衛省との信頼関係についてお話がございました。  現地調査につきましては、あくまでも防衛省の責任で実施されたものと考えております。  また、防衛政務官の発言につきましては、若宮副大臣のほうからも、遺憾であり不適切であったという話がありまして、大臣及び副大臣から厳しく指導したとの話もございました。  私のほうからは、自分の所掌することにつきましては、公務とか政務とかの区別がつくものではなく、防衛省の幹部としての発言は、私は大変重く、責任も伴うものだと話をさせていただいたところでございます。  かねがね、私はこういった話し合いは信頼関係が大切だと申し上げており、そのため、改めて防衛省には誠実な対応を申し入れたところでございます。  続きまして、防衛省がなし崩し的な進め方をしているのではないかというお尋ねがございました。  今回の防衛副大臣の来県は、昨年十月に中谷防衛大臣が来訪された際に私から明確化を求めていたものを防衛省としてまとめて提示いただいたものと受けとめてございます。  私としては、かねがね申し上げておりますとおり、スケジュール感は持ち合わせておらず、県民の安全・安心を第一に、プロセスを大切に実直に向き合っていきたいと考えております。  続きまして、佐賀空港のイメージダウンにつながるのではないかとのお尋ねがございました。  私は、佐賀空港を民間空港として発展させたいと考えておりまして、その潜在的な力も十分備わっていると思っています。また、バルーンにつきましても、佐賀だからこそ取り組める強みであって、すばらしいかけがえのないものだと思っています。  そういったものを大切に、大事にしていく、そうした中で、今回は国防上の必要性からの要請があったことから真摯に対応しているところでございます。  公害防止協定についてお尋ねがございました。  私としては、かねがね申し上げているとおり、公害防止協定はもちろん尊重しなければならないものと思いますが、当事者の現在の思いというものも大切にしなければならないものと考えているところであります。  続きまして、有明海の再生についてですが、その再生事業についてお尋ねがございました。  有明海の再生は待ったなしの状況であるため、国や県、漁業者が連携して、環境改善に向けてさまざまな事業を実施しております。  これまでの取り組みによりまして、例えば、太良町の地先でアサリが十年ぶりに漁獲されたり、稚貝を放流したアゲマキから再生産が見られるなど資源回復の兆しも出てきているところがありまして、これまでの取り組みについては一定の評価をしているところであります。  しかしながら、有明海においては、赤潮や貧酸素水塊が頻発するなど依然として環境変化が見られることから、抜本的な有明海の環境改善のためには、その原因究明が必要であると考えているところであります。  続きまして、開門調査についてお話がございました。  有明海の再生は、漁業者のみならず、県民の切なる願いであります。開門調査については、有明海の環境変化の原因究明のための一つの手段として必要であり、国には確定判決に従って一日も早く開門調査を実施していただきたいと考えております。  先般、政策提案のときにも、森山農林水産大臣に対しまして開門調査の実施を提案してきたところでございます。今後も引き続き、機会あるごとに開門調査の実施について国に求めていきたいと考えています。  今後とも、漁業者の皆さんに寄り添い、その意向を尊重しながら、対応していきたいと考えています。  続きまして、原発行政についてですが、原子力発電に関する県民からの要請に対する受けとめについてお尋ねがございました。  六月十日に佐賀県内外の方から九万一千三百八十八筆の玄海原発の再稼働を認めないでくださいとの趣旨の署名を受け取ったところでございます。  玄海原子力発電所の再稼働に不安を持つ佐賀県民の方々、隣接する県の方々の思いを改めて受けとめさせていただいたところです。  今回は、署名ということでお話を伺ったところです。県民にいろんな思いがあったときに、節目節目でこうしてお話を伺う機会をつくっていきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今後とも皆様のいろんな思いをしっかりと受けとめていきたいと思っています。  続きまして、原発再稼働の必要性についてお尋ねがございました。  原子力発電所の再稼働の判断につきましては、一義的に国、事業者の責任で行われるべきものと考えています。  国は、エネルギー基本計画において、原子力発電を安全性の確保を大前提として重要なベースロード電源と位置づけ、原子力規制委員会により規制基準に適合すると認められた場合には原子力発電所の再稼働を進めるとしております。  私は、中長期的には、再生可能エネルギーの導入促進等により原子力発電への依存度を可能な限り低減させていくべきだと考えています。  しかしながら、現在、石油や天然ガスなどエネルギー源のほとんどを海外に依存している我が国のエネルギー状況を考慮すると、現状において、県民の生活安定の観点から、より安価で安定的な電力供給が行われることも必要であると考えており、原子力規制委員会により規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、原子力発電所の再稼働は必要であると考えているところであります。  続きまして、原子力災害時の放射線被曝についてお尋ねがございました。  現行の地域防災計画における避難の考え方は、福島における原子力災害の教訓や国際原子力機関の考え方を踏まえ、住民への放射線の影響を最小限に抑えるために定められた国の原子力災害対策指針を踏まえたものでございます。  万が一、原子力災害が発生した場合には、この避難方法によりまして、地域住民の皆さんの被曝リスクを最も少なくしながら避難していただけるものと考えているところでございます。  屋内退避を前提とした避難計画についてお尋ねがございました。  UPZ圏内におきまして、地震による家屋の倒壊や相次ぐ余震の発生により自宅での屋内退避が困難な場合には、玄海町、唐津市及び伊万里市が自然災害に備えて指定している近隣の指定避難所等にて、まずは屋内退避を実施していただくことになります。  その上で、仮に近隣の避難所に収容できない場合には、地震の影響がない避難所をUPZの内外を含め選定し避難させるなど、状況に応じて柔軟に対応したいと思います。  このように、原子力災害対策は基本となる計画に沿って、実際の状況に応じた対策を臨機応変にとることとしております。  続きまして、新潟県の取り組みについてお尋ねがございました。  新潟県では、御指摘いただきましたような取り組みが行われておりますけれども、これは原子力行政に関する啓発活動等の一環として、新潟県の実情に応じて取り組まれているものと考えております。  こうした取り組みは、再稼働に関した取り組みではないものの、佐賀県として原子力規制委員会による審査後の手続を考えるに当たりまして、その手法において参考にできるものは参考にしていきたいと考えております。  続きまして、県民の意見についてお話がございました。  原子力政策については、国の責任というものをしっかり果たしていただくということがとても大事だと思っています。  理解を得ていく地元の範囲や理解活動の方法など、審査後の進め方については、国が決めるべきだと考えております。  国は、再稼働手続について、個別プラントの設置変更許可が出て、基本的な安全性が確認された段階から、各地域と相談しながら具体的な対応を考えていくとしているところであります。  県といたしましては、国から相談があったときに、議員御指摘の公開討論会の開催など、そのようないろいろな御意見があることも含めて、地域の実情をしっかりと国に伝えたいと考えております。  その上で、国から示される審査後の手続の進め方について、しっかりと確認した上で他県の事例も参考にしながら、県としての考え方を整理していきたいと考えております。  続きまして、九州電力の姿勢についてお尋ねがございました。  九州電力におきましては、原子力発電所のさまざまな安全対策の計画について、それを変更する場合もしっかりと説明責任を果たす必要があると思います。  玄海原子力発電所における緊急時対策棟の設置については、先日、五月十七日に九州電力から説明があり、その中で関係者や県民に説明を続けていく、県民の信頼を回復できるように対応するという旨の発言があったと副島副知事から報告を受けたところでございます。  議会冒頭の知事提案事項説明要旨でも申し上げましたとおり、九州電力におかれましては、今回の説明にとどまらず、原子力発電所の安全・安心に関することについては、県及び関係者へ丁寧に説明する姿勢を今後もとり続け、信頼関係の構築に努めていただきたいと考えております。  最終処分場に関する玄海町長の発言についてお尋ねがございました。  玄海町長の御発言につきまして、私が確認したところ、事前に話を聞いた職員はいなかったと報告を受けております。  発言につきましては、町長がみずからの思いで発言されたものと考えています。  いずれにいたしましても、我が国のエネルギー政策は国が責任を持って決めていくべきことでありまして、処分地の選定につきましても、しっかりと対応していただきたいと考えております。  続きまして、子育て支援につきまして、待機児童の解消についてお尋ねがございました。  安心して佐賀で子育てをするため、また、女性の活躍推進の観点からも保育環境の整備は極めて重要であり、県としても待機児童の解消は喫緊の課題と認識しています。  保育の実施主体である市町におきましては、今あるニーズに加え、潜在的な保育ニーズも含め、それに見合うだけの供給体制を確保し、国の待機児童解消加速化プランが目指す平成二十九年度末までに待機児童をゼロにするよう取り組んでいただいているところです。  今年度におきましては、保育所や認定こども園合わせて二十カ所の整備が予定されておりますが、詳細につきましては、担当局長から答弁させます。  今後とも、市町と連携し、施設の整備や既存保育所の定員増など、一層の供給体制の整備に取り組み、待機児童の解消に努めていく所存であります。  続きまして、保育士の処遇についてお尋ねがございました。  保育士は、人格形成の基礎をなす大切な時期に子供たちと接する崇高な仕事で、子供たちにとっても保護者にとってもとても重要な役割を果たしていただいているところでございます。  保育士が安心して働けるよう処遇改善に取り組むことは、重要な課題と認識しています。  本年の五月に保育士養成課程のある佐賀女子短期大学と附属佐賀女子高校の学生たちと意見交換を行いました。そこで、学生から「保育士の給与の実際って御存じですか」と質問がありまして、私は「保育士のような人を大切にする職業の人たちの給料が少しでも上がるように頑張っていくね」と答えたところであります。  保育士給与の改善につきましては、国においても重要な課題と認識されておりまして、これまでも処遇改善における補助事業などにより、その改善に取り組んできております。  さらに、本年六月二日に閣議決定されました「ニッポン一億総活躍プラン」におきましては、保育士のさらなる処遇改善策が盛り込まれたところであります。  私も、これまでも政策提案や知事会などでも提言しようということで、そして、国に働きかけもしてまいりましたけれども、さらにプランの着実な実施を含め、保育士の処遇改善について、引き続き訴えてまいりたいと思っています。  保育士の配置基準につきましてお尋ねがございました。  将来を担う子供たちを育てる保育士には、給与の面だけでなく、働きやすい環境で生き生きと子供たちに接してもらえるように、保育士の配置についても十分意を払う必要があると思っています。  国は、子ども・子育て支援新制度において目指す、保育の質の改善として、保育士の配置基準の改善を掲げております。  平成二十七年四月から三歳児に係る職員配置に関して、配置基準を上回る保育士を配置した場合に給付費が加算される制度がスタートしましたけれども、昨年、私が訪れたみやき町内の保育所の園長さんからは、三歳児配置改善加算が創設されたことで以前よりも保育士の配置がしやすくなった、新制度前と比べると三歳児の担当を一人ふやすことができた、国の処遇改善だけでなく、園でも上乗せするなどの処遇改善に努めていますなどの声を聞いています。  国においては、さらに一歳児、四、五歳児に関して配置基準の改善に取り組むこととしておりますけれども、まだ実現に至っておりません。  県といたしましては、これまでも保育士の配置基準について、政策提案の場などにおきまして直接国に働きかけるとともに、全国知事会としても提言を行ってきたところでありまして、引き続き訴えていきたいと思います。  県では、「子育てし大県”さが”プロジェクト」に取り組んでいます。子育てをしたいと思われるためには、何よりも楽しく子育てできることが大切だと思っています。保育士は、そんな家族の子育てを支える大切な存在であることから、保育士の方々自身も楽しく子育てを支えることができるような環境づくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 15 ◎藤原健康福祉部長 登壇=私からは、子育て支援に関する御質問のうち、夜間における小児救急医療に関してお答えさせていただきます。  夜間における小児救急医療体制については、受診できる医療機関の充実を図ることも必要でありますが、まずは相談体制の充実が重要であると考えております。
     この点、議員から御指摘がありましたとおり、県では夜間の小児救急対策として、平成十七年度から佐賀大学医学部附属病院に委託し、小児救急電話相談、いわゆる♯8000事業を実施しているところであります。  この相談窓口は、毎日夜七時から十一時までの四時間開設し、医療スタッフが相談者から病気の症状を聞き、対処法などを助言するほか、すぐに受診が必要と判断されたケースでは、最寄りの夜間救急外来を紹介したり、直接、佐賀大学医学部附属病院に受け入れたりしているところであります。  この相談窓口における過去五年間の相談結果では、すぐに受診が必要と判断された数の割合は全相談件数のうち三分の一程度となっており、子供が病気だからすぐに医療機関に駆け込むということではなく、医療関係者の適切なアドバイスを受けることができる環境の整備がされ、安心してもらうことが大切だと考えております。  そうしたことから県では、今年度からこの電話による相談窓口の開設時間を夜七時から十一時までの四時間体制から翌朝八時までの十三時間体制に大幅に延長することとしており、このことでより多くの子育て世帯の不安解消につながっていくものと考えております。  また、夜間の一次救急医療体制の整備については、一義的には市町が担うこととなっており、市町において休日夜間こども診療所等を整備していただいているところでありますが、これら以外にも♯8000事業で紹介している夜間の救急外来で子供の受け入れも行っている医療機関が県内外に十五カ所程度ございます。これにより、初期小児救急医療がカバーされているものと考えております。  さらに県におきましては、小児科を専門としていない医師が小児救急に対応できるよう、内科医等の地域の医師に対し、小児救急の知識や技術を習得してもらう研修を引き続き実施してまいります。  今後とも、夜間の子供の急病等に対応される保護者の方々の不安が解消されるよう、夜間における小児救急医療体制の充実に努めてまいります。  私からは以上でございます。 16 ◎古賀農林水産部長 登壇=私からは、農業問題でお尋ねの「べと病」対策について、三点お答えをいたします。  まず、県内の「べと病」の発生状況とその原因についてでございますが、本年産のタマネギにおいて、「べと病」が近年にない大発生となったところでございます。  まず、被害の状況といたしましては、わせでは葉の被害は大きかったものの、玉につきましては、一定程度肥大をしていたということで、全体としての大幅な収穫量の減少までには至っていない状況と考えておりますが、中晩生につきましては、四月から五月にかけての降雨で感染の拡大が見られたことから、平年と比べ、大きく収穫量が減少することを見込んでいるところでございます。  その原因といたしましては、近年、「べと病」の発生が続いたことによりまして、圃場での菌の密度が高まっていること、定植後から「べと病」の感染拡大を助長するような温度や降水量、こういった気象条件が続いたこと、さらに広く使用されております主要殺菌剤の効果が低下している事例が見られること、こういったことが考えられるところでございます。  次に、今後の取り組みでございますが、県では、市町、農業団体と県の関係機関が一体となりまして、被害の軽減対策に取り組むことといたしまして、先月二十三日に市町やJAなどと一緒になりまして、「佐賀県タマネギべと病対策会議」を設置したところでございます。  この対策会議におきまして、現在、最も有効と考えられる防除体系の組み立てや土づくりなど基本管理技術の徹底など当面の対策や、圃場の菌密度を下げ、発生を抑える新たな技術の開発など中長期的対策を組み合わせて、早期に地域に普及できる「べと病」の防止対策を総合的に検討、推進していくこととしているところでございます。  次に、本年産の減収に伴う農家への救済策ということでお尋ねをいただきましたが、タマネギにつきましては、価格が低下したときに対応できる野菜価格安定制度と、収量が減少したときに活用できる農業共済制度の二つがございます。  これまでタマネギにつきましては、どちらかといえば豊作、不作、こういったことによって価格変動が大きかったということで、多くの農家の方では価格の低下に対応した野菜価格安定制度に加入されております。  一方、農業共済制度につきましては、タマネギについては平成十四年から対象となったところでございますけれども、本県のタマネギは冬場に作付をするということで、これまで気象災害や、今回のような病害虫の被害による減収ということがほとんどなかったということで、本県では共済制度に加入がなされていなかったという状況でございます。  したがって、今回の被害については、共済の対象とならないというところでございます。  このタマネギの共済制度につきましては、夏場に作付を行って、ひょうや干ばつなど自然災害による減収の影響を受けやすい北海道だけが取り組まれているという現状がございまして、本県と同じように大産地であります兵庫県の淡路を初め、他県の産地も加入されていない状況となってございます。  本年産の「べと病」の被害を踏まえて、今後、タマネギ共済制度の加入に向けた取り組みについても、生産者の代表、JA、共済組合との話し合いを県として改めて促していきたいというふうに考えております。  議員からお話がありましたように、今回の「ベと病」被害により大幅に収入が減少し、経営的に厳しい状況にあられる農家もおられることは十分認識をしているところでございます。  こうした農家の皆様に対しては、資材購入などの運転資金に活用できます低金利な──これは〇・一%でございますが──農林漁業セーフティネット資金といったものが準備されておりますし、またJAグループにおきましては、今回の「べと病」被害に対応して金利の軽減措置をされております。「べと病」対策の特別対策資金(〇・三%)を準備されていると聞いております。  こうした融資制度の活用につきまして、市町やJA、金融機関と連携しながら、丁寧に説明をするなどの対応を進めていきたいと考えているところでございます。  以上、御答弁申し上げます。 17 ◎川久保男女参画・こども局長 登壇=私からは、子育て支援に関する安心できる保育行政についてのお尋ねのうち、待機児童の解消についての御質問、並びに子供の医療費支援についての御質問にお答えいたします。  まず、待機児童の解消について、今年度予定されている保育所等の施設整備の詳細についてでございます。  今年度におきましては、先ほど知事が御答弁申し上げましたとおり、保育所や認定こども園、合わせて二十カ所の整備が予定されているところでございます。  新たに創設される保育所や認定こども園は、佐賀市二カ所、鳥栖市四カ所のほか、武雄市、吉野ヶ里町、上峰町でそれぞれ一カ所の計九カ所が予定されております。  そのほか、増改築や大規模改修等が五市一町で計十一カ所予定されており、これにより保育が必要な児童八百三十二名を新たに受け入れる体制が整う見込みとなっております。  特に、待機児童が発生している佐賀市と鳥栖市につきましては、佐賀市で三百七名、鳥栖市で二百六十六名、合計五百七十三名分の定員が増加する見込みとなっております。  現在、保育所等の整備を促進するため、待機児童解消加速化プランにより保育所等整備を行う際の国の補助率が通常よりも高く設定されておりますことから、県内市町におかれましても、一人でも多くの児童を受け入れる体制を整えるため、このように精力的に施設整備に取り組まれているところでございます。  続きまして、子供の医療費支援についてお答えいたします。  まず、国保ペナルティーの問題についてでございます。  現在、就学前の子供の医療費助成につきましては、全市町において現物給付方式により実施されているところですが、これに伴い、国民健康保険制度の国庫負担減額調整措置、いわゆる国保ペナルティーがとられているため、事業主体である市町や、市町に補助を行っております県にとって財政的な負担となっている状況にございます。  また、現在、償還払い方式で実施されている小学校就学後の子供の医療費助成につきまして、市町が現物給付化する場合、国民健康保険団体連合会、社会保険診療報酬支払基金といった審査支払機関への事務手数料の発生、また、受診回数がふえることによる医療費の増加、さらに国保ペナルティーが課せられることによる負担増といった課題がございます。  このため県では、これまでも全国知事会等あらゆる機会を通じ、国保ペナルティーの廃止について要望してまいりました。  ことし五月にも、国への政策提案を行ったところでございますが、あわせてその際、GM21ミーティングの場での意見を受け、知事と県内全市町長との連名でもって、まさに全県挙げた形で国保ペナルティーの廃止を強く求める要望書を提出いたしました。  一方、この三月に取りまとめられた厚生労働省の「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」の報告を踏まえ、いわゆる国保ペナルティーのあり方について、国は年末までに結論を出したいとしており、県としても今後の国の動向を注視していきたいと思っております。  次に、ひとり親家庭等医療費助成についてでございます。  現在、償還払いとなっておりますひとり親家庭等への医療費助成を現物給付方式とすることは、多忙で経済的に厳しいひとり親家庭にとって、経済的な負担の軽減や手続の簡略化につながり、子供をためらうことなく医療機関に受診させることができるため、検討すべき課題であると認識しております。  現物給付化する場合、先ほどの子供の医療費助成同様、さまざまな課題が実施主体である市町や県にも生ずることになります。  このため、国保ペナルティーが廃止されれば、現物給付化に向けた課題の一つがなくなると考えているところでございます。  県としては、これまでも全国知事会等を通じまして、国に国保ペナルティーをなくすよう意見を申し上げてきているところでございますが、今後とも機会があるごとに、国に対し要望を続けてまいりたいと思っております。  次に、小学校就学後の子供の医療費助成の現物給付化についてでございます。  小学校就学後の子供の医療費助成の現物給付化につきましては、かねてより各市町から要望等があっていたこともありまして、昨年度からGM21ミーティングの場などで意見交換を行ってまいりました。  各市町の対象年齢や保護者負担額は現在さまざまでございますが、それを必ずしも統一せずとも、希望される市町については、現物給付化ができるよう、県として関係機関と調整し、その環境を整えたいと考えているところでございます。  この三月に各市町の意向を伺いましたところ、その時点では多くの市町が実施したい意向を示されたため、県医師会や歯科医師会、薬剤師会等の関係団体への説明や、審査支払機関とのシステム改修の調整などを行っているところでございます。  今後、希望する市町数によっては、関係団体との再調整が必要になる場合もございますことから、今月中に市町の最終意向を確認し、希望が一定数あれば、早ければ来年の四月から現物給付が可能となるよう調整したいと考えているところでございます。  いずれにしましても、現物給付化を希望される市町につきましては、県としても関係団体との調整など現物給付化に向けた環境づくりを支援していく所存でございます。  私からは以上でございます。 18 ◎古谷教育長 登壇=私からは、教育行政について大きく二点お答え申し上げます。  まず、学校給食の異物混入についてでございますが、県教育委員会が把握している事案についてお尋ねがございました。  昨年度から今年度の現時点までの異物混入事案につきましては、平成二十七年度は十の市町教育委員会から十六件、平成二十八年度は四つの市町の教育委員会、それと二つの県立学校から七件の報告を受けております。  具体的な事例といたしましては、ボタン電池、金属片、ポリ袋片などが混入していた事案などが報告をされております。  次に、これまでの県教育委員会の対応についてでございます。  県教育委員会では、毎年度、学校給食衛生管理基準の周知徹底を図るための研修会を開催するなどして、安全で安心な学校給食が提供されるよう取り組んできたところでございます。  これに加え、昨年度は異物混入の事案が多く報告されたことから、県内の学校給食施設の衛生管理者である栄養教諭、学校栄養職員及び市町教育委員会学校給食主管課長などを対象といたしまして、臨時の衛生管理に関する研修会を開催いたしました。  また、市町教育委員会に対して、学校給食施設及び設備等の緊急点検を行うよう要請し、改善状況を報告するよう依頼したところでございます。  さらに、今年度に入りましても、異物混入事案が相次いで報告されましたことから、GM21ミーティングにおきまして、県、市町、学校、民間業者等が一体となって取り組む「学校給食安全安心緊急対策」を実施することが提案をされました。  このことを受けまして県教育委員会といたしましては、食品納入業者と調理責任者を対象としまして、「現場で役立つ異物混入防止活動」などを内容とする異物混入防止対策の研修会を開催したところでございます。  また、五月十一日から十三日にかけて、提供する学校給食での異物混入事案が連続して発生した業者に対しましては、健康福祉部長との連名による安全・安心な学校給食の提供に関する要請書を手交し、異物混入防止対策に係る改善計画書の提出とその内容の公表を求めたところでございます。  次に、学校給食への異物混入の原因についてでございます。  考えられる混入の経路といたしましては、大きく分けまして食品に由来するもの、調理過程に由来をするもの、そして配膳室から教室までの運搬中及び教室での給食の時間に発生するものの三つがございます。  再び同種の事案を起こさないためには、それぞれの経路で混入の原因を究明することが重要であり、保健福祉事務所の指導を求めたり、検査機関へ成分分析の依頼をするよう市町教育委員会などへ助言を行ってきたところでございます。  これまでに報告を受けている異物混入事案につきましては、平成二十七年度の事案で現時点までに原因が把握できているものが十二件あり、その内訳は食品に由来するものが七件、調理過程に由来するものが五件となっております。また、平成二十八年度は現時点までに原因が把握できているものは二件で、いずれも調理過程に由来するものでございます。  それから、発生した際の事件、事故の両面を視野に入れてというお話がございました。  異物混入を防止し、安全・安心な学校給食を提供していくためには原因究明が不可欠であると考えております。このため、学校及び教育委員会におきましては、異物混入事案が発生した場合は、あらゆる可能性を排除せずに、それぞれの関係する機関との連携と協力のもとで徹底した原因の究明に努めてまいりたいと考えております。  最後に、事業者から提出されました改善計画書についてお尋ねがございました。  事業者が提出した改善計画書では、三つの柱を定め、取り組むこととされておりました。  具体的には、国際的な食品衛生管理基準──HACCPと申しますが、これを取り入れた衛生管理の構築、それから従業員の意識改革、そして三点目に安全・安心の見える会社を目指すこと、この三つが挙げられております。  特に、従業員の意識改革につきましては、食品安全方針を明確に文書化し、全従業員に周知すること。子供たちとの相互交流によるモチベーションアップを図ること。また、従業員の衛生教育と訓練の徹底が定められておりますが、現時点ではこれらはあくまで計画であり、今後の対応が重要となってまいります。  このため先日、この業者の視察を行った際にも、私からはこれからがスタートであり、この計画を今後確実に実行していただくことが大切であるということを申し上げたところでございます。  県教育委員会といたしましては、今後、保健衛生部局とも連携を図りながら計画の実施状況を把握していくとともに、子供たちとの相互交流などについては、県教育委員会としてのできる支援を行うなど、子供たちが笑顔で安心して安全に食べられる給食が一日も早く実現されるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、大きく二点目の生徒の校外での政治的活動についてのお尋ねがございました。  生徒の政治的活動等につきましては、平成二十七年十月に文部科学省から出された通知に基づきまして、適切に生徒を指導するよう各高等学校などを指導しております。  この通知におきましては、選挙権年齢の引き下げを行う今回の法改正を、「未来の我が国を担っていく世代である若い人々の意見を、現在と未来の我が国の在り方を決める政治に反映させていくことが望ましいという意図に基づくもの」であるとされ、「今後は、高等学校等の生徒が、国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待される。」としております。  教育委員会といたしましては、生徒の政治的活動などにつきましても、こうした考えを踏まえて対応していくべきと考えております。  また、文部科学省の通知では、学校の構外における生徒の政治的活動等につきましては、家庭の理解のもと、生徒が判断し、行うものであるとされております。  これらのことから、学校の構外における生徒の政治的活動等につきましては、佐賀県教育委員会としては必ずしも学校に届け出を行う必要はないとし、各県立高等学校及び特別支援学校にその旨通知をしたところでございます。  いずれにしても、高等学校等におきまして、生徒が国家及び社会の形成者として必要な政治や選挙への関心を高め、政治的教養を豊かにするための主権者教育の充実を図ってまいります。  私からは以上でございます。 19 ◎武藤明美君 登壇=再質問を行います。  まず、順序は違いますけれども、有明海の再生で開門調査にかかわることです。  平成十四年に短期開門調査が行われました。これは、そのときのタイラギの漁場の状況です。(資料を示す)佐賀県の有明水産振興センターの優秀な職員の方たちが一生懸命調べていただいたんですけれども、この黒い丸がついているのがタイラギが生息していてとれたというところなんですが、この時点は平成九年、つまり潮受け堤防の締め切りがあった時点です。ずっととれておりました。ところが、締め切られた後はこの黒丸が存在しなくなっていたんですけど、平成十四年、短期開門調査が行われました。そしたら次の年、また次の年、黒い丸がふえたということで、短期開門調査の結果、タイラギがまた生息して漁ができたということを示す図になっておりますが、このように開門調査することによって、この時点では短期でしたけれども、福岡高裁の確定判決をきちんと実施すれば海況はよくなると、有明海はもとのように宝の海になれるということを示しておりますので、もうそのことはしっかり御認識いただいて、開門調査の実現をより強く迫っていただけたらと思いますので、これ、お願いしておきたいと思います。  それから、オスプレイ等の佐賀空港配備の件です。  知事は今、図面で全体像、将来像がわかったと言えるのかという質問については、確認、精査中という言葉をお使いになったんですけれども、私はこの六月三日に持ってこられた図面で見えてきたものはどういうことだったのかといいますと、佐賀空港よりも二倍以上の広い自衛隊の基地ができ上がるということ。(資料を示す)そして、当初三十ヘクタールと言っていたにもかかわらず、この図面では三十三ヘクタールになっているということ。また、対戦車ヘリコプターコブラなどがここに配備されることによって、巨大な燃料タンクや弾薬庫までできるということですね。そういう点と、もう一つは格納庫が二十機から三十機ぐらいしか入らないという中で、さらなる拡張があるのではないか。初めは小さく装って、後で増大させていく、拡張させていくというやり方になっていくのではないかということなどを思いました。  こういう巨大な燃料タンクや弾薬庫が佐賀空港のすぐそばにできるということ。佐賀空港の二倍以上の面積の中にそういうものが存在していくのではないかということを感じ、まさしく佐賀空港が乗っ取られるという印象を強く持ちました。そして、道路のそばにある燃料タンクや弾薬庫が何らかの事故が起きると、有明海へその燃料が、あるいは弾薬などが入り込むというようなことも起きるんではないか、その可能性は否定できないと思うんです。そうなったら、もう途端に有明海で繊細なノリの養殖を行っている人たち、ひとたまりもない状況になってしまうんではないかということを思いました。  そういう点からいえば、これは全体像、将来像というには当たらずに、もっとさらに大きなものになっていくだろうというふうなことも思ったわけですし、こういうことが今明らかにされた時点で、本当に地域の住民の方たち、漁民の方たち、これでは納得できないと思われるんではないかということを思っています。まさに全国一位、二位と言えるような大きな自衛隊の基地ができるわけです。佐賀空港がさま変わりするんではないかというふうに思いますが、知事はどのように受けとめておられるでしょうか。しかも、米軍使用も可能性としては否定できない。日米地位協定のもとで知事が納得するまで説明を続けるということとあわせ、日本は米軍が求めたら基地施設は提供しなければならないというもとでのあり方。そういうことからいえば断れないんじゃないかという問題も出てきますので、そういったことも念頭に入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  それから、信頼関係の問題です。  先ほどは現地調査のことしか、知事の御答弁はありませんでしたけれども、藤丸政務官が佐賀の商工団体の求めに応じて、その求める要請文も、多久市、佐城地区の商工団体会長名、川崎氏の名前で出されたもので、防衛大臣政務官藤丸敏様に宛てた要請内容というふうになっているわけですね。  なので知事がまさしくおっしゃったように、公人だろうが、私人だろうが問わないと。もう本当に、そういうことを言うこと自体が問題なんだという、その認識を改めて私は先方にも伝えていただきたいということを、来た副大臣ではなくって、大臣にも、それから、直接そういう問題を発言した人にも言っていただきたいというふうにも思っております。  公害防止協定の問題でいえば、今の当事者の現在の思いも大切にしたいという言葉をおっしゃって、繰り返しておられますけれども、本当に当時の空港建設時の約束というのは重いものだと思います。それをやっぱりたがえてはならないし、今の地域住民、関係者の方たちが思っていらっしゃるその気持ちも大切にしていただきたいし、今の人たちがその時点と大きく変わっているかというと、そうではなくって、その約束があるからこそ、なおのこと反対を表明しておられるんだと思うんですね。  その文言を整理したいというようなことをおっしゃいましたけれども、その際、当時の担当者たちにも参考となるように、意見もちゃんと知事自身が聴取していただいて、正確に住民の人たちにも伝えていただきたいというふうに思っております。それについてはいかがでしょうか。  原発の問題です。  知事は、私が新潟県を参考にしてみてはどうかということを述べたときに、佐賀県としての手法もあるだろうし、新潟県のことを参考にできるものは参考にしていきたいというふうに御答弁いただきました。  新潟のタウンミーティングなどについてはホームページからも見られますし、知事、ごらんになったんでしょうか、それとも、まだ見ておられなかったんであれば、ぜひ見ていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。御答弁もお願いしたいと思います。  そして、技術委員会を設置したり、学校での防災教育のプログラムなどもごらんになっていただいて、やはりこれは参考にしていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。  原発の問題でいえば、必要性の問題、経済性の問題も指摘しましたけれども、その問題について、閾値の認識、そして、一人でも被曝者が出ないようにという強い決意と認識について、もう一回改めてお聞きしたいと思っております。  そして、公開討論会の問題ですけれども、国や事業者がするものだということで、国にも伝えるとおっしゃいました。また、他県の事例も参考にしたいということもおっしゃいましたけれども、プルサーマルの導入の際、やらせとか、仕込みの問題は論外としても、県がやはり国や九電との公開討論会もされるし、県も責任持ってされたわけです。  そういう意味で、知事は再稼働については、安全性が確認されて、県民の理解が得られたら再稼働もあるというような言葉を使っておられますので、県民が理解をする、あるいは県民の意見を聞く、そういう場にちゃんとなるものだと思いますので、この公開討論会、あるいはタウンミーティング、どんな形になるかはわかりませんが、それは県民の声を聞く場として、ぜひ実施をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
     子育て支援の問題ですが、安倍政権の保育士不足対策としての基準緩和策では、園の中に無資格な人がふえても構わないということになってしまいますので、本当に抜本的な対策を求めていく必要があると思います。  知事は、保育士の賃金が低いということを学生さんたちからお聞きになって、少しでもよくなるようにしていきたいというお気持ちになられたということなんですけど、安倍政権のいう一億総活躍プランでは、提示されたのは、わずか月に五、六千円ぐらいの賃上げなんですね。これではいつまでも低いままなんです。ですから、野党四党が共同提案した月五万円、その賃上げをというすぐれた内容もありますので、やっぱり一旦離れた人が希望を持って職場に戻ってくる、あるいは資格を取った人が保育士としてプライドを持って働くことができるように、ぜひそういうことも含めた新たな提案もお願いしたいというふうに思っております。  それから、子供医療費の問題でいえば、やっぱり国保のペナルティー問題、とても大きな問題です。川久保局長が誠実に答えてくださったのをありがたく、うれしく思いました。  実際に平成二十九年度から、市町で希望するところがあれば、現物給付方式に県も積極的に動くというような御答弁だったんですけれども、全ての市町で希望することができるのかどうなのか。今のところの見通しとして、例えば、本当に子供数や金額の支援も大きい佐賀市などはどうなるんだろうかという心配も持っておりますけれども、見通しとしてどのようになっていくとお考えなのか、そこを明らかにしていただきたいと思います。県は、そういう中でどんな役割が果たしていけるのかも、新たにお願いいたします。  タマネギの「べと病」の問題でいえば、確かに農家の方は共済制度があるなんて聞いたことがないとおっしゃっていたんです。その農業共済の補償制度の場合でいえば、米、麦、大豆、牛肉、ミカンという、本当に佐賀県で重要な品目というものが該当するわけですけれども、全国で二位を誇るタマネギが佐賀で該当しないというのが何とも残念なことなので、これについては、ぜひ制度の対象になるようにお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。  給食の異物混入の問題でいえば、これからがスタートだというふうに教育長に御答弁いただきました。本当に子供たちへの愛情がないと、学校給食というのは成り立たないと思うんですね。なので、業者に委託したことによって、ただつくって食事を提供するというだけのものに意識がなってしまっているという現状もあろうかと思いますので、そこは本当に子供を育てていく教育の一部分だ、そのための給食なんだという認識を改めて委託業者にもきちんと持っていただくということもお願いしたいと思いますが、以上、御答弁を求めます。 20 ◎山口知事 登壇=武藤議員の再質問にお答えしたいと思います。  有明海再生についてはお尋ねはなかったということでよろしいですか。基本的に開門調査を実施していきたいということで、短期開門調査のときのお話もいただきましたけれども、しっかりやっていきたいと思います。  オスプレイの佐賀空港への配備問題につきまして、図面が見えてきた中で、さまざまな御指摘もいただきました。  お話がありましたように、今、我々のほうで確認、精査中であります。そして、漁業者、漁協のほうからは、一緒に話をしていきたいという話がありまして、今後、漁業者の皆さん方、漁協の皆さんと一緒に共同確認をしていくという作業をしていくことになります。  そして、県議会の皆さん方のほうも、今後、さまざまな議論をされて、これからいろいろ調査も入っていくんだろうというふうに思っています。私のほうといたしますと、そういったさまざまな議論もこれからしっかり注視していきたいというふうに考えているところでございます。  続きまして、信頼関係についてお話がありました。  実は、若宮副大臣が来られたときに、私のほうからこの話もさせていただこうと思っていたところ、副大臣のほうから非常に厳しい口調で、大臣とともに強く強く指導したという話がありまして、こうしたことがあってはいけないことだから、これから信頼関係をしっかりつくっていこうというふうな趣旨の話がありましたので、これからそういった形で信頼関係を大事にしていただけるものだというふうに私は思っております。  それから、公害防止協定につきましてお話がございました。  これも江口議員のところでお話しさせていただいたと思いますけれども、私は現時点において、当事者の皆さん方は、そういう考えは持っていなかったということを思っておりますし、それを尊重しようというつもりでございます。もちろん、当時の関係者の皆さん方の意見をもっと聞けという御指摘をいただきました。いろいろお話しいただければ、さまざまな観点で、関係者の皆さん方の多くの意見は聞いてみたいと思います。  続きまして、玄海原発の再稼働につきましてのお話がございました。  基本的に今、審査がいつ終了するか見通しがつかない状況であるんでございますが、審査後の手続に係る対応につきましては、審査が進んだ段階で国の考え方をしっかりと確認した上で、他県の事例も参考にしながら、県としての考え方を整理していきたいというふうに考えています。  その中で、タウンミーティングでありますとか、公開討論会ですとか、そういったものをどのようにやっていくのかといった議論がなされていくんではないかと思います。  私は、まずいろんな方々からの意見をしっかりと国に対して申し上げていきたいと思いますし、その後、我々が何を実施するかといったときには、鹿児島、愛媛の状況なんかも踏まえて、できる限り県民の皆さん方との意見交換ができるような形で対応していきたいというふうに思っています。  新潟のお話もいただきました。特に新潟の関係では、タウンミーティングの関係がありまして、私、泉田さんのやっているところというのは見たことはないんですけれども、我々の取材によりますと、余りテーマは限らずにいろんな議論をする中で、この原発の安全確保といったものについての議論もされているというふうな話がありました。  それから、防災教育プログラムといったもの、それについてはさまざまな児童生徒のワークシートや授業の参考となる教材というのも示されているという話もありましたので、我々とすると、そういったものもよく勉強させていただいて、本県、今後展開される中で参考にさせていただきたいというふうに思います。  それから続きまして、被曝者を出さないようにちゃんと取り組むべきだというお話もありました。  これについては全くそうで、安全・安心をしっかり確保していくということが私の一番のミッションでありますから、そうした形でこれからも取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。  私からは以上でございます。 21 ◎古賀農林水産部長 登壇=再質問にお答えします。  タマネギの共済制度について、生産農家がなかなか共済制度そのものを知らないという話もあって、非常に残念なことだということで、制度加入に向けて今後進めていくようにという再質問をいただきました。  先ほどもちょっと御答弁させていただきましたが、この制度が平成十四年度からタマネギが対象になったということでございますが、その当時にいろんな話し合いがなされたのは事実のようでございますが、これは先ほども申し上げたように、本県のタマネギは冬につくるということで、気象災害をなかなか受けにくい、病害虫被害がなかったと、それとあわせて、被害率の算定でありますとか、基準収穫量の算定でありますとか、そういった調査にも取り組む必要があったということもあって、農家の方もなかなか熱心に取り組みをなされなかったというようなこともちょっと聞いております。今回の被害もございますので、改めて県の共済組合連合会やJA組織、あるいは生産者の代表の方に制度の説明を含めてそこは促してまいります。  以上、御答弁いたします。 22 ◎川久保男女参画・こども局長 登壇=私からは、子供の医療費の小学校就学後の現物給付化につきまして、どれくらいの市町が参加する意向なのかというふうなところで見通しをお尋ねがございましたので、お答えをさせていただきます。  本年三月に各市町に意向を伺っておりますが、その際は、県の補助は前提としないというふうなことで意向を伺っております。その時点では、それでも十六の市町が現物給付化を希望されていたところでございます。ただ、やはり、財政的にそれは厳しいというところもございました。ですので、再度県では最終的な意向調査を今月中にかけたいというふうに思っているところでございます。  それから、県の役割といたしましては、子供の医療費助成、それぞれの市町の実情に合わせ、いろんな住民の方の御意見などもお聞きしながら、各市町の方針のもと、いろんな対象年齢や保護者負担額などの設定がございまして、取り組まれているというふうに思っておりますので、ここにつきましては、現物給付化にしない、あるいはもう償還払いにとどめるというふうなところは市町のほうで御判断なされるというふうなことだと思いますので、そういった市町の方針は、これは尊重したいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 23 ◎古谷教育長 登壇=私からは、学校給食に関するお尋ねにお答えを申し上げます。  学校給食を提供するということは、まさに単に料理を出すということではなくて、将来の子供たちの体をつくることに貢献するとともに、食事を大事にして、食物の生産などにかかわる人々への感謝する心を持つことなど、まさに教育の一環としての意義を有する崇高な仕事であると、そうしたことを給食に携わる全ての関係者が共有していきますように、県、市町、学校、民間事業者等が一体となって取り組んでいきたいと考えております。  私からは以上でございます。 24 ◎武藤明美君 登壇=時間も余りありませんので、幾つか質問いたします。  知事にお尋ねいたします。  オスプレイ等の佐賀空港配備の問題ですけれども、若宮副大臣が言った、その信頼関係を築くということで、藤丸政務官の話は、もう若宮副大臣から厳しいことを何回も言われたということなんですけど、それだけではないんですよ。  若宮副大臣が信頼関係を築くと言ったその後の地元の自治会長の皆さんたちが九州防衛局に行ったときに、局長が声を荒らげたり、机をたたいたりする場面があったと。それでは、信頼関係を築くと副大臣が言いながら、その足元でそれを崩すようなことをやっているんではないかと、信頼関係を築くとは言葉だけで、本当に住民の人たちの気持ちを逆なでするような、あるいは不信を募らせるようなことをやっているんではないか、これでは信頼関係を築けるはずありません。  そのこともはっきり申し上げておきたいと思いますし、どのように考えられるのか。あるいはそういう現実があるということについて、やはり知事は防衛省に対して物を言う権利があると思います。よろしくお願いしておきます。  それから、公害防止協定の文言の問題なんですけれども、知事、ぜひ、住民の方たちのお気持ちを率直に聞いていただきたい。そして、当時の担当者の方たちのお気持ちも聞いていただきたいと思っております。佐賀空港が本当にアジアへ向けての国際空港として羽を広げて飛び立とうとしているときに、そういう自衛隊の基地、あるいは軍事、集団的自衛権行使のための水陸機動団としての役割を果たすようなものが置かれるということそのものが、佐賀空港の将来像と逆行するようなことになっていくんではないかと思うんです。そのことについての認識を改めてお聞きしたいと思います。  そして、タウンミーティングや公開討論会のあり方も、知事としてこれはぜひ真剣に考えていただけたらと思っておりますので、よろしく御答弁をお願いいたします。 25 ◎山口知事 登壇=武藤議員の再々質問にお答えしたいと思います。  信頼関係が大事だというのは、全くおっしゃるとおりでありまして、私もこれからさらに議論を積み重ねていく上でも、防衛省さんには愚直に真っすぐに、素直に向かい合っていただきたいなというふうに思います。これをしっかりやっていかないと、本来、信頼というものがお互いにあったときに初めて議論というのは成り立つわけでありまして、そうしたところにつきまして、せんだっての自治会長の際にも、九州防衛局のほうに部長を通じて厳しく話をさせていただいたところでありますし、今後はしっかりとそういった信頼関係を大切にしていただけるものだというふうに思っています。  続きまして、協定につきましてでございます。  これについても、できるだけ多くの人の意見を聞いていきたいと思います。一年五カ月たちまして、だんだんだんだんいろいろ見えてくるものも大分見えてきました。その中で、本当に多くの方が私のほうにも意見を寄せていただいております。国防という観点から協力すべきじゃないのかというような前向きな方もおられます。一方、地位協定の問題ですとか、佐賀空港の本来の民間空港を優先にという、議員のようなお考えの方もおられます。  そういったさまざまな幅広い意見というのはこれからも出てくると思いますけれども、今、まさに精査、確認作業の最終段階に近い段階になってきていると思うんです。ですから、今からそういったさまざまな精査、確認作業も通じまして、多くの皆さん方の意見も踏まえまして、これから方向性が出てくるんではないかというふうに思っているところでございます。  それから、最後になりますけれども、再稼働のお話をいただきました。これは先ほども御答弁申し上げましたように、審査後の手続というものについては、審査が進んだ段階で国の考え方をしっかり確認した上で、他県の事例も参考にしながら、県としての考え方を整理していくということであります。その中で、今までありましたタウンミーティングだとか、お互いでの討論会ですとか、合同説明会ですとか、いろんなやり方がありますので、どういったやり方というものがいいのかというのをしっかりと考えていきたいと思いますし、私自信もそうした中できちっと役割を果たしていきたいというふうに考えているところでございます。  私からは以上でございます。 26 ◎土井敏行君(拍手)登壇=自由民主党会派トップバッターを務めます土井敏行でございます。議長に登壇の許可を得ましたので、通告に従い順次一般質問を行います。  質問に入ります前に、まずもって、本年四月に起きました熊本地震、今でも余震が続いておりますが、大きな被害の中、亡くなられた皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災者の皆様にお見舞い申し上げる次第であります。一日も早い復旧、復興を願うところであります。  それでは、早速質問に入ります。  一項目めは、佐賀空港の自衛隊使用要請についての質問であります。  県議会においても、本年二月定例県議会において佐賀空港の陸上自衛隊配備に関する決議を行い、国と県に対して「議論の前提となる環境を早急に整えること」を求め、さらに県には「県民の安全・安心を守る責務等を第一にしながらも、空港を抱える当事者として、議論の前提となる環境を早急に整えるとともに国の動きに対して的確に対応すること。」を決議したところであります。  昨年十月二十九日に中谷防衛大臣が本県を訪問され、県や県議会に対し、防衛省が考える計画の全体像、将来像の説明があったところであります。以来、県は説明内容について精査を行い、疑義等について九州防衛局とこれまで三往復にわたって質問、回答のやりとりを行いながら、計画の全体像、将来像の明確化に努めてこられました。  また、防衛省が計画の全体像、将来像を明確化するためには必要として理解を求めていました現地調査について、県は本年三月に有明海漁協及び佐賀市に対して県の考えを説明され、その後、有明海漁協及び佐賀市からの回答を受けて、先月、防衛省において現地調査が実施されたところであります。  そして、去る六月三日には若宮防衛副大臣が本県を訪問され、現地調査を踏まえた施設配置の計画案や環境面に配慮した排水対策の考え方などについて説明が行われたと承知しております。  山口知事は本県議会初日の提案事項説明の中で、「私が初めて説明を聞いた一年半前と比較するとかなり明確になり、一定程度の内容が示されたのではないかと思っています。」と説明をされました。  県議会においては、冒頭申し上げたように二月定例県議会において、国、県に対して「議論の前提となる環境を早急に整えること」を決議したところであります。これまで申し上げてきたことを一つ一つ振り返ると、議論する環境は整ってきたのではないかと思うところであります。  これまでの話と少し路線がずれますが、今月六月五日に、私の地元であります鹿島市の七浦海浜スポーツ公園で第三十二回目となる鹿島ガタリンピックが開催され、十三カ国から約千二百人の選手が出場し、約三万人の観客でにぎわいを見せました。私も若いころは運営にかかわりました。しかし、今は私の子供たちの世代に引き継がれています。大いに盛り上がった今回の大会も実は前日からの大しけで開催が危ぶまれました。  会場には、潟の中を歩くためのコンパネの道板が敷設をされますが、その道板の約九割がしけで流されてしまったんです。地元漁協青年部の若者たちが朝四時から船を出して、荒れる海の中をその板を回収して回りました。そして、フォーラム鹿島のメンバーを中心に、ほかの多くの若いボランティアのメンバーと一緒になって力を合わせて並べ直し、約一時間おくれでありましたが、開催にこぎつけたのです。  その間、その作業の状態を見ていた観客の方々はゲームよりも逆にそっちのほうに感動をしたというふうに言われました。そのときの漁協青年部の頑張りを見たときに、あの荒れる海の中で船を操って板を回収して、並べて敷設する姿を見て、私自身も大変感動をいたしました。  その漁協青年部の頑張りを見たとき、彼らの活躍の場でありますこの豊穣の海、暮らしの場でもあります、生産の場でもあります、命の海有明海の再生に真剣に向き合わなければならないと思ったところであります。  そんな彼らが今一番関心を持っているのが、やはり今回の防衛省からの要請でもあります。さまざまな不安や心配の声を私も直接聞いております。彼らの不安や心配を払拭できるよう、丁寧でしっかりとした議論をしていかなければならないとの思いを改めて強くしたところであります。  このような思いに立って、佐賀空港の自衛隊使用要請に対し、今後議論していくに当たっての知事の基本的な考えや姿勢についてお伺いをしたいと思います。  一点目は、国防に対する認識についてであります。  今回の防衛省からの要請内容は国防に関することであり、ある意味、国の最も重要な政策課題だと思っているところであります。隣国である北朝鮮はミサイル発射実験を繰り返し行い、つい先日も尖閣諸島周辺の接続水域を中国の軍艦が航行するという事態も発生しています。こうした最近の情勢を見れば、今後、国防政策はますますその重要性が増していくものと思われます。  知事は、これまでも国防について何度となく認識は示されてきたと思いますが、改めて国防に対する知事の認識を伺いたいと思います。  二点目は、有明海漁協との共同確認作業についての質問であります。  知事は本県議会冒頭の提案事項説明の中で、漁協とは共同で確認作業に取り組んでいくと説明をされましたが、どういう姿勢で対応されるのか。また、具体的にどのようなことを行おうと考えておられるのかお伺いをします。  三点目は、公害防止協定の漁協への説明内容についての質問であります。  五月二日に自民党県議団は有明海漁協を訪問し、有明海再生をテーマに意見交換をさせていただいたところであります。  その際、佐賀空港建設の際、県と関係漁協で結ばれた公害防止協定の解釈等の考え方についても議論になりました。三月に現地調査の県の考えを説明するために県が有明海漁協を訪問された際にも、公害防止協定の解釈等の説明をされたものと承知をしていましたが、まだまだ十分に理解をされていないという思いを強く持ったところであります。県には、この公害防止協定の解釈等について、佐賀市や有明海漁協と共通認識を持てるように丁寧な説明をお願いしたいと思っているところであります。  県は、公害防止協定の解釈等について佐賀市や有明海漁協と共通認識を持つことが大切であるという認識に立って、まず、有明海漁協には今月の二十日にも説明を行うことで調整をしていると聞いておりますが、どういうことを説明するつもりなのかお伺いしたいと思います。  四点目は、防災拠点に係る政府提案についてお伺いをします。  四月十四日、大きな前震がありました。及び十六日、本震がありましたが、熊本地震は熊本市を中心に各地に大きな被害をもたらしました。被災以来、全国各地から多くの支援物資や災害派遣医療チーム、NPOなどが熊本に集まり、今まさに復興に向けての力の限りの活動が続いていると承知をしています。一日も早い復興を願わずにはいられないところであります。  さて、熊本地震の際、佐賀空港は、警察、消防、NPOなどから熊本への物資輸送や人員輸送の拠点として活用をされました。ここにそのときの新聞の記事のコピーがあります。(コピーを示す)県が誘致をしましたNPOがいち早く、これ四月二十二日の新聞でありますが、佐賀空港を利用してヘリを持ってきて物資や人を運んでおります。これは県の誘致したCSOでありますNPOアジアパシフィックアライアンス・ジャパン、あるいはピースウィンズ・ジャパンという団体であります。佐賀空港は比較的気象条件が安定をしております。四方を見渡せば、福岡、長崎、熊本と開けているという地理的な優位性を評価されたからであろうというふうに思います。  六月三日、若宮防衛副大臣から、佐賀空港に自衛隊機が配備されれば、佐賀空港は九州地方の一大防災拠点としての役割を担う旨の発言がありました。  五月二十四日に県から政府に対して、「九州の防災拠点としての九州佐賀国際空港の活用と機能強化について検討すること。」との提案が行われました。御存じだと思いますが、これがそのときの提案書でございます。(資料を示す)これに防衛省が逆にいち早く反応をした形になりましたが、本来の提案は内閣府と国土交通省じゃなかったかというふうに思います。佐賀空港に自衛隊機が配備されるかされないかというのにかかわらず、私は九州の中では佐賀空港の防災拠点空港としての優位性は群を抜いているんではないかというふうに思います。今回の地震での佐賀空港が果たした役割は、私はそのことを証明しているというふうに思うのであります。  そこで、次の点についてお伺いをしたいと思います。  一点目は、政府提案した思いについてであります。  五月二十四日に行った政府提案活動で「九州の防災拠点としての九州佐賀国際空港の活用と機能強化について検討すること。」を提案されたと承知しておりますが、どういう思いでこの提案をするに至ったのかお伺いをします。  二点目は、提案先の反応についてであります。  提案先であります内閣府及び国土交通省、この二つの政府はどういう反応であったのかお伺いをします。  三点目は、活用と機能強化のイメージについてであります。  防災拠点として佐賀空港の活用と機能強化は具体的にどういうことをイメージしているのかお伺いをします。  さて、この項目の最後でありますが、五点目は、防衛省の計画に対する今後の取り組みについてであります。  私は議論する環境は整ってきたと思いますが、可否の判断するための道筋についてどのように考え、今後、どういうことに取り組もうと考えておられるのか、知事にお伺いをいたします。  今回、質問の通告にはしておりませんし、これは質問ではございませんが、先ほど私の前に質問された両議員からも御指摘がありましたが、今回、地元の自治会長四人が、要望活動に九州防衛局へ行かれたときの九州防衛局の対応についてでありますが、私は地元の住民に対しては真摯に丁寧に対応をしなければならないと思いますが、このところは事実をしっかり確認をしなければいけませんが、報道を見る限りにおいては、私は九州防衛局の対応は丁寧ではなかったと言わざるを得ないというふうに思います。住民を大切にするよう、この点についてはこの場をかりて苦言を呈したいというふうに思います。  それでは続きまして二項目めは、玄海原子力発電所の再稼働についての質問であります。  東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故から五年が経過をしました。この間、原子力発電所の停止に伴い、我が国のエネルギー自給率はわずか六%程度までに落ち込み、国際的に見ても自給率の非常に低い脆弱なエネルギー供給構造となっております。  エネルギーは人間のあらゆる活動を支える基盤であり、安定的で社会の負担の少ないエネルギー供給体制の実現は、我が国がさらなる発展を遂げていくための前提条件であると考えているところであります。  国は平成二十六年四月に閣議決定したエネルギー基本計画において、原発依存度については可能な限り低減させる方針のもとで、安全性の確保を大前提として原子力発電を重要なベースロード電源と位置づけて活用していくとされております。  安倍首相も昨年二月十二日の国会での施政方針演説においても、「原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原発は、その科学的、技術的な判断を尊重し、再稼働を進めます。」と改めて国の方針を示されたところであります。  このような中、昨年八月十一日に鹿児島県の九州電力川内原子力発電所一号機が、また、十月十五日には同二号機が原子力規制委員会の厳格な審査を経て再稼働したところであります。  電力の安定供給は経済活動の重要な要素であると考えています。多くの原子力発電所が停止している現状でも電力は十分足りているのではないかという声もありますが、原子力発電については、省エネルギー、再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り依存度を低減させる必要はあるにしても、我が国のエネルギー事情を考慮すると、現時点では安全性の確保を大前提とした上で原子力発電を引き続き活用していくべきだと考えているところであります。  そもそも、再生可能エネルギーは、人間が必要としている需要と供給側の事情がマッチはしておりません。ほとんどの自然エネルギーは、自然の条件で発電をします。人間の条件で発電をしているわけではありません。現在の技術では電気は大量にためておくことができません。そう考えると、ベースとなる電源は必ず必要となっていくわけであります。  玄海原子力発電所三、四号機については、現在も原子力規制委員会による審査が行われているところでありますが、遠くない時期に県は再稼働について、地元として理解を求められることになると思われます。  そこで、次の点について知事にお伺いをいたします。  一点目は、原子力発電に対する基本的な考え方についてであります。
     国は、エネルギー基本計画において、原子力発電を安全性の確保を大前提として重要なベースロード電源と位置づけ、「原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。」。また、「原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる。」としていますが、知事は原子力発電に対する基本的な考え方について、どのように考えておられるのか、改めて確認をしたいと思います。  二点目は、再稼働の必要性の認識についてであります。  玄海原子力発電所三、四号機の再稼働については、県民には賛否の両方の声があります。知事は再稼働について、「原子力規制委員会により規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、原子力発電所の再稼働は必要と考えている」と発言をされていますが、その考えは変わっていないのか改めてお伺いをいたします。  三点目は、地元の範囲や住民説明会など、審査後の進め方についての質問であります。  再稼働に当たっての地元の理解については、安倍首相も、立地自治体を初め、関係者の理解を得るよう、丁寧な説明を行ってまいりますと言われており、一義的には国がきちんと説明をすることが必要であると考えています。  知事は、就任以来、県民との対話や政策決定のプロセスを大事にしたいと言われています。  私としても、この原子力発電所の再稼働に当たっては、国が地元関係者に対し、十分な説明を行い、必要な情報をしっかりと提供しながら進めていくというプロセスが大事だと思っているところであります。  知事は、玄海原子力発電所の再稼働に関する地元の範囲や住民説明会など、審査後の進め方について、国が決めるべきだと考えているというふうに発言をされておりますが、改めて知事の考えをお伺いしたいと存じます。  四点目は、再稼働に関する県内市町の意見についてであります。  平成二十八年三月二十一日の佐賀新聞で報道されました県内首長アンケートを見ても、再稼働に関して、市町の首長さん方はさまざまな意見をお持ちであります。全ての市町の意見を聞くべきではという声もありますが、このようなさまざまな市町の意見については、県はどのように対応しようと考えているのかお伺いをいたします。  五点目は、再稼働に係る県民の理解についてであります。  県内にはさまざまな意見があるのは事実であります。そのような中で、知事は再稼働について県民の理解をどのように判断していこうと考えておられるのか。私は、しかるべき時期が来れば、県議会においてもさまざまな議論が行われると思います。  県民の信を託された県議会における議論は、大変重要なものであると思いますが、知事はそのことについてどのようにお考えになっておられるのかお伺いをします。  三項目めは、熊本地震による県内観光への影響についての質問であります。  ことし四月に発生した熊本地震により、観光分野において、修学旅行や団体旅行などのキャンセルにより、宿泊予約や貸し切りバスのキャンセルが相次いでいます。観光は産業としての裾野が広く、雇用、農業、運輸などにも波及をすることから、今回の地震による国内外からの観光客の減少は、県内経済に大きな影響を与えているものと考えるところであります。  先ほどガタリンピックの話をしましたが、ガタリンピックが発端となりました干潟体験、これは修学旅行生が年間に約一万五千人ほど来ておりますが、もう既に十校近くの学校からキャンセルが来ております。また、九州佐賀国際空港においては、地震発生後、団体旅行の催行中止やキャンセルにより、各路線とも利用者数が減少しています。中でも、上海便は、地震発生後、全ての団体客がキャンセルとなり、また、ソウル便は、約一カ月間運休し、予定されていた週五便への増便計画が見送られている状況にあります。  さらに、今後の利用見込みについても、いずれの航空会社とも、当面は熊本地震の影響が続くという見解を示していると聞いております。国内外からの観光客誘致の重要な交通手段であります空港への影響も、決して小さなものではないと存じます。  昨年、佐賀県の外国人宿泊観光客数は十九万九千五百人と過去最高を記録し、また昨年度、九州佐賀国際空港の利用者数は、東京便、成田便、上海便、ソウル便の各路線とも過去最高を更新し、全体の利用者数も初めて六十万人を突破し、六十三万人を記録したといううれしいニュースが続いたところであります。  そして、県内経済へのさらなる活性化に向けて、地域交流部と文化・スポーツ交流局という新たな組織が力を合わせて、さあこれから観光対策と空港の利用促進に取り組もうと、こう思った矢先に熊本地震が発生したところであります。自然災害であり、やむを得ないことではあります。観光客や空港利用者の減少は大変残念でならないし、出ばなをくじかれた感が否めません。  県においては、今議会に観光復興キャンペーン事業や国の交付金を活用した九州観光支援事業に係る補正予算案を提案しておられますが、県内観光業への影響を最小限に食いとめ、ピンチをチャンスに変えるという気概を持って、タイムリーかつ強力に事業の推進に当たっていただきたいと思います。  そこで、次の点についてお伺いします。  一点目は、熊本地震による県内観光への影響についてであります。  修学旅行を初め、先ほどガタリンピックの話もしましたが、宿泊施設のキャンセルなど、熊本地震による県内観光への影響をどのように把握しているのかお伺いします。  二点目は、今後の対策についてであります。  県内の観光業が力を取り戻すためには、時期を逸することなく対策を講じることが必要であります。具体的にどのような対策を検討しているのか、文化・スポーツ交流局長にお伺いをいたします。  四項目めは、九州新幹線西九州ルートについての質問であります。  九州新幹線西九州ルートについては、三月二十九日の関係六者により平成三十四年度に武雄温泉駅での乗りかえ方式、いわゆるリレー方式でありますが、による開業が合意をされ、五月二十五日の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの会合において報告をされたところであります。  フリーゲージトレインの開発がおくれる中、期待していた経済波及効果が得られないなど、佐賀県が置かれた苦渋の状況において、開業のあり方を議論するのであれば、佐賀県として特に配慮していただきたい事項として、暫定開業のために必要となる追加費用負担を求めないこと、長崎本線の特急本数を一定程度確保すること、肥前山口─武雄温泉間の全線複線化工事等を確実に実施することなどを国に対して要請をし、一定の配慮がなされたことから合意に至ったと聞いています。  これは、知事が佐賀県の苦しい状況を国や検討委員会のメンバーにしっかりと訴えられ、頑張っていただいた結果であると私は大きく評価をしております。長崎本線の沿線の自治体も住民も、その点については大変評価をしているというふうに思います。  これまで県は、一貫してフリーゲージトレインによる全線開業が基本であると言われています。しかしながら、フリーゲージトレインの開発が不透明な状況で、その後の西九州ルートの整備の全体像もはっきり見通せないことから、平成三十四年度の乗りかえ方式、リレー方式による暫定開業がその状態のまま続いていくのではないかという不安も感じているところであります。  私も基本的には、これまでの新幹線西九州ルートの建設の経過から考えて、当然、フリーゲージトレインによる開業が基本であるというふうに思っておりますし、これが大前提であるというふうに思っています。しかし、そういう中で、こういう状態が続いておりますので、フル規格で整備すべきではないかなど、整備のあり方についてもさまざまな意見が県民の間で出てきている状況にもあります。多くの県民も、同じように不安に思っているのではないかと考えます。  そこで、次の点についてお伺いします。  一点目は、西九州ルート整備の基本的な考え方についてであります。  西九州ルート整備については、県はフリーゲージトレインによる全線開業が基本的考え方であると表明していますが、改めてこの考え方の理由を伺いたいと思います。  二点目は、フル規格での整備についてであります。  平成三十四年度の乗りかえ方式による開業の次には、平成三十六年度にフリーゲージトレインによる全線開業が行われることが国の工程表に示されています。今後のフリーゲージトレインの開発段階で、またふぐあいが発生することも否定できず、この際導入を断念して、フル規格で整備することを検討すべきとの声も一部ではあると聞いていますが、県はフル規格での整備について、どのように考えているのか改めて確認のためお伺いをします。  三点目は、長崎本線沿線への今後の対応についてであります。  新幹線の開業で上下分離される肥前山口─諫早間の長崎本線については、今回の合意で平成三十四年から三年間は博多─肥前鹿島の特急本数が十四本になるなど、沿線に一定の配慮をされたことは承知しています。  詳しく言いますと、現在、肥前鹿島を中心とした長崎本線は、ここのところは特急が一日上下五十本走っています。多いときには五十二、三本走っていると思いますが、それが上下分離された後は十本になるということになっておりました。それを四本ふやして十四本になるということで一定配慮をしていただいたことは大変ありがたいと思っております。  しかしながら、その沿線の住民は、今後の具体的な運行形態がどうなるのか、上下分離された後の駅舎の施設管理などがどうなるのか、不透明な、不明確な部分が多くて非常に不安に思っています。  今、佐賀駅はICカードで電車に乗れます。鹿島駅はありません。こういうのが一体どうなるのか。鹿島駅の駅舎は、多分、経営分離をされるということがあったのでしょうけれども、JRは全然投資をしていません。昔のままであります。将来ここはどうなるのかとみんな非常に不安に思っているところであります。かといって、利用客が極端に少ないわけではないんです。武雄駅の一日の乗降客数は、これは非公表ですが、三千百名だと言われています。鹿島駅の乗降客数は一日二千八百名、その差三百名なんですね。  県は長崎本線への今後の対応についてどのように考えておられるのか、改めてお伺いをしたいというふうに思います。  さて、最後は問いの五、有明海の再生についてであります。  諫早湾干拓事業の開門問題については、去る一月十八日、諫早湾干拓地の営農者らが、諫早湾干拓地潮受け堤防排水門の開門差しとめを求めて、長崎地裁に提訴をしていた裁判で、長崎地裁から開門しないことを前提とする和解勧告が出され、漁業者、国、干拓地営農者の三者による和解協議が始まったところであります。  和解勧告では、裁判所は国に対して開門にかわる漁業環境改善のための措置を検討、実行すべきとしており、五月二十三日の和解協議においては、国は開門にかわる漁業環境改善措置として、有明海振興基金──これは仮称でありますが──の創設を提案されました。有明海再生のための抜本的な改善事業の提示を求めていた漁業者側は、当然のごとく反発をしたと聞いております。当たり前ですよね。私も一度大浦で九州農政局と漁業者との話し合いに行ったことがありますが、それはお互い感情的な話し合いになっておりました。  五月三十日に開催されました大浦の漁業者と国との意見交換会においては、原因究明に向けた開門調査を実施するようにと漁業者から国に要望されております。  六月七日には、農林水産省の末松農村振興局長から県に対し、基金案の説明があったとも聞いています。開門調査を求める漁業者の皆さんは、開門しない前提の和解協議をまとめる努力しかしていない国に対して不信感を持たれております。開門調査の行方についても大変心配されているのであります。漁協の皆さんの話では、基金をつくるならば、開門したときに農地の被害に対する補償をする基金に使えと、開門を前提にして基金はつくれというような話も実はちゃんと役員会でも出ているんです。そういう状況にありますが、そこで次の点について伺いたいと思います。  一点目は基金案についてであります。  この基金案について、県はどう受けとめたのか、知事にお伺いをします。  二点目は、県の基本方針についてであります。  開門調査を求める県の基本方針に変わりはないと知事は言っておられますが、改めてこの点について変わりはないのか、確認をさせていただきたいと思います。  三点目は開門調査についてでありますが、今後、この開門調査の実現に向けて、どういうふうに県は取り組んでいかれるのかお伺いをします。  以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 27 ◎副議長(桃崎峰人君) 暫時休憩します。     午後二時四十九分 休憩 平成二十八年六月十四日(火) 午後三時二十分 開議  出席議員    三十五名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三五番  木 原 奉 文     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三六番  中 倉 政 義     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三七番  石 倉 秀 郷     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三八番  桃 崎 峰 人     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  川 崎 常 博     二七番  武 藤 明 美    一二番  定 松 一 生     二八番  稲 富 正 敏    一三番  八 谷 克 幸     二九番  徳 光 清 孝    一四番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎 欠席議員    一名    三四番  石 丸   博 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          政  策  部  長   落  合  裕  二          総  務  部  長   大  田  芳  洋          地域交流部長       坂  本  洋  介          県民環境部長       山  口  康  郎          健康福祉部長       藤  原  俊  之          産業労働部長       石  橋  正  彦          農林水産部長       古  賀  俊  光          県土整備部長       和  泉  惠  之          危機管理・報道局長    大川内   直  人          文化・スポーツ交流局長  白  井     誠          男女参画・こども局長   川久保   三起子          会 計 管 理 者    西  山  和  紀          公 安 委 員 長    香  月  道  生          警 察 本 部 長    今  林  寛  幸          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員
             議会事務局長       久  本  智  博          同    副事務局長          議事調査課長事務取扱   毛  利  明  彦          総  務  課  長   江  島  秀  臣          政務調査室長       白  濱  光四郎          議事調査課参事      篠  田  博  幸          総務課副課長       溝  上  信  彦          政務調査室副室長          記録担当係長事務取扱   島  内  直  樹          議事調査課議事担当係長  原     康  祐          同    議事担当主査  井  上  智  宏         ○ 開     議 28 ◎議長(中倉政義君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。  土井敏行君の質問に対する答弁から開始いたします。 29 ◎山口知事 登壇=土井敏行議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港の自衛隊使用要請に関しまして、国防に対する認識についてお尋ねがございました。  外国の脅威や侵略などから我が国を防衛していくことは、大変重要なことと認識しております。  我が国の防衛や安全保障は、我が国の独立と平和、安全を守るという国家存立の基盤となるものであり、ひいては私たち国民一人一人の平穏で安らかな日々の暮らしを守るために必要不可欠なものだと思っています。  また、国の最も重要な行政課題の一つであり、責務であると認識しております。  そして、我が国の防衛や安全保障の重要性は十分に認識しております。一方で、今回の防衛省からの要請は、県民の安全・安心にかかわる重要な課題であることから、しっかりと議論をしていきたいと考えているところでございます。  続きまして、有明海漁協との共同確認作業についてお尋ねがございました。  有明海漁協は、県と一緒になって防衛省に向き合いたいとの意向を示されております。  県といたしましては、有明海漁協とよく話をさせていただきながら、今後のことについては考え、対応していきたいと考えております。  また、具体的にどのようなことを行うのかにつきましては、まずは有明海漁協と共同で行う予定の確認作業の過程で、漁協側から出される疑問や不安の声、そうしたものを県から防衛省に伝えまして、説明や対応を求めるということに取り組むことになろうと考えております。  続きまして、公害防止協定で漁協に対してどのような説明をするのかといったお尋ねがございました。  有明海漁協から、公害防止協定の解釈について県の考えを聞きたいとのお話がありましたので、今月の二十日に県の担当者を説明に行かせることといたしました。  当日は、公害防止協定の解釈や事前協議の考え方について説明させる予定でありますが、その内容につきましては、ポイントとしては三つばかりあるのかなと思っていますが、一点目は、これは江口議員のときに若干お話しさせていただきましたけれども、覚書付属資料にある、「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えは持っていない。」という県の考え方について改めて説明させていただこうかなと思っています。  これは、我々は「自衛隊と共用するような考えは持っていない。」との記載については、当時の県の考えはそうだったことは間違いないと認識しています。そして、県としては、その後、今日までこの考え方を維持してきたと思っています。江口議員にもお話ししましたように、その間、自衛隊との共用について県のほうから打ち出したことはありません。  そして、今回は防衛省から国防に関する要請が県に対してなされたために、改めて議論、検討する必要が生じたというのが現在の県の置かれている状況だと認識しています。これが一点目です。  二点目でございますけれども、協定上の事前協議、いつ行うのかといった問題です。  協定第三条に基づきます事前協議は、県が「空港施設の増設及び空港運営の変更等をしようとするとき」に協定の相手方であります佐賀市や漁協、農協と公害防止の観点であらかじめ協議するというものであります。ですから、仮に県が今回の防衛省からの要請を受け入れると判断したときに初めて、漁協さんとか相手方と協定上の事前協議をすることになるわけでありまして、この事前協議という言葉の意味、特に協定上の事前協議というのは、県のほうでの変更があったときに協議をするものだといったところについて、お互いにすり合わせをしっかりしておこうということであります。  三点目でありますけれども、しからば県はそういった判断をした後にしか事前協議というのをしないのかということでございますけれども、それは協定上の事前協議という意味ではそういうことになります。協定上の事前協議は、県が受け入れると判断してから協議するという趣旨であります。しかしながら我々は、漁協など関係機関との調整については、その受け入れを決めるとかいった後にやろうということではありません。もちろん協定上の事前協議というものまでいくかどうか、まだわからない状況でありますけれども、当然そういったものの前の段階で、例えば、先ほど説明いたしましたように、漁協とは防衛省から示された計画の全体像、将来像について共同で確認作業をする予定でありますので、こうした事前の作業とでも申しましょうか、そういったものを通じて相手方の考え方も確認していくというようなことになっていこうかと思っておりますので、事前協議、事前協議という言葉が関係者の共通認識のもとでしっかりと理解されるというか、認識されるようなところをしっかりとお互いで共通認識をすると。  そのやり方については、県としては、今私が申し上げたような考え方を持っているけれども、それでどうかということも含めてすり合わせを行うという趣旨でございます。  続きまして、防災拠点に係る政府提案についてのお尋ねがございました。  今回の熊本地震におきましては、佐賀空港が警察、消防、海上保安庁、災害派遣医療チーム──DMAT、それから、アジアパシフィックアライアンス・ジャパンなどの災害支援NPOなどによる情報収集、人命救助、物資支援といった被災地支援の拠点としても活用されたことを踏まえまして、また、南海トラフ地震を見据えたときに、佐賀空港は九州地域における大規模災害時の防災拠点空港になり得ると思ったわけであります。  振り返ってみますと、長崎の雲仙普賢岳もそうですし、福岡の西方沖地震もそうですし、今回もそうですけれども、佐賀という土地、そしてこの空港というところは、さまざまなところにしっかりと支援の輪を伸ばせるところにある。そして、土井議員がおっしゃるように平野部にあって、さまざまな可能性を秘めた場所だと思っております。  今後、国におきまして、大規模災害時における防災計画等を検討する場合において、佐賀空港も大きな役割を果たせると、そして、その準備もあるという思いから政府に提案させていただいたところでございます。  そして、提案先の反応についてもお尋ねがございました。  内閣府は河野防災担当大臣に対しまして、そして、国土交通省政務官にも直接お会いして、そういった話をさせていただきまして、いずれも前向きに受けとめていただいたところでございます。  続きまして、防災拠点としての佐賀空港の活用と機能強化をどのようなことでイメージしているのかというお尋ねがございました。  先ほどアジアパシフィックアライアンス・ジャパンとかピースウィンズ・ジャパンのお話もいただきましたけれども、今回、図らずも誘致したNPOが非常に活躍していただいたということも我々にとっては非常にすばらしいニュースだったと思っているんですけれども、そういった皆さん方の意見も含めて、物資倉庫の整備といったものをやっていったらどうかという議論がございます。  それから、NPOの活動拠点、このNPOは特に国内だけに限らず、国際的な支援といったものも念頭に置いているものでもございます。  さらに、被災地支援を担う団体の集積、連携による災害時の対応のノウハウというか、そういうソフト面の集積も佐賀県で図られないかということも考えてございます。  そして、被災地支援を行う行政、民間のヘリ、そういったものの受け入れ拠点としての活用といったものも考えられるかもしれませんけれども、そういった具体的な活用を我々も考えてまいりますが、機能強化策については国においても検討していただけるものと考えております。  続きまして、防衛省の計画に対する今後の取り組みについてのお尋ねがございました。  防衛省からの要請内容につきましては、かなり明らかになりまして、一定程度の内容が示されたのではないかと私も思っているところでございます。  今後のことについてお尋ねがございましたが、防衛省がこれから県議会はもとより、佐賀市、有明海漁協、そして地域住民などの皆さんに対して説明を行っていくと思いますので、そこでのさまざまな意見や議論を注視して、そして、先ほど説明しました有明海漁協との共同での確認作業の状況なども踏まえて考えてまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、県民の安全・安心にかかわる重要な課題でありますことから、今後ともプロセスを大切にしながら、しっかりと対応していきたいと思います。  続きまして、玄海原子力発電所の再稼働等につきまして、基本的な考え方についてお尋ねがございました。  原子力発電に関する県としての考え方の基本は、県民の安全を第一に考えること、つまり、何よりも県民の安全が大切であるということでございます。  原子力発電所は、規制基準が求める安全性が確認されることが大前提でありまして、このため、一元的に規制監督権限を有する原子力規制委員会において、規制基準に基づく厳格な審査を行っていただくことが何よりも必要だろうと考えております。  また御指摘のとおり、国は、エネルギー基本計画におきまして、原子力発電を安全性の確保を大前提として重要なベースロード電源と位置づけるとともに、原発依存度につきましては、再生可能エネルギーの導入などにより可能な限り低減させるとしております。  現在、石油や天然ガスなどエネルギー源のほとんどを海外に依存している我が国のエネルギー状況を考慮すると、国がエネルギー基本計画において原子力発電を安全性の確保を大前提として重要なベースロード電源と位置づけ、活用していくとされていることは、県としても必要なことであると考えています。  その上で原子力発電に必要なことは、何よりも県民の安全が大切であるということでありまして、国、事業者におきまして、その責任において安全性を確保していただくことが大切であると考えているところであります。  また、再生可能エネルギーの導入促進等についても、国において積極的に取り組んでいただくとともに、県におきましても、再生可能エネルギーの導入促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  再稼働の必要性の認識についてお尋ねがございました。  原子力発電所の再稼働につきましては、県民の間にもさまざまな御意見があることは私も承知しております。  私自身も、中長期的には再生可能エネルギーの導入促進等によりまして、原子力発電への依存度を可能な限り低減させていくべきだと考えております。  しかしながら現状において、県民の生活安定の観点からも、より安価で安定的な電力供給が行われることも必要であると考えております。  原子力規制委員会により規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、原子力発電所の再稼働は必要であると考えているところでございます。  続きまして、地元の範囲や住民説明会など審査後の進め方についてお尋ねがございました。  原子力発電所につきましては、従来から一貫し国が規制監督権限を有しており、再稼働の判断につきましては、一義的に国、事業者の責任で行われるべきものです。  原子力発電所の再稼働につきまして、エネルギー基本計画では、原子力規制委員会により規制基準に適合すると認められた場合には、「その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。その際、国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、取り組む。」とされています。  また、再稼働の手続につきまして、国は設置変更許可が出て、個別プラントの基本的な安全性が確認された段階から、各地域と相談しながら具体的な対応を考えていくとされています。  このため県といたしましては、国から相談があった時点で、理解を得ていく地元の範囲や理解を得ていく方法を含め、国の再稼働に関する考えをしっかりと確認した上で県としての考え方を整理していきたいと考えております。  私が国が決めるべきだと言っていることについても御指摘がございましたけれども、私は責任の所在が不明確だというのが一番いけないことだと思っています。この点、しっかりと国だということを常々申し上げているところでございます。  続きまして、再稼働に関する県内市町の意見についてお尋ねがございました。  御指摘のとおり、原子力発電所の再稼働につきましては、新聞のアンケートなどを見ても、県内市町の首長さんはさまざまな御意見をお持ちであります。  そうしたそれぞれの考え方、御意見をいろんな機会、いろんな形で表明されるのは自然なことだと思っています。  私といたしましては、国から再稼働の進め方についての相談があったときに、そのようなさまざまな、いろいろな御意見があることも踏まえて、地域の実情をしっかり国に伝えたいと考えております。  いずれにいたしましても、玄海原子力発電所三、四号機につきましては、現在行われている規制基準に対する適合性審査がいつ終了するのか見通しがつきにくい状況であります。審査が進んだ段階で、国の考えをしっかりと確認した上で、他県の事例も参考にしながら、県としての考え方を整理していきたいと考えております。  県民の理解についてのお尋ねもございました。  私は、県民の意見というものも大切にしたいと考えておりまして、さまざまな機会を通じて、しっかりと意見を聞いていきたいと思っています。  県議会での議論についてどのように考えるかとのお尋ねでございますが、県民の代表であります県議会における議論というのは、極めて大切だと考えております。  続きまして、九州新幹線西九州ルート整備の基本的な考え方についてお尋ねがございました。  佐賀県にとって九州新幹線西九州ルートとは、そもそも、現在、在来線であります長崎本線の肥前鹿島を通る路線が、嬉野温泉、新大村を通る路線に振りかわるものであるということ。  新幹線の一番の整備効果は時間短縮効果でありますが、博多─長崎間で期待されている二十八分という時間短縮効果の大半は長崎県側にもたらされ、例えば佐賀駅でありましても、フリーゲージトレインであっても二分程度と時間短縮効果はほとんど見込めない状況であります。こうしたことなど、全国の整備新幹線を見回していても、佐賀県の立場は特殊かつ厳しいものだと思っています。  このような状況の中で、県内を二分する議論を経て、実質約二百二十五億円もの大きな負担を受け入れてまでも佐賀県が西九州ルート着工を苦渋の思いで決断した理由は、山陽新幹線と博多駅が直結して、関西、中国方面からの誘客などによる経済波及効果を期待したからでありまして、こうしたことからフリーゲージトレインによる全線開業を求めているところであります。  続きまして、フル規格での整備についてのお尋ねがございました。  フル規格での整備につきまして、さまざまな御意見があることは承知しております。私といたしましても、例えば、埼玉県や神奈川県のように建設費を全額国が負担するとか、佐賀県として財源といったものを全く考慮する必要がないということであれば、フル規格で整備するほうが新幹線としての効果が大きくなるということは理解できるものであります。  しかしながら、現在の整備新幹線スキームでは、佐賀県としての実質的な負担が一般財源で約八百億円ですから、県民一人当たりにすると約十万円ずつ集める勘定になります。そのような、とても抱え切れない多額の負担になってしまうというのが現実でありまして、現状のスキームということを考えますと、フル規格での整備について議論できるような環境にはないのではないかというのが私の意見であります。  先般、平成三十四年度のリレー方式での開業に向けまして、関係者で力を合わせてやっていこうという六者での合意をしたばかりでありまして、国においても、フリーゲージトレインの開発に努力していくことになっていることから、まずはそれを懸命にやっていくべきであると思っています。  続きまして、長崎本線沿線への今後の対応についてお尋ねがございました。  私は、肥前山口─諫早間の長崎本線沿線住民の方々におかれましては、西九州ルート整備に関する議論の中で大変つらく、苦しい思いをされたということを、これは強く重く受けとめなければいけないと思っています。江北や鹿島や太良の皆さん方のさまざまな思いというのも私は直接伺うことができました。  今回の六者合意に至った経過の中で、沿線住民の方々のこうした思いについても、しっかりと国等に対して主張したところでありますし、そうしたことも一定の配慮をいただく結果にもなったものではないかと理解しているところであります。  長崎本線肥前山口─諫早間の運行形態や施設の管理等につきましては、今後、列車を運行するJR九州と施設を管理することとなる佐賀県と長崎県が協議していくこととしております。  鹿島市を含む県南西部地域というものは、先ほどガタリンピックのお話もありましたが、酒蔵ツーリズムですとか、肥前浜宿ですとか、それから、太良もこれから大きく伸び行く地域だと私は強く信じております。そうした県にとっても、私にとっても大切な地域であることから、沿線の方々の不安に寄り添って耳を傾けることはもとより、この地域の発展についても議論できるように環境を整えていきたいと思いますので、どういうやり方がよいのかも含めて、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  続きまして、有明海再生につきまして、まず基金案の受けとめについてのお話がございました。  基金案につきましては、現在、長崎地裁における和解協議の中での提案で、司法上の話でありまして、県は裁判の当事者ではありませんので、コメントする立場にないものと思っています。今後、和解協議の場におきまして議論がなされていくものと思いますので、県としては協議の進展を注視していきたいと思います。  開門調査を求める県の基本方針についてお尋ねがございました。  開門調査につきましては、これまで漁業者の皆さんに寄り添い、漁業者の意向をしっかりと尊重して取り組んできたつもりであります。  五月二十四日の政策提案のときにも、森山農林水産大臣に対しまして開門調査の実施を提案してきたところでありまして、今も開門調査を求める県の基本方針に変わりはございません。  なお、先週、国から基金案の説明を受けましたが、対応した副島副知事からも国に対して、県の方針は変わらないことを伝えております。  今後、開門調査の実現に向けてどう取り組むのかというお尋ねもございました。  開門調査につきましては、開門を命じた確定判決を履行していただきたいと考えております。有明海の環境変化の原因究明のための一つの手段として、万全の対策を行った上で開門調査を実施するよう、森山大臣にも要請したところであります。  今後も引き続き、機会あるごとに漁業者の立場に寄り添って、国に対して開門調査の実施について求めていく所存でございます。  私からは以上でございます。 30 ◎白井文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、熊本地震による県内観光への影響について二点お答えいたします。
     まず、熊本地震による県内観光への影響をどのように把握しているのかというお尋ねでございました。  県では、地震発生以来、随時、県内の宿泊施設等に対して聞き取りを行っておりまして、五月十日現在で県内の宿泊キャンセル数は約一万五千人となっております。このうち、修学旅行のキャンセル数が十九校、約二千四百人となってございます。  一方で、地震発生直後のガスや水道などライフラインの復旧が急がれた時期は、本県の東部地区のビジネスホテルが被災地支援のための職員、社員の宿泊先として機能しておりまして、客室が埋まっていたという時期もありましたけれども、それも一時的なものにとどまっております。  また、海外の状況についてでございますが、地震発生後すぐに、主な海外の旅行会社を訪問しまして聞き取りを行った結果、佐賀県における地震の被害の状況ですとか、佐賀県と被災地との距離等につきましては、旅行会社ではおおむね正確に理解をされておりました。  しかし一方で、一般の旅行者、先ほどのは旅行会社でございました。旅行者につきましては、特に韓国、中国、台湾などでは、今あえて地震があった九州に旅行で行く必要はないんじゃないかという消極的なマインドが強い様子がうかがわれまして、これらの国々の旅行会社においては、当面は九州向け旅行商品の積極的な広報、販売は控えているという状況にあると聞いてございます。  したがいまして、このまま仮に九州全域に及んでいる風評被害がさらに続くとすれば、県内における観光客の大幅な減少が懸念されるところでございます。  次に、今後の対策についてですが、時期を逸することなく対策を講じることが必要であるけれども、具体的にどのような対策を検討しているのかというお尋ねでございます。  まず、地震発生後すぐの対応といたしましては、主な海外の旅行会社を直接訪問して、佐賀の正しい情報を伝えるとともに、現地の情報収集に当たっております。  また、国内にあっては、既定予算を活用しまして、本県の宿泊観光客のうち最も割合の高い福岡都市圏に向けて、まず、宿泊費から三千円を割り引く宿泊割引キャンペーンを五月十六日から実施したところでございます。  さらに、地域交流部と協力しながら、これは五月の中旬から六月第一週にかけまして、春秋航空とタイアップをしまして、中国のメディア等五十三社を佐賀に招聘しまして、県内各地を視察してもらったところでございまして、現在、中国の国内で、佐賀が安全であるとともに居心地のよい快適な観光地であることなどなどを、さまざまな媒体を通じてニュース発信をしてもらっているところでございます。  また、韓国につきましても、大手旅行会社を県内に招聘し、同様に韓国国内に向けた県内観光地の現状と魅力の情報発信等を行ったところでございます。  今後の対策でございますが、まず、国におきましては、熊本地震により失われた九州向けの旅行需要を早期に回復するため、九州観光支援交付金を九州七県に対しまして交付することが決定されまして、先月末の五月三十一日にその内示をいただいたところでございます。  今後、これを活用して、九州七県と九州観光推進機構が連携して、旅行プランの割引を行う割引クーポン事業と、国内外への情報発信事業の二つの事業を行うことといたしております。  中でも、特に海外への情報発信につきましては、今申し上げましたとおり、九州七県による連携事業で九州観光のイメージ回復のための情報発信を行うこととしておりますけれども、これに加えまして、県の単独事業として佐賀県をひときわ印象づけるための情報発信を韓国、中国、台湾に対して行っていくことといたしております。  具体的には、韓国につきましては、ティーウェイ航空とのタイアップによる地下鉄での広告展開ですとか、また、中国は春秋航空とのタイアップによるテレビ番組の制作。  さらには台湾につきましては、ウエブ広告ですとか現地マスコミの招聘など、一般の旅行者に向けて、特に佐賀県観光を際立たせるための情報発信を行うこととしております。  こういったさまざまな取り組みを臨機応変に行うことで観光客の回復に努め、県内観光業への影響を最小限に食いとめる努力を続けてまいります。  私からは以上でございます。 31 ◎土井敏行君 登壇=一点だけ再質問をさせていただきます。  九州新幹線西九州ルートについてでありますが、長崎本線沿線への今後の対応について、先ほど知事から大変ありがたい、力強い思いを聞かせていただきまして、私も大変心強く思ったところであります。  この長崎本線の、上下分離方式になって、今現在、新幹線の話がどんどん進んでおりますので、新幹線がどんどん進んでいるのに、長崎本線──かつての並行在来線側といいますか──の話が一向に出てこないので、みんな並行在来線の沿線の県民は非常に不安に思っているわけですね。何か置いていかれるんではないかというような思いがあって、ここは沿線の県民にとってみれば、あくまでも通勤通学の足としても大変重要なインフラでありますし、また地域と外を結ぶ玄関口みたいな役割も持っているわけでありまして、この重要な交通インフラが将来どうなるものかというふうなことを考えてあるわけであります。  私が一番心配しているのは、こういった不安感が地域の閉塞感につながっていくんではないかというふうな思いがあります。そういったことを打開するためにも、沿線の県民の声を十分に反映していただくために、オープンに協議を進めていかれるようなシステムというか、そういう場といいますか、あるいは関係自治体の協議会というんですか、何かそういう場をぜひ立ち上げるべきではないかというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。そのことだけをちょっとお伺いしたいと思います。  もう一つ言わせていただければ、並行在来線の沿線地域というのは杵島・藤津郡なんですが、かつてここは千二百年前、京都の仁和寺の荘園がありました。藤津荘と言いました。藤津荘は、今の江北ぐらいまで広い地域だったそうでありまして、南のほうは長崎県のほうにまで入っていたそうであります。中心地は実は肥前鹿島の能美郷といいます。今現在、能古見という地名になっておりますが、そこに蓮厳院というお寺があります。そこが中心で、現在、そこに国宝の仏像が三体残っているんですけれども、かつてのそういう地域の皆さんの連帯感があった地域でありまして、これが新幹線が通ることによって何となく分断されたような、新幹線「ひかり」が通るのに、片一方の並行在来線側は光と反対に影になってしまうんじゃないかというような心配、不安を持ってある方もいらっしゃいますので、ぜひそういったことを払拭するためにも、そういった地域住民の意向をしっかりとくみ上げるような場なりシステムなりをつくっていただきたいと、そのことについて知事のお考えをお聞きして、私の再質問にかえさせていただきます。 32 ◎山口知事 登壇=土井議員の再質問にお答えしたいと思います。  私のほうからも、今回の新幹線の協議も含めて、沿線の皆さん方にはさまざまな情報提供をさせていただきたいと思いますし、皆さん方のお話も賜りたいと思いますので、連絡会議というか、どういう形がいいのか考えさせていただきますけれども、そういった組織体を検討させていただきたいと思います。  ちょうど担当の地域交流部長はたしか鹿島出身であったと思いますので、そのやり方について補足ありますか。ちょっと決意も含めて補足させたいと思います。よろしくお願いします。 33 ◎坂本地域交流部長 登壇=ただいま質問いただきましたけれども、並行在来線というか肥前山口─諫早間の鉄道運行につきましては、これから本格的に協議をする必要があると思っております。そのため、ことしから新幹線・地域交通課の中にそこを担当するラインを一つ設けております。  具体的には、そのラインと課長たちが既に鹿島市役所とか、その他の役所まで入って議論をしております。議員おっしゃったように、ただ、その鉄道の維持管理だけではなくて、やはり地域の声とか、地域の振興とかも話せるような形にやっていくべきだと思いますので、役所だけでは議論が多分できないので、民間の方とか、いわゆる事業者の方々とも話ができるような形で意見交換できるような場を直ちにつくり上げたいというふうに思います。  以上でございます。 34 ◎竹内和教君(拍手)登壇=自由民主党の竹内和教であります。  まずは冒頭、熊本地震で亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  では、通告の順に従い、質問させていただきます。  まず第一項目、熊本地震についてであります。  きょうで発生して二カ月であります。今回の熊本地震では、熊本県におきまして四月十四日と十六日に最大震度七を観測し、平成二十八年六月六日現在、死者六十九名、行方不明一名、熊本・大分両県で住家被害十三万三百八十一棟など、甚大な被害が発生したところであります。  体験者によりますと、四月十六日の午前一時二十五分の本震は、一メートルぐらい体が飛び上がった気がした。それから一時間ぐらい揺れがとまらず、家具と家電製品が全部倒れ、食器も全部割れた。生きた心地がしなかったと聞いているところであります。また、県内におきましても十六日に最大震度五強を観測し、重傷四名、軽傷九名の被害が生じたところであります。  県におきましては、引き続き警戒対応を要する中、被災地支援につきましても迅速な初動対応を行い、カウンターパートである熊本県阿蘇郡西原村を中心に、さまざまな支援活動がなされているものと承知しているところであります。  特に、西原村に対する支援につきましては、ピーク時には西原村の職員数と変わらない規模の県職員と県内市町職員が、避難所等の運営支援や住家被害認定調査の支援などに当たったと聞いており、今なお多くの佐賀県チームの職員が西原村で支援活動を行っており、西原村役場の職員の大きな支えになっていると認識しているところであります。  また、西原村の住民の方々からも、週がわりで支援に入る佐賀県チームの職員に対し、誰が来ても同じように親切で心のこもった支援をしていただき、大変ありがたいと感謝されているとも聞いているところであります。  このように、今回の地震による被災地への支援活動につきましては、すばらしい対応がなされているものと認識しております。これは、知事の災害対応への強い思いがあらわれたものと考えているところであります。一方で、支援活動を行う中でいろいろな気づきもあっているのではないかと思うところであります。  佐賀県は地震が少ない県でありますが、熊本県もこれまでは今回のような大きな地震が発生するとは多くの人は思われていなかったところであります。  佐賀県でも、日ごろから災害に対する備えをしっかりとしていく必要がありますが、今回の被災地支援の活動とそこでの気づきは、佐賀県で災害が起きた際の対応やその備えに当然生かされるべきものであり、県民の皆様にも知っておいていただきたいと考えているところであります。  そこで、次の点につきましてお伺いいたします。  まず第一点目は、災害対応への知事の思いについてであります。  今回の被災地支援の基礎となった災害対応への知事の思いについてお伺いいたします。  次に第二点目は、被災地支援の内容についてであります。  知事の災害対応への思いのもと、本県におきまして今回の震災の被災地に対する人的支援、物的支援として具体的にどういったことを行ったのか、総務部長にお伺いいたします。  次に第三点目は、今回の経験を踏まえた今後の災害対応についてであります。  一昨日も四月十九日以来震度五弱の余震があり、なかなか終息しそうにありませんが、今回の地震による被災地への粘り強い支援の活動を通じて得た経験や気づきを、今後どのように佐賀県の災害対応に生かしていくつもりか、知事にお伺いいたします。  次に第二項目、組織改正の効果についてであります。  県ではことし四月に、総合計画二〇一五を踏まえ、今の佐賀県に必要な施策を推進するために組織改正が行われたところであります。  今回の組織改正につきましては、さまざまな交流を活性化させるために、空港課、新幹線・地域交通課、港湾課といった、従来、県土づくり本部にあった課を観光課や国際課、市町支援課と同じくくりとする、従来なかった新しい枠組みによる地域交流部が設置されたところであります。  私自身、これにつきましては最初は少し違和感を感じていたところであります。しかしながら、今回の熊本地震の影響により、佐賀県への観光客が減少していく中、観光課と空港課が連携して、その対策となる事業を六月補正予算として素早く計上するなど、一体となった対応を見ますと、こうした部があったからこそできたのではないかとも考えているところであります。  これらの課が県土整備部にあったのならば、このようにうまくはいかなかったのではないかと考えており、今回の組織改正の効果が発揮されたものと思っているところであります。ある意味で非常にタイムリーであったと言えるものであります。  四月の組織改正からまだ二カ月程度しかたっていないため、組織改正による目に見える効果はまだまだわかりにくいと思いますが、新しい体制での動き出しにつきましてどのように考えているのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に第三項目、玄海原子力発電所についてであります。  まず第一点目は、九州電力の姿勢についてであります。  昨年十一月、九州電力は玄海原子力発電所の敷地内で使用済み燃料の乾式貯蔵施設を設置することも検討している旨を明らかにしたところであります。  このことにつきましては、あくまでも検討段階であり、現時点におきましてもまだ決まったものではないというところでありますが、九州電力は事前に県や関係者に十分な説明もないまま、いきなり国の会議におきまして検討中の内容を報告したと聞いているところであります。  また、昨年十二月には、鹿児島県の川内原子力発電所に設置するとしていた免震重要棟につきましては、国の許可後に計画変更をして耐震構造の施設を建設するということを表明したところであります。  このような九州電力の対応は県民の不信感を招きかねず、九州電力にはもっと誠実で丁寧な対応を行ってもらう必要があると考えるところでありますが、知事はどのように考えているのかお伺いいたします。  次に第二点目は、免震重要棟計画の変更についてであります。  先ほども申し上げましたように、免震重要棟につきましては、九州電力は計画を変更して耐震構造の緊急時対策棟というものを整備するとしており、現在、原子力規制委員会では、この施設につきまして審査が行われていると聞いているところであります。  例えば、病院など常に人が出入りしており、また、常に固定しておくことのできない機器も多い施設などでは、免震構造が十分に機能するということもわかりますが、一般の施設よりも相当厳しい基準で審査される原子力関係の施設におきましては、重要な機器の機能を維持するには、耐震構造のほうが確実ではないかと考えられるところであります。そのため、他の電力会社におきましても、全て耐震構造を採用しているのではないかと思うところであります。  そういった中、県として、九州電力が耐震構造の施設を設置するということにつきまして、どのように考えているのか、知事にお伺いいたします。  次に、第四項目、九州新幹線西九州ルートについてであります。  九州新幹線西九州ルートにつきましては、導入が前提となっているフリーゲージトレインの耐久走行試験におけるふぐあいを受け、ことしの一月から平成三十四年度の開業のあり方が、与党プロジェクトチーム検討委員会におきまして議論され、三月二十九日に関係六者により、武雄温泉駅での対面乗りかえ方式による暫定開業が合意されたところであります。  合意では、暫定的な開業のため、必要となる追加負担を佐賀県に求めないことや、長崎本線の特急本数を一定程度確保すること、肥前山口─武雄温泉間の全線複線化工事を確実に実施することなど、佐賀県からの要請に一定の配慮がなされたとのことでありますが、今後、これらが確実に実施されるよう注視していくとともに、フリーゲージトレインによる全面開業を目指した取り組みが重要になっていくのではないかと考えているところであります。  知事は、今議会の冒頭の演告におきまして、佐賀県にとりまして西九州ルートは、新幹線の一番の整備効果である時間短縮効果がほとんど見込めない中で、並行在来線の取り扱いにつきましても県内を二分するような議論を経て、大きな負担を受け入れてまでも着工の決断がされた理由を、フリーゲージトレインの全線開通によって、関西、中国地方からの誘客などによる経済波及効果を期待したからであると言われておりますが、今回、武雄温泉駅での対面乗りかえ方式による暫定開業は、厳しい状況の中、受け入れたものということを県民の皆様にも知っておいていただきたいと考えているところであります。  そこで、次の点につきましてお伺いいたします。  まず第一点目は、西九州ルート整備の考え方についてであります。  今回、平成三十四年度に乗りかえ方式による暫定開業が決定されましたが、県は西九州ルートの整備につきましてどうあるべきと考えているのか、知事にお伺いいたします。  次に第二点目は、フリーゲージトレインの検証試験の実施状況についてであります。  昨年公表されたフリーゲージトレインのふぐあい対策につきまして、現在、検証試験が実施されていると聞いておりますが、その状況はどうなっており、今後、耐久試験走行の再開までのスケジュールはどうなっているのか、少し違和感がありますが、地域交流部長にお伺いいたします。  次に第三点目は、フリーゲージトレインの開発に対する今後の県の対応についてであります。  フリーゲージトレインの開発は、国の責任におきまして実施されるべきものでありますが、県として国に対して今後どのような対応をしていくつもりか、知事にお伺いいたします。  次に第五項目、九州佐賀国際空港についてであります。  九州佐賀国際空港の昨年度の利用者数は、東京便、成田便、上海便、ソウル便の各路線とも過去最高を更新し、平成二十六年度の五十五万人をさらに上回る六十三万三千人を記録したところであります。  県では昨年九月に、「佐賀県総合計画二〇一五」で目指している「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」の実現に向け、九州佐賀国際空港の将来ビジョンとも言える「佐賀空港がめざす将来像」を策定され、基幹路線である東京便を中心としながら、LCCの拠点空港化が進み、九州におけるゲートウエー空港としての地位を確立していくため、既存路線の増便や新規路線の実現に向けて路線誘致活動や利用促進に取り組まれているところであります。  このような中、このたびの熊本地震により、本県を初めとした九州方面への国内外からの観光客が減少し、ティーウェイ航空のソウル便が一時的に運休するなど、国内線や国際線の利用に大きな影響が出ていると聞いており、その対策に至急取り組む必要があると考えているところであります。  一方で、このような厳しい状況ではありますが、県におきましては、路線・便数の充実を図り、さらなる発展を目指すという動きをとめることなく、「佐賀空港がめざす将来像」の実現に向けてしっかりと取り組んでもらいたいと考えているところであります。  そこで、次の点につきましてお伺いいたします。  まず第一点目は、熊本地震による影響と対策についてであります。  九州佐賀国際空港にどのような影響が出ているのか。また、どのような対策を実施するのか、地域交流部長にお伺いいたします。  次に第二点目は、新たな国際線の誘致についてであります。  「佐賀空港がめざす将来像」におきまして、国際線につきましては「九州佐賀国際空港とアジア地域のハブ空港との路線を強化します」とされております。熊本地震の影響により当面は厳しい状況が続くとは思いますが、ぜひ新たな国際線の誘致を実現していただきたいと考えているところであります。  県は、新たな国際線の誘致にどのように取り組んでいくのか。また、今後どのように取り組んでいくのか、地域交流部長にお伺いいたします。  次に第六項目、伊万里港の振興についてであります。  伊万里港は、伊万里湾の湾奥部に位置し、周囲を東松浦、北松浦の両半島及び福島に囲まれる天然の良港であり、昭和二十六年に重要港湾の指定を受けているところであります。  昭和の初期から三十年代にかけては石炭の積み出しが盛んに行われ、港湾施設の整備も積極的に行われてきており、石炭産業が衰退した後は臨海工業開発の拠点として位置づけられ、臨海工業用地の造成、公共埠頭の整備が進められてきました。  七ツ島地区のコンテナターミナルにおきましては、これまでに水深十三メートル岸壁とガントリークレーンが整備されており、この四月にはトランスファークレーンが供用を開始しているところであります。  また、昨年十月からは、既に就航している中国や韓国との港を結ぶ国際コンテナ定期航路の四航路とは別に、神戸港とを結ぶ新規の国際フィーダー航路が開設されており、また、六月に武雄工業団地に進出した企業も操業を開始することから、今後の輸出増も期待されるところであります。  伊万里港周辺を見ますと、七ツ島工業団地や伊万里団地など大規模な臨海工業団地が形成され、造船やIT関連、木材、水産加工業など、伊万里港を中心に地域の産業が発展してきており、こうした中、埋め立てを進めている伊万里港の浦ノ崎地区につきましては、伊万里港の振興に大きな力を発揮することが可能な土地と認識しているところであります。  このため、埋立地を早期に活用することは、伊万里港の発展はもとより県の発展にとって極めて重要であると考えており、大きな期待を寄せているところであります。  そこで、次の点につきましてお伺いいたします。  まず第一点目は、コンテナ貨物の取扱状況についてであります。  平成二十六年のコンテナ貨物取扱量は過去最高を記録しておりますが、平成二十七年のコンテナ貨物取扱量はどのようになっているのか、地域交流部長にお伺いいたします。  次に第二点目は、コンテナ貨物増加のための今後の取り組みについてであります。  今後、コンテナ貨物取扱量をふやすために、どのように取り組んでいくのか、地域交流部長にお伺いいたします。  次に第三点目は、浦ノ崎地区の埋め立て促進についてであります。  今後の伊万里港の振興のために、浦ノ崎地区の埋め立て促進が必要と考えておりますが、どのように整備促進を図っていくのか、地域交流部長にお伺いいたします。
     次に第四点目は、浦ノ崎地区の土地利用計画についてであります。  伊万里港の振興のために、早期に土地利用計画を変更することが企業の誘致につながるものと考えているところでありますが、今後どのように取り組んでいくのか、地域交流部長にお伺いいたします。  終わります。(拍手) 35 ◎山口知事 登壇=竹内和教議員の御質問にお答えいたします。  まず、災害対応への私の思いについてのお尋ねがございました。  私も、これまでもさまざまな災害現場を経験してまいりましたけれども、災害対応に百点満点はなく、その時点その時点で置かれている状況を迅速に把握して対応していくというオペレーションが大事だと思っています。  そして、支援をする場合につきましては、支援する側みずからが現場の状況やニーズを把握しながら、現場の情報をもとに自己完結型で支援することが基本だというふうに思っています。  今回の熊本地震の対応で悩ましかったのは、県内におきましても震度五強を観測しておりましたので、引き続き警戒対応を必要としていたことであります。そのような中で、熊本、大分の状況といったものも伝わる中で、どのような支援を行うか難しい判断が求められましたが、本震発生当日の午前十時の段階で、いち早く熊本県庁及び大分県庁にリエゾン派遣を決定して、オンデマンド型で対応するということにしたわけであります。  このときに、正直申しまして一つ悩んだところもあります。私の決断で二人ずつ送ったわけですけれども、熊本県庁はきっときついだろうから、もっと多くの職員を一気に送り込んで、何とか支えたいなという思いもあったところではあったんですが、今回のような災害対応の経験が少ない本県が、県内の警戒対応を行いながら、どこまで自己完結型で支援活動を行うことができるんだろうかと、そして、うちの職員も熟度が伴った職員ばかりではないので、働いてもらえるだろうかとかいったさまざまな思いがある中で、スタートダッシュはかけたものの、そういった思いの中での対応をさせていただきました。今回の経験を今後に生かしていきたいというふうに思っているところであります。  そして、災害対応の基本は、まずは命だと思っています。特に、最初の七十二時間は人命救助が全てであります。それに対して全力をかける。  そして、物資が二番目ですが、これについても本震発生の当日に県の備蓄物資をいち早く熊本県に送ったところであります。  そして、生活の面に関しても、ライフラインを含めまして、カウンターパートが西原村に決定したことを受けて、直ちにリエゾンを派遣いたしました。そして、避難所運営等の支援に充てるための県職員派遣を開始して、そして市町の皆さん方も派遣したいという声が多く寄せられたこともあって、GM21で、オール佐賀でやろうということで支援を呼びかけて、そして、市町の首長さんからは、受け入れのほうもしっかりみんなで、オール佐賀でやっていこうという声が出たものですから、派遣も支援もしっかりオール佐賀でやっていこうという体制ができました。  そういったことで、先ほど私が若干逡巡したという場面もあったわけですけれども、やはり状況に応じて臨機応変に対応するということが大事なものですから、そういう現場判断が求められるところに、その後、管理職を含めて積極的に職員派遣をしております。これが引き続き、本県の災害対応力の向上に努めることにつながると思いますし、心のこもった被災地支援につきましても、さらに頑張ってまいりたいというふうに思っています。  続きまして、今回の経験を踏まえた今後の災害対応についてでございますけれども、まずは、今回そういったことで多くの職員が熊本、大分災害の支援というものに関係しております。管理職も多く参加しておりますので、そういった派遣職員の思いというものをしっかりと聴取して、そういったところを、みんなの力によって防災計画などの修正といったものに結びついていくということをやらなければいけない。  それから、現場で、行政職員として決まり切ったことではなくて、何が起こっているのかということに向かい合いながら対応していくという能力というのは、これはなかなか難しゅうございます。しかし、それをうちの職員はやってきたものでありますから、そういったことをこれからどういうふうにシステムとして育成していくようなものをつくれるのかといったものにも取り組んでまいりたいというふうに思います。  そして、佐賀県自体が防災対策の拠点として、これはハードだけではなくてソフトも含めて、しっかりと核となるようなことに乗り出していくということもやっていきたいというふうに思っています。  こういった点が我々の今後の対応なんですが、さらに加えまして、特に県民の皆さん方に改めてお願いしていることがあります。これは三点ございますけれども、特に耐震の問題が一点目でありまして、多くの県民の皆さんが地震に対して恐怖感や意識を持たれたというふうに大分連絡もいただきました。御自宅の耐震化というものもしっかりと考えていただきたいと思っています。  それから、今回の地震で佐賀県内のスーパーでもほとんど飲料水がない状況でありました。改めて地震が起きてからということではなくて、そういった食料や飲料水などの備蓄というものをこれを機にしっかり考えていただきたいというのが二点目であります。  三点目でありますけれども、改めて、地震が発生したときにどういう行動をとるべきなのか考える契機にしていただきたいと思っています。昨年、本県で初めて携帯電話で自動起動でメールを送らせていただいたんですが、それも役立ったという声も大分今回お寄せいただいておりますので、今回さらにどういう対応をすべきなのかといったことについてもみんなで考えていただきたいというふうに思います。  今後、具体的な対応について、さらに担当局長から補足答弁をさせていただきたいと思います。  続きまして、組織改正の効果についてのお尋ねがございました。  議員が御指摘のとおり、例えば、地域交流部には観光部門と交通部門の両者を置いたわけでありまして、地域交流部という部と文化・スポーツ交流局ということで、両方とも「交流」という文字が入って、両方が連携してやるというシステムをつくっています。  それはあくまでも人の流れをつくるというソフトを大事にしていこうという発想から物事を組み立てていくべきではないのかということでありまして、そうした中で、例えば、観光課と空港課がこれまで以上に連携することができているというふうにも思っておりますし、今回、空港課が構築した人脈を、例えば観光課が使うとか、そういったことも起きておりますし、観光復興キャンペーン事業の予算編成も両者が連携してなされた。そして、空港利用者のレンタカー利用の支援の対象につきましても、県内宿泊の場合に助成内容を拡大するといった連携が取り組まれております。  そして、港湾についても言えると思っています。これまでは港湾はハードの部署にあったわけですけれども、そうではなくて、あくまでも唐津港にしても、伊万里港にしても、ソフトが積まれて、そこからハードができていくということが大事だと思っています。  そういったことからも空港課のノウハウを活用していくということも考えましたし、私自身、空港のPRに諸外国に行ったときに、あれ、港湾は行かんとかなということも思ったわけですから、一緒に両方ともセットでPRをしてトップセールスをしようというふうな動きだとか、さまざまな動きもあります。  そして、今回の熊本地震の対応についても総務部が頑張りました。これは職員の派遣、そして予算の対応といったものが、これまで以上にリーダーシップをとってやれるような状況になっております。ロジ担も含めて迅速に行うことができたと思います。  ほかの例でいいますと、これは機能というよりも、今まで農林水産部は生産振興部という名前でしたが、今回、農林水産部と明確に第一次産業をやるというふうにはっきりしたということで非常にモチベーションも上がっています。そして、何よりも組織がわかりやすくなりましたので、県民の皆さん方からの御意見も賜りやすくなったというふうに思います。  いずれにしても、まだ始めたばかりで絶対的なものとは思いません。どのような組織にも一長一短がありますから、それぞれの課題に的確に対応していきたいと思いますけれども、その状況、状況に応じまして柔軟な組織運営を行っていきたいと考えているところであります。  続きまして、九州電力の姿勢についてお尋ねがございました。  使用済み燃料貯蔵対策に係る九州電力の方針については、議員御指摘のとおり、検討中のものとはいえ、十分な説明もないまま、国の会議の場で報告されたところであります。  安全性に関することにつきましては信頼関係が何よりも大事であることから、九州電力にはそういうことがないようにということを強く申し入れを行ったところであります。  一方、免震重要棟計画の変更につきましては、川内原子力発電所に続きまして、玄海原子力発電所でも変更なされたところでありますけれども、このことにつきましては、先般、九州電力から説明があり、その中で関係者や県民に説明を続けていく、県民の信頼を回復できるように対応するという旨の発言があったと副島副知事から報告を受けたところであります。  九州電力におかれましては、今回の説明にとどまらず、原子力発電所の安全・安心に関することにつきましては、県及び関係者へ丁寧に説明する姿勢を今後もとり続け、信頼関係の構築に努めていただきたいものと考えております。  続きまして、免震重要棟計画の変更についてお尋ねがございました。  免震構造か、耐震構造かということにつきましては、原子力規制委員会の会合で田中委員長が、基本的に私どもの要求は性能要求、免震か、耐震かというのでも、基本的には想定される基準地震動に耐えられるかどうかというところがその要求になるといった旨の発言をなされているところであります。  玄海原発の緊急時対策棟についても、まさに現在そうした観点から審査が行われているところでありまして、その判断は技術的な問題でありまして、原子力規制委員会が規制基準に基づく厳格な審査を行っているものをしっかり見守っていきたいと思っています。こうした審査状況をしっかり注視していくことだというふうに思っております。  九州電力におきましては、先ほど申し上げましたように、この免震重要棟計画につきましてもさまざまな信頼、説明責任を果たしたかどうかといった議論もありました、説明責任を果たすといったものの積み重ねが信頼感になっていくということについて再度認識していただきたいと考えております。  続きまして、九州新幹線西九州ルート整備の考え方についてであります。  武雄温泉─長崎間の新線区間が平成三十四年度に完成することが見込まれる一方で、開発のおくれによってフリーゲージトレインの導入が開業に間に合わないという状況になりましたけれども、確認したこととして、一つ、暫定的な開業のために必要となる追加負担を本県に求めないこと。長崎本線の特急本数を一定程度確保すること。そして三つ目に、肥前山口─武雄温泉間の全線複線化工事を確実に実施することということについて確認ができたことから、武雄温泉駅での対面乗りかえ方式による暫定開業を受け入れるという判断をしたところであります。  特にこの三つ目が、肥前山口─武雄温泉間の全線複線化工事というのは最後に苦労したところでありまして、フリーゲージトレイン導入とセットだよという議論もあったわけでありますけども、我々にしてみると一つの大きなメリットでもありますし、今後の将来につながることでもありますので、これをしっかりと条件として頑張って勝ち取ることができたというところであります。  しかしながら、竹内議員からお話ありましたように、本県といたしましては、あくまでも山陽新幹線と博多駅で直結して、関西、中国方面から誘客するということ、その経済波及効果が期待できるフリーゲージトレインによる全線開業というもので合意したわけでありまして、西九州ルートの整備、フリーゲージトレインによるものだということが何ら変わることはありません。  国が示した工程表において、平成三十六年度にはフリーゲージトレインの量産車が導入される予定とはなっておりまして、県といたしましては国の責任においてしっかりと技術開発に取り組んでいただく必要があると考えております。引き続き、フリーゲージトレインによる全線開業に向けて国に対して働きかけていきたいと考えております。  最後に、フリーゲージトレインの開発に対する今後の県の対応についてお尋ねがございました。  フリーゲージトレインの開発につきましては、まずは現在実施されております台車回転試験による検証を着実に進めていただくことが重要だと思います。  県といたしましては、引き続き国に対し、技術開発の状況について、節目、節目での情報提供を求めていくとともに、安全が確立されたフリーゲージトレインによる西九州ルートの全線開業の実現に向けて、国の責任においてしっかりと技術開発に取り組んでいただくよう求めていきたいと考えております。  私からは以上でございます。 36 ◎大田総務部長 登壇=私からは、熊本地震についての御質問のうち、被災地支援の具体的内容についてお答えいたします。  四月十六日土曜日未明に発生いたしました熊本地震の被災地支援につきましては、知事の指示を受け、本震発生当日の午前十時の段階で熊本県、大分県にリエゾン派遣を決定いたしました。  現場の状況やニーズを把握するとともに、水、食料、毛布などの県の備蓄物資をいち早く熊本へ送るなど、迅速な対応を行ったところでございます。  また、こうした対応と前後いたしまして、佐賀県からも被災者の捜索、救急、救助に当たる緊急消防援助隊、それから救急医療や災害時医療支援に当たる災害派遣医療チーム、DMATと申しますが、それを派遣しました。それから、災害派遣精神医療チーム、DPATと申しますが、それを派遣いたしました。  次に、二日後、四月十八日には、カウンターパートとして熊本県西原村に決定いたしましたことから、直ちに西原村へリエゾンを二名派遣いたしました。翌日には避難所運営等の支援に充てるため、第一陣として県職員十二名を派遣したところでございます。  また、翌週の四月二十五日からは、市町の協力を得て、県及び市町で構成するオール佐賀県の西原村支援チームとして、避難所の運営や住家被害認定調査などの支援を行ってきたところでございます。  西原村につきましては、ピーク時には一日当たり最大で約六十名の佐賀県チームの職員が支援活動に従事したところでございます。  また現在では、避難所運営支援から住家被害調査等の行政事務支援へ軸足を移行するなど、現地のニーズや状況変化を踏まえて対応しているところでございます。  次に、西原村以外の状況でございます。  西原村以外につきましては、熊本県の要請に基づきまして、まずは熊本県災害対策本部へ県職員を派遣し、生活再建支援に関する電話相談、それから、被災市町からの支援物資要望対応などの業務を行ったところでございます。そのほかにも保健所で活動いたします医師や保健師チーム、それから被災者の健康相談に当たります保健師や栄養士のチーム、それから愛護動物救護に当たる獣医師のチームなどを派遣したところでございます。  次に、土木建築関係の職員につきましては、被災宅地危険度判定、それから被災建築物応急危険度判定などの業務に当たらせたところでございます。  さらに、六月に入ってからは、熊本県に建築技師一名、それから西原村に土木技師二名を派遣し、公共土木施設等の災害復旧等の業務に当たらせているところでございます。  こうした人的支援の結果、六月十日までの累計で、県、市町職員延べ四千四十三名を派遣しているところでございます。  このほかに物的支援といたしまして、現地のニーズを踏まえまして、例えば、アレルギー対応粉ミルク、それからブルーシート、レトルト食品などの必要な支援物資を送ったところでございます。  今後は、災害復旧や復興などのための行政事務が増大するところでございます。中長期の職員派遣を要望されているところでございますので、九州各県、県内市町と連携しながら、適切に対応していきたいと思っております。  いずれにいたしましても、今後とも被災地に寄り添って必要な支援活動を行ってまいります。  私からは以上でございます。 37 ◎坂本地域交流部長 登壇=私からは、九州新幹線西九州ルートについて一点、九州佐賀国際空港について二点、伊万里港の振興については四点答弁させていただきます。  まず、西九州ルートについてですが、フリーゲージトレインの検証試験の実施状況についてでございます。  国によれば、フリーゲージトレインのふぐあい対策がなされた部品などの製作、あるいは台車の組み立てが完了いたしまして、五月十八日から台車回転試験が開始されております。おおむね八月末ごろまでの予定で実施されているということでございます。  この台車回転試験におきましては、所定の速度及び走行距離での試験を行った後、試験台車を分解、調査し、ふぐあい対策の改良効果の確認や台車の耐久性について予測、評価などを行うことになっております。  具体的には、台車回転試験は、五月十八日から時速百三十キロで開始され、その後段階的に速度を上げられ、六月二日には開発目標の時速二百七十キロで試験が開始されていると聞いております。  この検証試験結果等を踏まえまして、秋ごろをめどに、軌間可変技術評価委員会が開催される予定でございます。試験結果等から、耐久性があることが評価委員会に認められた上で、試験車両による耐久走行試験の再開に向けた準備が進められるというふうに聞いております。  次に、九州佐賀国際空港についてでございます。  まず、熊本地震による影響と対策についてでございます。  九州佐賀国際空港の四月、五月の二カ月間の空港利用者数を前年同期と比較しますと、残念ながら約七千人が減少しております。これは国内線、国際線とも団体旅行の催行中止が大きな要因で、キャンセルなどが大きく影響いたしております。航空会社や大手旅行会社からの話を聞きますと、まだ当面、厳しい状況が続くのではないかというふうに聞いております。  これらの対策といたしまして、これまでに中国のメディアや韓国の大手旅行会社を県内に招聘し、県内観光地の正確な情報発信を行う、さらには首都圏の大手旅行会社に対しまして、県内の宿泊や立ち寄り等を含みます旅行商品造成の積極的な働きかけを行ってきたところでございます。  さらに、国内線を利用して県内宿泊をしていただくお客様を対象といたしました四十八時間千円レンタカーキャンペーンや、送客実績に応じた旅行会社への助成の増額により、旅行需要の回復にしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。  加えまして、国際線につきましては、インバウンドだけではなく、やはり双方向の利用促進が必要でございます。そのため、アウトバウンドとして上海やソウルへの四人以上のグループ旅行に対する補助や、国際線のモニターツアー参加者によるソーシャルネットワークサービスでの情報発信を行うことといたしております。  いずれにしても、県内の旅行観光客や宿泊客の回復に向けた観光対策としっかり連携をとりながら、九州佐賀国際空港の利用促進に取り組んでまいりたいと思います。  次に、新たな国際線の誘致についてでございます。  「佐賀空港がめざす将来像」の中で、国際線につきましては、佐賀県の国際戦略において重要なターゲットエリアとして位置づけられている東アジアの都市との新規路線の誘致を目指すことといたしております。現在、日本への路線拡大を図っている台湾や香港のLCCへの誘致活動を重点的に行っているところでございます。  私どもがPRするに当たりましては、九州佐賀国際空港が九州各地の観光地へのアクセスにすぐれていること、既に就航している国際線の利用者の方々が、北部九州地域を中心に幅広い範囲に及んでいること、佐賀空港の気象条件が安定して就航率が高いこと、県営空港として柔軟な対応が可能である空港であることなどを強くアピールしているところでございます。  国際線の誘致は、九州はもとより、全国の空港との厳しい競争となっております。県といたしましては、タイミングを逸することがないよう、今後とも他空港やLCCを初めとする航空会社の動向を常に注視しながら、航空会社に対する営業活動を積極的かつ継続的に実施し、引き続き新規路線の誘致に全力を挙げてまいりたいと思っております。  三番目に、伊万里港の振興についてでございます。  まず一点目、コンテナ貨物の取扱状況についてでございます。  平成二十七年のコンテナ取扱量は、二十フィートコンテナに換算いたしますと、輸入で二万三千七百八十五本、輸出で六千七百三十一本、計の三万五百十六本となっております。ここ数年は、おおむね三万本前後で推移しておりまして、過去三番目に多い取扱量でございました。ただ、過去最高は、その前年の平成二十六年でございますが、平成二十六年の三万一千六百五十一本と比較しますと、三・六%の減少となっております。  平成二十六年と比較してみますと、輸出については約千八百本ふえたものの、輸入につきましては円安による全体的な貨物量の減少、特に取り扱いの多い家具類が販売価格の上昇による消費減などの影響によりまして、二千九百本程度減少して、トータルとして三・六%減少しております。  次に、コンテナ貨物増加のための今後の取り組みについてでございます。  これまでも県、伊万里市、そして地元港湾関係企業で構成いたします伊万里港振興会におきまして、官民一体となって新規荷主獲得のための企業訪問、航路誘致のための船社訪問などなど、また、海外ポートセールスなどにも取り組んできたところであります。  伊万里港利用促進のため、今年度企業誘致部門に港湾課との兼務職員を配置し、企業誘致部門との連携を一層強化することとして、ポートセールスにも有効に活用していきたいと思っております。  また、平成二十五年度から始めました輸出に対する助成と、本年度から新たに始めたリーファーコンテナ──冷凍コンテナのことでございますが──に対する助成、さらには、昨年十月から開設されました国際フィーダー航路など、伊万里港の優位性についてしっかりPRすることにより、集貨促進につなげていきたいというふうに考えております。  三番目でございます。浦ノ崎地区の埋立促進についてでございます。  浦ノ崎地区の埋立促進に当たりましては、より多くの土砂を受け入れる必要があることから、受け入れ条件の緩和なども行っております。例えば、大きな岩塊が混入する土砂にしても受け入れを可能とするなど、そういうふうな緩和を行うとか、あるいは国や県の現地機関などにも土砂搬入の依頼を積極的に行ってきているところでございます。県内の公共事業から発生する土砂の受け入れはもちろんでございますが、国や長崎県からも土砂を受け入れるようにしておりまして、今年度は現時点において約十二万立方メートルの受け入れを予定いたしております。  今後も引き続き公共事業から発生いたします土砂の収集に努めまして、県内外にかかわらず、積極的に受け入れを行い、埋め立ての促進を図っていきたいというふうに考えております。  最後に、浦ノ崎地区の土地利用計画についてでございます。  現在の浦ノ崎地区の埋立地区は、廃棄物処理用地でございます。これまで港湾のしゅんせつ土の埋め立てを行ってきたところでございます。現在、一工区の三十ヘクタールにつきましては、一見して整備が完了したように見えますが、今後三メートル程度の地盤沈下が見込まれておりまして、土地利用を図るためには、さらに数十万立方メートルの土砂が必要になってまいります。二工区、三工区の五十二ヘクタールについても、まだ相当量の埋め立て土砂が必要な状況でございます。  このように、まだ埋め立てが終了していない状況でございますので、土地利用計画の変更には至っておりません。まずは公共事業等で発生いたします土砂の積極的な受け入れ等を行い、埋め立ての促進を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 38 ◎大川内危機管理・報道局長 登壇=私からは、熊本地震の経験を踏まえた今後の災害対応について、補足をさせていただきます。  今回、西原村に派遣された職員からは、他の自治体からの支援を円滑に受け入れるために必要な体制やマニュアルの必要性、あるいは罹災証明の発行を初めといたします膨大な業務実施体制の構築の必要性など、いろいろな気づきが上がってきております。  県といたしましては、いつ県内で同じような災害が発生するかわからない、そういう危機感を持って、こうした職員の気づきや、今後行われます国などにおけます、より詳細な検証の結果などをもとに、県の地域防災計画を点検いたしまして、必要な見直しを行っていくこととしております。  また、今回派遣いたしました職員を名簿化いたしまして、災害発生時にその経験や得られたノウハウを活用してまいります。  さらに、今回の熊本地震におきましては、県職員だけでなく、市町の職員も派遣されております。それぞれの目線でいろいろな気づきがあったというふうに思っております。
     現場での災害対応は市町が中心となります。市町におきましては、今回派遣された職員の経験や気づきを生かして、より具体的な対応マニュアルの作成や体制の整備などを進めていただきたいというふうに思っております。  県といたしましても、情報の共有や研修会などを通じまして、市町の取り組みをしっかりと支援してまいります。  佐賀県は地震が少なく、県民の意識も高くないことから、地震はいつどこで発生するかわからないという意識啓発を含め、しっかりと災害対策に取り組んでまいります。  私からは以上です。 39 ◎岡口重文君(拍手)登壇=一日目、五番バッターでございまして、皆様方お疲れのところと思いますけれども、もうしばらくおつき合いをよろしくお願い申し上げます。  質問に入ります前に、このたびの熊本地震で犠牲になられました方々に謹んで御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆さん方にも心からお見舞いを申し上げます。  それでは、早速ではございますが、通告に従いまして質問に入らせていただきます。  まず、一項目めでございますけれども、熊本地震を踏まえた本県の災害対応についてという形でございますが、これも少し竹内議員と重なることもあるかと思いますけれども、私なりに質問をさせていただきたいと思います。  一連の熊本地震により、熊本県上益城郡益城町及び阿蘇郡西原村において、震度七という非常に強い揺れを観測し、多くの人的被害や物的被害がもたらされ、本日で二カ月を迎えましたけれども、今なお余震も続いております。多くの住民が不自由な避難生活を余儀なくされている状況であります。  この地震によりまして、県内でも佐賀市、神埼市、上峰町で震度五強です。小城市、みやき町、白石町では震度五弱の強い揺れを観測し、幸いにも大きな被害こそなかったものの、県民は改めて地震の恐ろしさや防災、減災の大切さを実感されたのではないでしょうか。  知事は、今議会の提案事項の説明におきまして、「県といたしましても、一連の対応を通して、さまざまな気づき、経験、教訓を得ることができましたので、今後の防災対策強化に、総合的にしっかり取り組んでまいります。」と述べられました。  また先日は、政府の地震調査委員会が、今後三十年以内に震度六弱以上の揺れに見舞われる確率の分布を示した二〇一六年版の全国地震動予測地図も公表され、大分市は五五%、宮崎市は四三%と、巨大地震の影響を受ける確率も上がっているようであります。日本全国どこでも地震は起こり得ると再認識したところでもあります。  そこで、今回の熊本地震の対応を踏まえて、現時点で県として得られた教訓や課題とは具体的にどのようなものなのか。また、それらの教訓や課題に対して、今後どのように対応力強化、向上施策を展開されるのかお尋ねをいたします。  次に、二項目めに入りますが、肥前窯業圏の日本遺産認定について伺います。  日本遺産認定制度は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、我が国の文化財や伝統文化を通じた地域の活性化を図るため、歴史的な経緯や地域の風土に根差した世代を超えて受け継がれている伝承、風習などを踏まえた我が国の文化、伝統を語るストーリーを文化庁が日本遺産として認定をし、国内外にその魅力を発信する有意義な制度であると思います。  有田焼創業四百年を迎えた本年、「肥前窯業圏での陶磁文化」が日本遺産に認定されたことは非常に喜ばしいことでもあります。今回の認定によって肥前窯業圏各地が盛り上がっており、認定直後に各陶器市を中心に行った事業は非常に好評であったと聞いております。  また、今後の事業を通じて肥前窯業圏全体が一体となって取り組むことで、地域の活性化や国内外に誇る肥前陶磁文化を核とする貴重な文化資源を後世に継承するための絶好の機会であるとも思います。  さらに、今回の認定対象が佐賀、長崎の八市町に及んでおりまして、両県が肥前窯業圏という一つのテーマで連携をして事業に取り組むことは画期的なことであり、これまで地域ごとに点で認知されていたブランドが、それぞれの特徴を生かしながら肥前窯業圏という面として認知されることで、さらなる人の流れにつながるものと、今後の事業展開について大いに期待をするところであります。  そこで、次の点について伺いたいと思いますが、まず日本遺産認定の意義についてであります。  今回の認定は、有田焼創業四百年事業で高めた有田焼を中心とする肥前陶磁文化のブランド力や認知度を、エリアを超えてさらに拡大していく新たな一歩となる絶好の機会だと考えます。県ではその意義についてどのように考えているのかお尋ねをいたします。  次に、今後の事業展開についてでありますけれども、今後、日本遺産としての肥前窯業圏を活用して、地域を活性化していくことが大切だと思いますが、どのように事業を展開していくのかお尋ねをいたします。  三点目に、地域の意見の反映についてであります。  事業を実施するに当たっては、各地域の現状や課題を十分に認識した上で実施していくことが必要だと思います。そのためには、地域が主体となって取り組むことが重要と考えますが、地域の意見はどのように取り入れていくのか、絵に描いた餅にならないように、一過性の取り組みにならないように、施策展開はどのようにするのかお尋ねをいたします。  次に三項目めでございますが、農業分野の試験研究について伺います。  農業を取り巻く情勢は、国内外にわたる産地間競争の激化や、担い手の高齢化や減少が進展する中、米や果物など多くの農産物価格が低迷する一方で、生産資材価格は高どまりするなど大変厳しい経営状況が続いており、先行きますます不安な状況であります。  こうした状況を打破するためには、生産性の向上や経営力の強化などはもとよりでありますけれども、これらの取り組みをさらに改良させる手段となる新品種や新技術の開発が果たす役割も大きいと考えます。  とりわけ、県独自に開発をしたそれらは、他産地との差別化を図る上でも重要と考えます。  県では現在、農業試験研究センター、上場営農センター、果樹試験場、茶業試験場、畜産試験場の計五カ所の農業関係の試験研究機関において、新品種や新技術の開発等に鋭意取り組まれております。  私は、そこで開発される新品種や新技術は、生産現場が直面するさまざまな課題の解決に大いに役立つものになってほしいし、また、今は顕在化していなくても、将来起こり得る課題を想定しながら、先を見通して対処できるようにしておくことも必要と考えております。  以前、聞くところによりますと、簡単なことではございませんけれども、果樹の新品種開発は県機関のみならず、国の研究機関とともに組んで開発することが大事でありますし、園芸新品種開発には民間の種苗会社と組むことが大事だとも聞いたことがあります。  そこで県では、農業分野の試験研究について、今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。         ○ 時 間 延 長 40 ◎議長(中倉政義君) 時間を延長します。 41 ◎岡口重文君(続)=四項目めでございますが、伊万里港の整備促進について伺います。  港湾は、製造品の輸出や、食料、資源の輸入など、我が国の輸出入貨物量の九九・七%を取り扱っており、国民生活と産業活動を支える重要な社会資本であります。  伊万里港においては、平成二十二年八月に重点港湾に指定され、平成二十三年十一月には日本海側拠点港(国際海上コンテナ)に国により選定されており、東アジアの玄関口として、県のみならず北部九州での役割が期待されていますが、いまだその効果が形になっては見えていない状況にあると考えます。  ことし四月には、七ツ島地区のコンテナヤードにおいて、トランスファークレーンが導入され、水深十三メートル岸壁とガントリークレーンとあわせて少しは使い勝手のよい港になりつつありますが、臨港道路の整備や施設整備などは残っております。  特に、伊万里港の浦ノ崎地区は、船舶が接岸できる大水深岸壁を備えた臨海型工業用地の造成が可能で、将来の発展が大きく期待されており、このことは日本海側拠点港に選定されるに当たっても評価されたと聞いております。  県においては、東アジア地域に最も近いという地理的な好条件を生かして、県の産業経済のさらなる発展を図るべく、港湾整備をよりスピード感を持って確実に取り組む必要があると考えます。  このことにつきましては、平成二十五年十一月県議会で一般質問をしまして、前知事からはそれなりの答弁をいただきましたが、なかなか進展を見ませんので今回に及んでおります。  先人の言葉に、政治というものは先手に回らなければいけない、後始末ばかり、困ったからやるというのは政治ではないということも言われております。  今後、伊万里港の整備を県勢浮揚の施策としてどのように進めていかれようとしているのか、知事の所見を伺って一般質問を終わります。(拍手) 42 ◎山口知事 登壇=岡口重文議員の御質問にお答えいたします。  私のほうには、伊万里港の整備促進についてお尋ねがございました。  外貨コンテナの取扱量を考えてみますと、十年前には伊万里の上にあります志布志港とほぼ競っていたわけでありますけれども、今は大分水をあけられてしまいました。伊万里港は輸入の利用がほとんどでありまして、特に輸入家具がトップです。そういった意味では、大川を含めて福岡県にも利用いただいているというところではあるんですけれども、我々佐賀県自体がしっかりと頑張らんばいかぬというふうに思っています。特に県内企業とも連携して、輸出も含めて頑張っていきたいというふうに思っています。  その中で、伊万里港は東アジアの玄関口となる重要港湾でありますが、平成二十九年度には西九州自動車道が伊万里東インターチェンジまで開通予定でありまして、さらに伊万里中インターチェンジまで整備を進めるということで今進捗しているところであります。  このように、伊万里港周辺の道路網の整備が進みまして、さらに物流拠点としてのポテンシャルは高まっていくものと期待しています。  そして、来年は貿易港開港五十周年、そして、コンテナ港開港二十周年の節目の年であるために、今から一気呵成に反転攻勢で頑張るように、県と市が一緒に盛り上げていくように担当部署へ指示したところであります。  伊万里港の整備につきましては、これまで久原地区の岸壁や七ツ島地区のコンテナターミナルの整備など、国の直轄事業や県事業での整備を進めてまいりました。今後も整備予算確保のために、国への政策提案や事業調整を積極的に行っていきたいと思います。  そして、先ほども答弁申し上げましたが、本年四月の組織再編で港湾課を新たに地域交流部に移しまして、整備とあわせて利活用のさらなる推進に力を入れることとしております。  先般、武雄市に進出した大同メタル佐賀につきましても、企業誘致部門と連携して伊万里港とのアクセスの優位性について積極的にポートセールスを行ったところ、伊万里港を利用していただけるようになったところであります。  浦ノ崎埋立地は、面積が広く水深も深いなど、その活用については可能性が高い土地だというふうに認識しています。  整備の完了までには、より多くの土砂が必要であります。現在、公共残土の積極的な受け入れを行っています。引き続き、関係機関との調整や国にも相談をしながら進めてまいりたいと思っています。  伊万里市は、大川内山、伊万里牛、伊万里ナシなど可能性が高い本物がそろっていると思います。伊万里港の振興のみならず、伊万里市全体の振興を図るためにも力を入れるべきタイミングだと考えておりますので、官民一体となって積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 43 ◎古賀農林水産部長 登壇=私からは、農業分野の試験研究についてお答えをいたします。  本県の農業振興を図っていくためには、生産現場が抱える課題の解決はもちろんのこと、農業所得の向上につながる新品種や新技術の開発を行っていくことが大変重要というふうに認識をしているところでございます。  これまで県の農業分野の試験研究機関におきましては、高品質化や低コスト化、省力化などが可能となるような新品種や新技術の開発に取り組んできたところでございます。  具体的に申し上げますと、米の食味ランキングで六年連続で特Aの最高評価を受けた「さがびより」でありますとか、県外での生産も許諾をいたしまして、現在、全国第二位の品種別作付面積となっております「さがほのか」などの新品種を作出してきたところでございます。  また、全国一位の単位当たり収量を可能としたアスパラガスの長期収穫栽培技術、あるいは高品質なミカンの安定生産を可能とする根域制限栽培などの新技術の開発などに取り組み、一定の成果を上げてきているというふうに考えております。  こうした取り組みに加えまして、将来を見据えて先んじて取り組むべき研究開発にも力を入れていくこととしておりまして、例えば、施設内の炭酸ガス濃度や温度、水などの環境を総合的に制御し、イチゴなどの収量や品質を飛躍的に向上させる統合環境制御技術、あるいは「佐賀牛」の肉質、肉量を落とすことなく出荷までの期間を短縮する短期肥育技術、こういった技術開発にも積極的に取り組んでいるところでございます。  さらに今後は、新たにITやロボット技術など異分野との連携も必要となると考えております。議員からも、品種開発においてもいろんな民間、あるいは大学、国の機関、こういったところとも組んでやっていく必要もあるというようなお話もいただきました。こうした大学や企業などとの産学官連携による研究開発にもこれまで以上に力を注いでいきたいと考えております。  一つの例として、昨年八月に県と佐賀大学農学部、IT関連企業との三者によるIT農業の連携協定を締結したところでございます。現在、ドローンなどを飛ばして圃場の測定とか、こういったさまざまな取り組みを始めているところでございます。  また、研究成果の情報発信力と研究員の士気を高めていくことも重要でございますことから、本県の農林水産業と窯工業系の試験研究機関の長と知事が一堂に会します「SAGAラボ10+G」という取り組みを今年度から新たに開催をし、互いの研究成果等の活用方策や連携強化などについて意見交換を行っているところでございます。  今後とも、生産現場の期待に応え、国内外の産地間競争に打ち勝つことができるよう、新品種や新技術の開発にこれまで以上に積極的に取り組んでまいります。  以上、お答えいたします。 44 ◎大川内危機管理・報道局長 登壇=私からは、熊本地震を踏まえた本県の災害対応についてお答えをいたします。  熊本地震に関しまして、現時点で得られた教訓や課題及びそれに対する対応といたしましては、まず、地震を初めとする大規模な自然災害は、いつどこでも起こり得るため、県民に対して災害に対する備えや心構えをしっかり周知しなければいけないということ。  また、発災直後は現地の状況やニーズをできるだけ早く把握して迅速かつ的確な対応を行う必要があることを改めて認識いたしました。  このため、情報収集や調整等の役割を担う県職員を、一刻も早く被災地に派遣するために必要な車両の整備経費を今六月議会にお願いをしているところでございます。  さらには、今月から現地の情報を関係機関同士が地図上で共有できる地理情報システムの運用を開始しております。このシステムを活用することで、被災場所が明確に把握できることですとか、道路や建物の損壊状況等を画像によって迅速に共有できることになります。これによりまして、より一層情報収集能力が向上いたしまして、緊急消防援助隊や自衛隊等に対します迅速な派遣要請にもつながるものと思っております。  また、今回の地震では、災害拠点となる庁舎の損壊も見受けられました。円滑な災害対応に支障が出るところもありました。このため、庁舎等の耐震化を積極的に進めていくことができるよう、国に対して先ごろ財政支援も提案したところでございます。  そのほかに、支援物資を効率よく配送するためのシステムでございますとか、罹災証明など災害時における市町業務の支援のあり方といった問題につきましても、今後引き続き検証が必要になってくるものと考えております。  いずれにいたしましても、今後は国などによる検証の結果でございますとか、今回、被災地へ派遣した職員の経験や意見などを活用いたしまして、本県の災害対応力の向上を図ってまいります。  私からは以上です。 45 ◎白井文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、肥前窯業圏の日本遺産認定について三点お答えをいたします。  まず、日本遺産認定の意義についてどのように考えているのかというお尋ねでございました。  本県には、陶磁器などの伝統工芸を初め、連綿と続く多彩で特色ある文化的、歴史的資源が数多くございます。特に、今回、日本遺産に認定された肥前陶磁文化は、世界に誇れる佐賀の本物であると考えております。  肥前窯業圏は、日本磁器発祥の地として、各産地が切磋琢磨しながら独自の花を開かせていった、まさに百花繚乱の魅力的な地域であることから、今回の認定は我が国の文化、伝統を語る本物として高く評価していただいたものと受けとめております。  また、認定自治体が県内だけではなく県境を越えて長崎県にも及ぶことから、今後の事業展開におきましては、それぞれの地域の特徴を生かしながら、肥前窯業圏全体の歴史、文化、食、自然など、各地の魅力を肥前窯業圏ブランドとして構築していきたいと考えております。  次に二つ目の御質問は、今後どのように事業を展開していくのかというお尋ねでございました。  今回の日本遺産認定に伴いまして、今後、肥前窯業圏をいかに活性化していくかという点について、各地域の自治体及び商工、観光、まちづくり、窯業などといった地域のさまざまな団体をメンバーとする肥前窯業圏活性化推進協議会を設置したところでございまして、ここが主体となってさまざまな事業に取り組んでいくことといたしております。  事業内容といたしましては、効果的に事業を推進するための事業戦略の策定、また国内外に向けた日本遺産としての肥前窯業圏ブランドの情報発信、さらには地域資源の磨き上げによる文化観光の創出などの事業を予定しております。  また、これらの事業を進めるに当たりまして心がけるべきこととして、まずは県民の郷土への愛着や連帯感を高めていくこと、次世代へ継承していくために子供たちに働きかけていくこと、それから、多言語化対応等によって海外からのインバウンド対策にも力を入れていくことなどに特に留意しながら取り組むことといたしております。  三つ目の御質問は、事業を実施するに当たって地域の意見をどのように取り入れていくのかというお尋ねでございました。  今後の事業展開におきましては、先ほど申し上げました肥前窯業圏活性化推進協議会の中に、それぞれの地域で頑張るまちづくり活動のリーダーですとか、若手の方々などを中心としたワーキンググループを設置することとしております。  これらの方々に中心となってもらいまして、さらにアンテナを広げて、各地域の声を丁寧に拾い上げて事業に反映させていくようにしたいと考えておりまして、将来にわたって継続的、主体的に地域が活性化されていくような仕組みをつくっていきたいと考えております。  県といたしましては、今回の日本遺産認定を契機に、改めて各地域の現状や課題を十分に認識するとともに、地域が主体となって事業に取り組んでいけるように十分に支援をしてまいります。  私からは以上でございます。 46 ◎議長(中倉政義君) 本日の会議はこれで終了いたします。あす十五日は引き続き一般質問を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後五時十五分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...